中編3
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こういう時は決まって…

大学生のAはある日、親友であるBに「何人かで集まって怖い話をするの会」に誘われた。

その会はAを入れて6人いて、毎回1人1つの怖い話を披露するというものだった。

前回までは夜中にやっていたのだが、都合が合わなくなり、夕方開催になったそうだ。

当日、AはBと一緒に主催者であるCの家に行き、リビングに連れて行かれた。

Cはみんなが揃ったことを確認し、話になって座るよう促し、皆んなをリビングの中央を囲うように座らせた。

カーテンを締め切ると部屋は何も見えなくなった。Cは輪の真ん中にロウソクを一本立てると、今回初参加のAから話を始めようと言った。

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Aの持ってきた話は外国のロックバンドの怖い話だった。

ヴォーカルが次々にバンドメンバーを殺し、最後は自分も自殺するのだが、自殺に失敗し、断末魔をあげた。

その時何故か部屋にあったレコードが録音機能になり、セットされていたデビュー作に彼の断末魔が録音され…

Aは話し終えると、皆んなの顔を見た。

暗かったのでよく見えなかったが、皆んな怖がっているようだったのでホッとした。

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次はBの番で、通っていた小学校の怖い噂について話した。

内容は、焼却炉に誤って落ち、燃やされてしまった男子生徒がいて、その事件以降、学校の敷地内で黒い煙のようなものが徘徊するようになり、その煙を吸うと死んでしまうというものだった。

BもA同様に様子を見ていたが、好感触だったのか、深く息を吐いた。

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次の人は地元の神社の噂の話をした。

その神社は昔から不幸な神社で、火事にあい、落雷し、洪水にあった。

しかし神社は崩れる事なく今もなおそこに建っているのだ。

不気味に思った地元の町会長が業者に依頼して壊そうとしたのだが、業者の責任者とその町会長が謎の死を遂げて…

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次の人は昔、放送する前に製作スタッフが全員自殺した伝説の呪いのアニメの話をした。

これは本当にあるらしく、「あぁ、あれか」という声も聞かれた。

話の内容はあまり怖くないのだが、実際にあったらしいので、並以上には怖かった。

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次の人はとある古書の話をした。

その本が書かれたのが江戸時代の末期で、武士が富士の樹海に入り、その時武士の体にどんなことがあったか、また、樹海に何があったか書かれているのというものだ。

その本は富士の樹海にあったのを樹海の調査に来ていた調査団に発見されたのだが、その本を調査団が調べていくと凄いことが分かった。

その本は墨で書かれていたのではなく、血で書かれていた。

そして最後のページにはその武士のものであろう血の顔スタンプがあった…

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次の人は実際にあった不思議な出来事について話した。

その人が旅行に行った時に寄ったコンビニの話で、中には肉が沢山置いてあったらしい。

床は緑色のシートが敷かれているのだが、茶色い何かが擦ったような跡があり…

その日は怖くなって泊まっていた旅館に帰り、次の日にまた行くことにした。

しかし何度もどこを探しても店は無かった。

気になったまま帰るのも嫌なので、泊まっていた旅館の女将に話を聞くとそこは昔、人体実験場で…

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ここで主催者であるCに番が回って来た。最後の語り手とあり、皆んなが生唾を飲み、手の汗を拭く。

しかし、一向にCは話を始めないので、隣にいたAが「どうしたんですか?」と話しかけた。

するとCは一言…

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「7人居る…」

Concrete
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