トビーの形見(大幅改編)

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トビーの形見(大幅改編)

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幼いころ、家の近くに

小さな駄菓子屋がありました 

狭い店の奥には薄暗い土間があり、

その向こうは居住スペースがあり、

裏手にはこじんまりとした庭もありました

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直角に近い角度で曲がった腰の婆さんが

一人暮らしながらやっており、

しわくちゃの顔をさらに

クシャクシャと笑顔を作り、

学校帰りの子どもたちを迎えてくれてました 

本当に仏様のように優しい婆さんでした 

兄弟がおらず、

両親と3人暮らしだった当時の僕にとって、

この店のひとときは癒しのひとときであり、

もう一つは、

家で飼っていた白猫のトビーと

遊んでいるときでした

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お婆さんの店には、

お菓子やアイスクリームが

たくさんあったのですが、

その他、ハンバーガーとかもありました 

これが生徒たちに大人気で、

30円という破格の値段のわりに、

肉がとても美味しかったのです 

なんでこんなに安い値段で

あんなに美味しいハンバーガーを

提供できたのか、

当時は不思議に思っていたものでした

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ある日僕は、母にひどく叱られました

白猫のトビーの目の回りに

黒マジックで丸を書き、

赤マジックでマニキュアのように

爪に塗ったからでした 

そのことがあった翌日からトビーが

いなくなり、

1週間経っても家に帰って来なくて、

自分のせいではないかと、

幼いながら僕は心が痛みました

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学校帰りにいつもの通り僕は駄菓子屋に寄って

30円のハンバーガーをほおばりながら、

いなくなったトビーのことを

婆さんと話してました

「そりゃあ、心配じゃろう、、」

婆さんは皺だらけの目元に更に皺を寄せて、

さも心配そうにつぶやきました

「いつか、帰ってくる、と思うんだけどね」

と言って僕は大きく口を開けて、

バーガーを

ほおばります

すると口の中に何か硬いモノがあり、

僕はそれを誤ってガリリと噛んでしまい、

慌てて吐き出しました 

手のひらに乗ったソレを見ると、

それは何か赤い色をした

鷹の爪のようなモノでした

僕は改めてソレを見て、

前かがみになり激しく嘔吐しました 

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ソレは紛れもない、僕がイタズラしたトビーの

爪だったのです

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