短編2
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いつまで…

大学時代に友人から聞いた話。

釣りが大好きだった友人はその日も朝から釣りに出かけていた。

場所は川の上流域で、かなりの山奥である。初めて行った地方だったが、偶然見つけたその場所は驚くほどヤマメが釣れた。

知ってる人も多いと思うが、釣りは朝と夕方の「まずめ時」が最も釣れる。

ところが、その日は昼を過ぎても全く終わる気配がない。

彼は時がたつのも忘れて夢中になっていた。

気付いたら辺りは薄暗くなっていた。知らない山の夜は危険だ。

彼は身の危険を感じて、帰り支度を始めたそうだ。

その時、ふと背後に気配を感じて振り返ると、小さい女の子が背を向けて立ってる。

山奥のこんな時間だ。

驚いたのと心配になったので「こんなとこで何してんだい?」って聞いたそうだ。

振り向いた顔をは老婆の顔だった。

しかも、顔がひきつるぐらい満面の笑顔。

でも彼は、病気か何かだと思って、同じ質問を繰り返したんだ。

そしたら笑顔を崩さないまま、「いつまで」ってつぶやいたらしい。

何回も。何回も。

キチ〇イだったんかなあと思って、軽く会釈して帰ろうとした。

すると、急に老婆の声が合成音声みたいになって、「いつまで生きる?」って言った。

凄い勢いで下山した彼の耳には山から下りるまで、婆さんのつぶやく声が何度も聞こえた。

その話を聞かされた私は自分の膝がガクガク震えているのを感じた。

話の途中から友人は気持ち悪いほど満面の笑顔だったのだ。

それからしばらくして友人は自殺した。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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なんか怖い…
老婆の満面の笑みを想像してしまった。