短編1
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亡者②

大北は今まで一度たりともさやかを家に上げたことはなかった。

悪癖がバレる恐れということもあったが、

自分のテリトリーに彼女といえど

他人が家にいると落ち着かなかったから。。。

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仕事が終わり、大北はさやかを家に誘った。

会社から家への帰り道に猫を見かけるたびに

彼の欲は高まっていった。

初夏の夕空は紅色の鮮やかが広がっていた。

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「ここが家?結構広いんだねー」

さやかは興奮した。

「家の中ちょっと汚いけど、許してくれ(笑)」

家の中に入ると大北はリビングのテーブルに案内した。

「ここに座ってて、なんか軽くつまめるもの用意するから」

そういって席を立つと、足早にキッチンへと向かった。

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さやかは家の中を見渡した。

特に変わったものもなく、

むしろ物が少なくて殺風景にも思えた。

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「ん?あれなんだろ・・・」

ちょっとした本棚の脇に壺が一つ置かれていた。

(梅干しでもはいってるのかしら?)

さやかはその壺に手をのばし、蓋を開けてみた。

ー亡者②-

Concrete
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