『椿譚』〜「危険な人達」〜

短編2
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『椿譚』〜「危険な人達」〜

人によっては単純に不愉快に感じてしまうので、閲覧注意してください。

夏の日だった。

その日はとても暑かった。

僕はコンビニに行くためにサイフだけをポケットに入れ、家を出た。

家のすぐ近くに、車がギリギリ1台通れる程度の細い道がある。そこを通ってコンビニへ行く。

細い道に入るとすぐに人が3人とトラックが1台いた。

普段は人など気にもとめない。

しかし今日は違った。

1人は子持ちの女性。

1人は男性。

1人は女性の子供であろう。

そこでは男性が女性に結婚を申し込んでいた。

女性は自分などと言う様な素振りでいた。

しかし長い間男性は必死に口説いていた。

夕日が綺麗だった。

ついに決着がついた。

どうやら女性はOKと承諾したらしい。

少し遠くにいた子供はそれを知ってか知らずか、喜んでいた。

そんな幸せな空間だが、それは一瞬で壊れた。

トラックが彼女ら2人に突っ込んできた。

運転手はニヤけていた。

しかし、2人はトラックが来ている事に、気づいているのにも関わらず、避けずに抱きしめ合いながら轢かれていった。

僕は女の子を守るため、手を引き途中で小さい隙間に彼女を隠した。

僕は僕でその少し先の駐車場で隠れた。

駐車場で僕は上を見ながら祈っていた。

夕日が綺麗だった。

人が轢かれた音がした。

怖かったが、轢かれたであろう場所へと僕は向かった。

女の子は無残な姿だった。

僕は上を見上げる。

オレンジ色の夕日の輪郭が完成しようとしていた。

その夕日の輪郭が完成すると、夕陽の色が一瞬のうちに真紅となった。

とても綺麗だった。

夏の夕日のその一瞬しか見れない風景だ。

僕はその夕日を見て、携帯を持ってきて写真を撮りたかったなぁと、思いながら家に帰った。

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