短編2
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正夢

中学の時の話。

友達がとても怖い体験をしたというので私はその子の話を聞くことにしました。

※その友達は全く霊感はありません。

その子は、まず怖い夢を見てそれがとてもリアルだったと言っていました。

その夢の内容が、放課後教室に忘れ物を取りに向かうと隣の教室に見知らぬ女の子がいて素通りして忘れ物を取りに行き帰りに恐る恐るその教室の前通ると「ねぇ待って」と声をかけられのでその子の方を見ると足がないのでダッシュで逃げると右に左に大きく揺れながら廊下を追いかけられたという夢を見たそうです。

夢ならいいじゃんと言ってその話を終えました。

その後その日の授業を受けてホームルームまで終え部活を卒業していた私たちは受験のため下校時間までクラスで勉強をして帰っていました。

すると夢を見たという友達が教室に筆箱忘れたと言って教室に取りに戻ろうとしましたが夢のまんまだと戻るのを躊躇っていました。

私たちは最初はおちょくっていましたがその子があまりにも怯えていたので「3人なら夢の通りじゃないだろ?」と一緒について行くことにしました。

私たちの教室は2階にあるため階段を上り2階まで行き夕日も沈み薄暗い廊下を歩いていると隣の教室に誰か残っていました。

薄暗かったため顔は見ていませんが私たちは下級生が私たち同様なにか忘れ物を取りに来たのだろうと深く考えませんでしたが夢を見た友達は「うわ〜夢と同じになってる」と少しだけ涙目で声が震えていました。

そんなことを言われ私達にも恐怖が伝染しました。

3人で怯えながら教室へ入り電気をつけ忘れ物を無事取ってカバンの中へしまい教室を出てまた薄暗い廊下を歩いて隣の教室に差し掛かったのでその教室を見るとさっきいた人はいなくなっていました。

よかったと友達が安心して歩を進めた瞬間。

何故か友達が血相変えてダッシュしたので私ともう1人の友達は追いかけました。

玄関まで行き友達に私たちは少し怒り口調で「何の前ぶりの無くなに急に逃げとんねん」と言うとその友達が「急に走ったのはごめん。でもあんなの聞こえたら普通逃げるやろ?お前らも聞こえたろ?」と言われたのですが私ともう1人の友達はきょとんとしていました。

友達いわく、隣の教室に人がいないの確認して1歩踏み出した瞬間「夢と違うことするなよ」と怒ったような少女の声がその友達の耳にはっきりと聞こえたようなのですが、私ともう1人の友達には全く聞こえませんでした。

もし1人で忘れ物を取りに行ってたらホントに追いかけられていたかも知れませんね。

それ以来その友達は小袋に入れた塩と御守りを持ち歩くようになりました。

そのおかげもあってかそれから何も無いようです。

Concrete
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