短編2
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肝試し

Aはこの夏、仲のいいB,C,Dと共に肝試しに行くことになっていた。

Aが声をかけると、全員「おっけー」と言ってきた。

そして肝試しに行く前日。

役割分担をしてスムーズに肝試しができるように、Aは各々に役割を伝えるメールを送った。

Aは肝試し会場と集合、解散場所の間の運転、Bは会場でのライト担当、Cは荷物持ち、Dは記録係(写真、動画係)になった。

Aがメールを送ると、D以外の2人は返事をした。

「まぁカメラとかは俺が持ってるの使うんだし、俺がやってもいいか」

そんな考えで肝試し当日を迎えた。

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Aが集合場所に行くと、3人とも集まっていた。

「おい、返信ぐらいしてくれよな」

「わりぃ、あの時間もう寝てたわw」

Dは軽くAに謝ると、早く行こうと車に真っ先に乗った。

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肝試し会場に到着した。

今回肝試しをするのは結構オカルト好きには有名なトンネルだった。

トンネル内で手を叩いても音が響かない、心霊写真がよく撮れるetc…

目の前に伸びるトンネルを前に、4人とも緊張と興奮を感じていた。

「早速トンネルを撮っておいて」

「分かった」

カシャ…

シャッター音が鳴る。

「撮ったよ、中入ってみようぜ」

コツ、コツ、コツ…

カシャ…

Dが写真を撮る音と靴の音しか聞こえない。

「手、叩いてみるか…」

Bがトンネルの真ん中あたりで言った。

「そうだな」

パン…

壁に当たった音は理を覆さず、響いて行く。

パン…パン…パン……

「響くやんけ、嘘かよ」

Bは深いため息をすると、さっさと歩き出した。

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トンネルを通り切った4人は、中でDが撮っていた写真を見てみる事にした。

「これが最初にあっちで撮った写真だろ?」

トンネルの前で撮った写真は何の変哲も無い写真だった。

「これが中で撮った写真だろ?……何も写ってねぇなぁ…」

写真に写ったA,B,Cの腕とか足が消えてないか、壁から手が生えてないかなど、隈なくチェックしたが、何も映っていない。

「ガセだったのかな…うぜー」

Dが落胆していると、Aが思い出したように言う。

「集合写真撮ってさっさと帰ろう」

Cが運んできた三脚を立て、4人はトンネルをバックに写真を撮った。

全員がこの写真に何か写っていろと思う。

ポチ、ポチ…

撮れた写真を見た。

写っていなかった…

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確かにそこにいた

Dの姿が

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