短編2
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長い死体 その1

知り合いから聞いた話です。

ある夏の日。その日は蒸し蒸しと暑く、絶好の海水浴日よりでした。

この話の登場人物は4人。ここでは仮にA、B、C、Dとしておきましょう。

この四人も一泊二日の旅行ついでに海水浴に来ていました。

さて、この海水浴場は利用客も多く地元でも有名でしたか、もう一つ有名な理由がありました。

その理由とは、上がらないのです。

毎年何人か行方不明者が出るのですが、何日まっても中々水死体が上がって来ないのです。

その原因は下げ潮(確かこんな名前でした…)でした。

少し沖の方に小島があり、地形とかの理由で、その島の周りで潮が沈み込み、死体が沈んでしまうらしいのです。

この様な理由から地元では心霊スポットとしても有名で、誰もその島には近づきませんでした。

しかし四人のうちCは泳ぎが上手く、よく一人で沖の方まで泳いで行ってました。

この日も知らなかったとは言え、沖まで行ってしまい、その島で休憩し帰って来ました………。

周りの友人は「またか。」程度で気にしていませんでした。

そうこうしている内に日も傾き、腹が減ったと言うことで皆を呼び戻し近くの店で夕食を取る事にしました。

ホテルに戻り店に入ると席に通されたのですが、不思議な事が起こりました。

店員が水を四つ置き、さらにもう一つ…。誰もいないはずの席に水を置きました。

四人は不思議そうに店員を見つめ、一人が「これは何ですか?」と訪ねたそうです。

しかし店員は「えっ?」という顔おして、「お水ですが…。どうかいたしましたか?」と聞き返してきたそうです。

しかしAは食い下がり、「そうじゃなくて、四人しかいないのに何で五つも水がいるの!?」と声を荒げたそうです。

すると店員は誰もいない席を見つめながら首を傾げ、水を下げました。

「あれはいったい何?」などと四人でブツブツいいながら食事を済ませました。食事が終わるとCが「俺、夜の海好きだからもう一回泳いでくるよ!」と言い一人で再び海に向かいました。

これも何時ものことなので三人は「気を付けろよ。」と、Cを送り出しました。

怖い話投稿:ホラーテラー LJさん  

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