短編2
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忠告その後の後

俺には霊感はない。

法律上も霊なんてものは存在しないことになっている。

当然だ。そんなものは無いのだから。

存在を証明できないものを前提に話をしてなんになる?

こっちはビジネスだ。生活かかってんだ。

ボンクラの戯言に足を引っ張られてる余裕はねえんだよ。

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「っんなんだよ。チキショウめ!」

俺は道端の小石を蹴りながら、夕闇迫る田舎道を歩いていた。

長らく賃貸リストからも外れていた、いわゆる「倉庫番物件」。

やっと契約にこぎつけたってのに。

クソ上司の言葉を思い出して、俺はまた胸糞が悪くなった。

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「若槻君ねえ。これ、重要事項、顧客のサインがないんだけど。

まさか、事故物件の説明、してないんじゃないよね?

困るねえ。これで顧客に何かあったら、告知義務違反で上げられるのはこっちだよ?君の怠慢に付き合わされるのはご免だねえ」

上司が舐め上げるような視線を向けた。

「サイン、もらってきてくれるね。今日中だよ」

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客のほうは誤魔化せたってのに、チンケな小男のせいで、書類にサインをもらわなけりゃならなくなった。

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(ケッ。契約取ったってのに、たかが書類不備ごときでネチネチと)

うだうだと考えながら歩いているうちに、夕闇が迫ってくる。

やがて、木立のシルエットの向こうに、件の一軒家が見えてきた。

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wallpaper:187

俺は木立の影に身を隠すと、マイルドセブンをくゆらせながら、古びた木造住宅を眺めた。

窓には明かりがついている。客は家の中にいるらしい。

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(確か首吊りだったよな。ここ。

あー、なんて言って名前書かせようかなあ。)

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そう思いながら何とはなしに見ていると、カーテンの向こうにわずかに人影が動いているのが見えた。

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(・・・?)

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直後、違和感を感じた。

今日契約した客は、独り身の男だったはずだ。

だが、カーテンに遮られてうっすらとしか見えないものの、今窓に移っているのは、長髪の女性に見える。

女がいるような男には見えなかったのだが・・・・・・。

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(・・・・・・え?)

俺の煙草を持つ手が止まった。

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女の影が、何か、紐のようなものを天井に向かって投げたように見えた。

(洗濯物?・・・いや、違う)

女が椅子のようなものを持ってきて、その上に立った。

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(おい・・・冗談だろ?)

紐のようなものを首にかける。

(・・・よせよ)

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一呼吸、二呼吸したあと、女が椅子を蹴った。

(止せ!!)

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女の体が宙に浮いた。いや、上から吊り下げられた。

両足が激しく動く。

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shake

「止せええ!!!」

思わず絶叫していた。

(首を吊りやがった!)

俺は無我夢中で一軒家に向かって走り出した。

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to be continued 月舟様

Concrete
コメント怖い
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@ロビンⓂ︎ 様
コメ有難うございます。
そうですね、然るべき方からの声掛けなら、珍味様なら、きっと...
ニヤリ☆

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@ロビンⓂ︎ 様
ありがとうございます。
この後を珍味様がどう料理するのか、ワクワクしますね。
まあ、若槻が生き残ったら、ある意味超展開ですが(笑)

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報告義◯を怠った若槻くん… 一般的なホラー展開では、初めの方で◯◯されそうですね…ひひ…

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