短編2
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玩毒

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蠱毒、孤独、蛙毒……狭いところで生物やらに苦痛を与え、それを凝縮させて毒にする。

その毒は濃さによって対象にもたらす効果が変わってくる。

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俺の住んでいる地方は田舎だ。

田舎ってのは昔からの語り継がれてる伝承がたまにある。

その中にはあまり人には言ってはいけない禁忌とかも含まれている。

今回はその中の1つの[呪い]という分野について話をしていこう…

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俺の地元には廃墟みたいな家がある。

見た目は木造の館。

中には焼却炉があるらしい。

そこはいろんなところから人形が取り寄せている。なぜその館は人形を集めてるのかをその筋に詳しい人に聞いてみた。

その人がいうには、そこの館は呪物を作ってるらしい。材料に人形を使用するので集めている。

なぜ人形を使っているのか?

長年大切に扱われてきた人形には魂が宿る。ほとんどの人形は子供が持ち主だ。

人形の魂は持ち主に似る。

子供はすごく純粋。純粋だからこそ危ない。ひとつの感情に染められやすい。

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突然見放された人形はどうなる?

子供に似ているから見放された理由を理解できない。

持ち主に捨てられたと憎む。

ひたすら持ち主を憎む。

そんな人形たちを焼却炉の中にたくさん人形を置く。

すぐには燃やさずに狭い空間で憎しみという毒を煮詰める。

そして焼くときはゆっくり焼く。

人形には魂が宿っているので熱いという苦痛すらも毒にする。

焼け終えたら焼却炉の中に作りたての人形を入れる。

人形には魂が宿るほどの受け皿がある。

その受け皿にすべての毒を盛る。

そしたら「玩毒」という呪物の完成だ。

「玩毒」という呪物は館の主のオリジナルらしい。

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そして人形を拾いあげて包装する際に絶対に気をつけることがある。

それは人形に目を合わせないこと。

話をしてくれた人は丁寧に「玩毒」の使い方まで教えてくれた。

まず呪いたい相手に「玩毒」をプレゼントする。

相手は何か良いプレゼントが入っていると思い、箱を開ける。

そのあとは人形に向けられた視線が引き金になり、毒が溢れ出て持ち主を呪い殺す…

この話を聞いて以来、俺は人形からの視線が怖くなってしまった…

あなたは人形を大事にしていますか…?

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