地元の友人から聞いた話。
今から百年近く前、和歌山の市鹿野という山あいの地域での話。
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地元の人が「ぢげ山」と呼ぶ山の中腹で、山仕事をしている人達が弁当を食べていると、
麓の方で５、６歳くらいの可愛いらしい女の子がこちらを見上げてニヤニヤ笑っている。
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「丸太を落とすから危ないぞ」と声をかけても、いつまでも笑っているので、
連中はしまいに腹を立て、本当に丸太を投げ落とした。
しかし、大きな丸太を何本か落としても少女は平然としており、ニタニタ嫌な笑みを浮かべたままこちらを見ていた。
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流石に連中もこれはおかしいと気付き、
「さては、ガシランボが化けとるに違いない」
と言い出す者までいた。
遂には薄気味悪くなって山から逃げ帰ってきたそうだ。
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それからも、付近の山では同じような少女が現れることが時々あったという。
ガシランボの本当の姿はよく知られていないが、長い一本足だと言われているそうだ。
| コメント | 怖い |
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| 10 | 10 |
鏡水花様
評価＆コメントありがとうございます。
過去の作品にも評価ありがとうございました。
海にも怖い話はありますね。そんな話に出会えたらと思います。
体調崩されているとのこと、ご無理なさらずお身体御自愛下さいませ。
元気になられて、またお話しできるのを楽しみにしております。
岩坂さま
ご無沙汰しておりますm(_ _)m
先日も怖ポチ逃げでごめんなさい（´・-・。）
岩坂さんの話しは、本当に興味深い話しばかりですね(*´ω`*)
海派の私は山は余り行った事もないものですから、より一層、想像を駆り立てられます。
そして、年末に投稿した作品のコメ返も未だでごめんなさい。
もう少し回復しましたら、改めてお伺いいたしますm(_ _)m
shibroさん
評価＆コメントありがとうございます。
中学生の頃、市鹿野にある川添中学校に行ったことがあるんですが、ちょっとびっくりするくらいの山ですね。水墨画の世界やと思いましたよ。
その川添中も今は廃校になってしまいました。かなしい……
珍味さん
評価＆コメントありがとうございます。
紀伊半島の８割は山地だからか、山にまつわる妖怪の話が非常に多い印象です。
お年寄り達が、狼とか川獺と同じように「昔は本当におったもの」として妖怪を扱っているのが面白いなぁと思います。
はとさん
評価＆コメントありがとうございます。
ゴウラ（河童）が冬になると山に入ってガシランボになると言われています。カシャンボとも呼ばれますが、同じ妖怪かは分かりません。一本足じゃない話も聞いたことがあります。謎です。
いくら可愛い女の子でも、ニタニタ笑ってたら怖いですねー。
車猫次郎さん
評価＆コメントありがとうございます。
ガシランボは一本足と言われることもあれば、猿みたいだという話もあります。正体不明です。
ガシランボって初めて聞きました。
まだまだ知らないことってたくさんあるんですね。
市鹿野か・・・今でもめっちゃ山の中ですよね。
森林、一本足の異形…山の伝説らしい感じですが、ガシランボという固有名詞と熊野という場所の組み合わせが、妙にリアリティを与えているように思えます。
またまた興味深いお話でした。その少女の正体はなんだったのでしょうね。ガシランボ気になって他のかたの書かれているblog見てみたら絵が書いてありました。その方のおじいちゃんも見たことがあるということでした。熊野地方で活躍(笑)していたのですね。
ちょっとあってみたいけれど、なにも言わずにずーっとニタニタしてたら、やっぱり怖いかも。。
女の子の姿に化けた妖怪ですか。しかも、一本足。
怖いですね。
作者岩坂トオル