短編2
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コロニー1

 夏風が去り、半袖では少々肌寒い季節になった。

 僕は半袖のTシャツに薄手のカーディガンを羽織り、外へ出た。玄関の戸を開けば、眼下に海が広がっている。この海辺の町は長閑で人も優しく、いい町だと言えると思う。ただ一つのことを除いて・・・。

 この町で暮らして来て17年、今は高校二年生だ。

家は海沿いの道路に面した二階建てアパートの二階にある部屋で、母と二人暮らしだ。母は仕事が忙しいのでほとんど家にいることは無く、家事等はだいたい僕が役割を担っている。帰りの遅い日が多いので会うことも少ないが、それでも親子としての仲はいい。

 ただ、僕には最近悩みがある。

 この町が、おかしい。

 おかしいというのは怪異的な意味で、そう感じるようになったのは二年前の夏からだった。

 まず一つ身近に感じた事は、近くの小島に住み着いている海鵜たちが急に攻撃的で騒がしくなったということ。

島は堤防から渡れる距離にある名も無き小さな島なのだが、そこは僕が生まれる前から海鵜たちのコロニーになっていた。

今日は今からそこへ行く。以前、普通に散歩て島の付近へ行ったときに海鵜たちがやたらと騒がしく、偶然会った散歩中のご老人と不審だということを話していた。

他にもおかしいと思うことは幾つかあるのだが、それはまた次の機会に。

今日は僕一人でそのコロニーへ行き、何が起きているのかを確かめるのだ。無論、僕はただの学生であり特別なオカルト好きでもない。

それでも確かめなければいけないことがある。僕の友人は・・・この町で起きている怪異の1つに巻き込まれたのだ。

Concrete
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