短編2
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叶で星

流れ星が流れると聞いた日の夜に、ベランダで夜遅くまで起きてずっと夜空を眺めてた。

とんと自分が小さいときの話だ。

キラキラ光る小さな光は美味しそうに感じた。

「金平糖だったら美味しいのにな」とか思ってた。

二時間くらいあっという間に過ぎていた。

それからもう少したった頃、お爺ちゃんが来て

「寒くねぇか?」って聞いてきた。

うん、なんて返事をしてお爺ちゃんの方を振り向くと、お爺ちゃんは星に目を向けて「じいちゃんの若い頃は、流れ星なんてしょっちゅう見られたからな。そりゃあ綺麗でたまらなかった」そういってお爺ちゃんは腰をおろしてあぐらをかいた。

そんなにしょっちゅう流れていたのなら、地球に落ちてきたりはしないのかと子供心に考えていると、

「お前は流れ星に願い事なんかするか?」

と唐突に聞いてきた。

そういえばしたことないなぁと首を横に降ると。

「欲がないなぁお前は」って笑いながら「流れ星に願い事をするなんて話は昔からあるんだよな。でもな、あれは願い事をする星であって叶えてくれる星じゃない。」そういって、いつのまにか持ってきていた煙草に火をつけて煙を口から吐き出す。

ゆらゆら揺れる煙は、白い薄い雲を見てるみたいだなぁと思った。

「願い事をして叶えてほしいときは、どっか大きい水面があるところに行くんだ。それで流れ星があったら水面の方に願い事をするんだよ。そうすっとな?流れたはずの星が水面にはまだ写ってる不思議な現象が起きるんだよな。そうしたら願い事を叶えてくれることを承知してくれた印だ」そういって煙草をもう一回吸っては煙をはいた。

「じいちゃんはそれやったの?」聞くと

「やったよ。だからばあちゃんと今こうして一緒にいられるんじゃねえか」といい空を見ながら指を指した。

空をみると、いつの間にか沢山の星が空を流れていた。

Concrete
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