短編2
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いつもの子

ホームのベンチに座る女の子がいる。彼女はいつもそこから線路をながめていて、毎朝私がいなくなるまでずっとそこにいる。

毎日の事なので習慣になりつつある私の目が、ついつい彼女を探してしまう。そして今日もそこに座っていた。

彼女が電車に飛び込んだのは先週の金曜。進路かなんかで悩んでいて、精神を病んでいたんだとニュースで知った。

それじゃあ、今私の目の前にいるこのコは誰?ベンチに座ってただジッと線路を見つめるこのコは。

すーっと女の子の顔だけが私を見た。反対側の顔はぐしゃぐしゃだった。

ひとり じゃ 寂しい よう

そう言って姿が消えた途端、無性に私も飛び込まなきゃって思った。

でも線路を見ればいくつもの白い手がわらわらと泳いでいて、飛び込もうとする私においでおいでと手招きしている。

ねえ一人じゃ寂しいって嘘じゃん。いっぱいいるじゃん。今まで飛び込もうとしていた私の気持ちが急速に失せていった。

滑りこんできた電車が停車して、私が乗り込もうと跨いだ時、ホームと電車の狭い隙間からあのコが私をにらんでいた。

どうして私をにらむの?だってあなたは私に嘘をついて・・

そう思った時向かいのガラス窓に私が写っていない事に気付いた。あれ?駅員さんが走ってきて乗客がみんな降ろされた。ホームを見れば先週の金曜日のような騒ぎになっている。

そのうちの一人が言った。また誰か飛び込んだらしいぞ。

人混みの中からあのコが笑いながら近づいてきた。ぐしゃぐしゃになった顔はなぜか綺麗に治っていて、電車に乗り込んできたかと思ったらこう言われた。

あなたは今この下にいるのよ、良かったら私とお友達にならない?

Concrete
コメント怖い
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作品を読ませて頂きました。
まるで悪夢です。

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君は越えるよ
怖い話を沢山書く人達を
ちなみに俺笑

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