短編2
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夢と現実の狭間

小さい頃から夢と現実が混同

することがあった。

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いつだったか夢の中でテレビ

を見ていた。テレビはCMを

流している。新しく開園する

アトラクションプールのCMだ。

「ここに行きたい!」

そう思った。

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数日が経ち、ふと思い出した。

『新しいプールが出来るんだった!』

そして、母親に報告をする。

「〇〇にプール出来るんだって、

面白そうだから行きたいなぁー。」

母親は「そうなの?」と普通に

現実の話として受け止める。

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現実の世界でテレビを見る。

だが、あのプールのCMが流れる

ことはない。疑問に思い考えるが、

当たり前のことである。あのCMは

夢の中の出来事だったのだから。

そのことにふと気付き、母親に

「プールのCM夢で見たんだった。」

と告げて呆れられるということがあった。

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夢から目覚めるが、それも夢の中で…と

何度も繰り返す夢を見たこともあった。

目覚めたと思うのに身体の自由が効かず

まだ夢の中なんだと思って、目覚めるが

それもまだ夢の中で、「もう夢から目覚

めること出来ないんじゃ…。」と恐怖を

感じ、混乱しているうちにやっと瞼が開

いて、起きたことへ安堵感を抱きつつも

睡眠への恐怖が大きく段々と睡眠障害を

悪化させるようになってしまった。

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ここ数年は現実で自分が寝ている部屋の

夢を見ることが多い。

寝ているところへ来客などが来て時には

会話を交わしたりする。

しかし、目覚めると誰も居らず、けれど

誰かが来た記憶がある。

その記憶が夢か現実か確定的に決める事

が出来ないので、来客が誰か分かってい

る時はその相手に確認をする。

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最近では現実起きている時の記憶の濃度

が薄く、その日の出来事でさえ本当にあ

ったことなのか自信がなくなる。

段々夢と現実が混濁していく。今これを

書いてる自分は夢の中の存在なのか現実

の存在なのか。貴方には分かりますか?

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今夢の中に居るのか、現実に居るのか。

ほら、瞼を開けて下さい。

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起きないと間に合いませんよ?

shake

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