中編3
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産まれてから30年位たった…

愛する人と出逢い子供も授かり色々と問題もあったが幸せな生活を送れた…

そんな幸せに軋みが生じたのは1通の葉書からだった…

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「なあ…今度の休みに同窓会に出る為の服でも買いに行くかい?」

僕達の出逢い…

同級生で明るい性格の女の子…

彼女の性格が気になり気がつくとその姿を目で追っていた。

同じクラスになり友人となり…彼女と話す内に更に好きになる。

そして…三年の学園祭で告白した…

多分…生きていたなかで一番勇気をだした瞬間だと思う。

まあ、学園祭を見に来ていた義父さんは激怒していたけどね(笑)

そんな学園から同窓会の手紙…

僕と連名で来ていたのでちょっとは着飾りたいかな?と思い声をかけたのだが…

「いいわよ…貴方の同窓会なんだから私は行かないからお土産は宜しくね♪」

話が噛み合わない…

何を勘違いしているのかと思い問いただそうとした時に義父から晩酌のお誘いがあり中断してしまった。

あれから、僕も仕事の都合で長期の出張となり同窓会も欠席…

あの話もする事もなかった。

そして、軋みが酷くなり亀裂がはしる事件がおこる。

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「ねえ、兄さん」

甥からあった何気ない一言…

「姉さんとのお見合いの時の話って本当なの?」

お見合いってなんだ?と思って話を聞いていると…

「お見合いの時にレストランで別々の席につかされた後…」

甥の話はもちろん記憶に無い話…しかし、甥はアルバムの写真を見せながらどんな内容なのかと問いただしてくる。

妻が甥を怒鳴りつける声が遠くで聞こえてくる…

「貴方…気にしないでね?貴方が私を一目で気に入ってくれて…私も貴方を好きになったんですから?」

見合い?見合いってなんだ?皆で僕をかついで悪戯でもしめるのか?

解らない…頭が痛い…痛い…痛い

頭が割れるように痛い…

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夫が倒れてから

2年たった…

倒れる数年前から言動がおかしくなっていたのは皆が気づいていた。

私の年齢も間違える…随伴での同窓会の誘いにまるで私達の同窓会だと言うように語りかけてくる…

私達の出逢いも間違っている。

夫の記憶が徐々に塗り替えられていく…

だから、皆で誤魔化してきた…その様な話題になるときには皆で話が続かないようにフォローしあってたのに…

あのバカがお見合いの話を夫にしたのだ。

夫が倒れたのあのバカのせい…

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父さんも姉さんもおかしい…

義兄さんの言動がおかしいとか言っているが、おかしいのは2人のほうだ。

お見合いとか言っているがアルバムに写っているのは姉さんばかり…義兄さんは全く写っていない。

突然、義兄さんを連れてきて…

「新しい旦那様よ!」

と嬉しそうに言っていた。

義兄さんは目も虚ろで怖かったのを覚えている。

妹も「姉さん…何言ってるの?」と狼狽えていたのは覚えている…

しかし、一週間もすると妹も当たり前のように生活しだし、義兄さんの事を受け入れてしまった。

過去の事を何も知らない義兄…

当たり前のように義兄を受け入れる家族…

何かが狂っている…

何かが…

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今日は夫が退院してくる…

弟はお説教がきいたのか嘘のように素直になった。

お隣の小説家の先生や同僚の男性…親戚の家族も呼んで今日はパーティーだ。

これで全てが順調にいく…

私の幸せを壊す人はいない…

嘘で固められた家族だとしても…

皆が信じれば…

それが真実なんだから…

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今日は退院の日…

僕は長い夢を見ている間に全てを思い出した…

今の家族は偽り…

皆の記憶も偽り…

全てはあの女の…

僕は本当の家族に合う為に…

本当の家に帰る為に…

行動を起こそうと思う…

生きて帰れたら連絡します。

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これはある家族の日記です。

長い間、仲良く暮らしていた3世代の家族…

ただ…この家族は全てが嘘で固められていました。

全てが何が真実で何が嘘なのか…

くだらない物語と言ってしまえば簡単なのだが…

私はこの皆で首をくくって自殺した家族に興味をひかれてならない。

この日記に全ての秘密が…

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