短編2
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こおりおに

今日で20年たった。

神様や仏様のお使いが迎えにきてくれた。

だけど、動かない僕を連れていってくれない…

お願いだから僕に触って一言『こおり』と呟いてくれれば…

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僕が死んだのは20年前、友達と公園で遊んでいた。

『こおり鬼』で…

身体の弱かった僕は無理を言って皆と遊んだ…

皆は心配してくれたが最後には「皆で遊ぼう!」言ってくれた。

凄く嬉しかった…

鬼に捕まりそうになった僕は寝た状態で『こおり』と宣言し動かなくなった。

後はゲームが終わるか、他の方に助けてもらうまで寝てれば良いだけ…

だけど…僕の心臓が止まってしまった。

誰も近くにいなかった…

気が付かれたのは10分後…

慌てる友達…

駆けつけた大人たち…

救急車に乗せられ運ばれていく僕の身体…

『こおり』と言ってもらえないから動けない僕…

だけど、身体だけは運ばれていく…

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2日前、僕の頭から伸びていた紐が切れた…

お父さんもお母さんも公園の前を泣きながら通っていく…

だけど…僕に気がつかない。

5年…

10年…

過ぎていく季節…

公園のスピーカーから流れる放送が時の流れを報せてくれる。

友達も成長していく…

僕にも弟と妹ができた。

お父さんとお母さんが報せに来てくれる。

お花とお線香と一緒に…

だけど…

僕には気がつかない。

お父さん…

僕に触ってください。

お母さん…

『こおり』と言ってください。

僕はまだ…

ここにいます。

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20年たった。

昨日、公園が無くなってしまった…

大きな建物が建ってしまって誰も来なくなってしまったのだ。

神様、僕は悪い子でしたか?

やっぱり両親にも心配させてたのがいけなかったですか?

もう、僕の場所には誰も来ません。

これないんです。

だれか…

おねがいです…

ぼくにさわってください…

ひとこと『こおり』と…

つぶやいてください…

たすけてください…

かいほう…

してください…

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おねがいします…

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@キャトラ
コメント&怖ポチありがとうございます。
そこまで、誉めてとらえるとは…
嬉しい過ぎて悶え死にそうです!
この作品はダラダラと納得できないまま書いていた話を書き直した作品です。
なので、キャトラさんからのようなコメントを貰えると本当に嬉しいです。
これからもチョロチョロ掲載していくので宜しくお願いします。
個人的にはキャトラさんのようにネタの神様がいっぱい降りてくると嬉しいのですが…(笑)
では失礼します…

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@あんみつ姫
コメント&怖ポチありがとうございます。
あんみつ姫さんは私以上に今回の主人公の気持ちを理解されてるのかもしれません。
彼には何も罪はありません…
ただ運が悪かった…
残酷かもしれませんがこれが現実です。
最近は公園などでゲームで遊ぶ子供達を良く見ます。
悪いとは思わないんですが、可哀想とも思ってしまうのは年くったからですかね?
また、掲載したら宜しくお願いします。

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@shibro
コメント&怖ポチありがとうございます。
嬉しい状況からの死…
少年は無意識かもしれませんが無念だったんだと思います。
ちなみに『氷鬼』…メジャーじゃないのかな?
基本は鬼ごっこの派生です。
違いは逃げてる側は「こおり」と宣言すると無敵になり鬼は捕まえられません。
ただ、リスクとして鬼以外のだれかに触られない限りは動けません。
地方ルール等があるので厳密にはわかりませんが大まかにはこんな所だと思います…
他にま色鬼とか影鬼とか色々あったな~
あっ泥警とかも(笑)

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