中編5
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原くん EP5

僕は大学に原くんと言う友達がいる。

原くんは霊感はあるが、特に霊能力は持っていないと言っている。しかしコミュ力が高く、そんな話が広がっても友人は多くいた。

ある日いつもの様に原くんの所に相談が来た。

後輩の春山くんだ。

春山くんは今年入学してきた新入生だ。

春山くんは食堂で僕らを見るやいなや走って駆け寄ってきた。

そして「なおちゃんさん!そしてカメさん!お二人にご相談があります!」とすごい勢いで喋りかけてきた。

僕は後輩のこの変わった呼び方に未だになれない。

原くんは「なんだい?」と言った。

その言い方は優しい先輩を装った原くんであった。

僕はこの時の原くんを偽物の原くんと呼んでいる。

そして春山くんは「なおちゃんさんとカメさんって幽霊とかオカルトのプロなんですよね!?助けて欲しいっす!」とそういった現象にしては高いテンションで話しかけてきた。

もう一度言う。僕はこの後輩が僕ら呼ぶ時の渾名がなれない。

僕は(だいたい、なおちゃんさんって何だよ。ちゃんかさんかハッキリしろよ。いや一応先輩だし、さんだろ。てか俺のカメさんって何だよ!完全に亀だと思われるだろ。)と思いながら「まぁプロじゃないけど、でー?具体的に何があったの?あと何度も言うがカメさんはやめろ」と言った。

春山くんは「実は自分、大学に通ってから変なんですよねえ。高校時代はスポーツもやってましたし、受験中も運動はやってたんですけどねぇ。どうも毎日疲れるんすよ。特に何をしてるって訳でもないんすけどねぇ」と笑顔で言った。

原くんは「確かにねぇ、うちは文化系サークルだし、今季は体育の授業も受けてないしねぇ。うーん。こないだ皆で行ったところは特に何も無かったしなぁ。たしかに不思議だ。」と言った。

僕は単純に地方から来たんだしコッチの生活になれないだけだろ。と考えていた。

しかし原くんの反応も妙である。

原くんは「とりあえず明日は日曜日だし、今晩春の家コイツと行くわー。」と言った。

僕は(コイツ?コイツっで誰?俺しかいないよね?えっ?また?)と思いながらも「おーけーおーけ。俺質は今日の夜から明日の夜まで1日引っ付いて春山に何が起きてるか監視するってことね。」と面倒くさそうに言った。

春山くんは「ありがとうございます!」と言った

僕は原くんに「いや、絶対あれ生活になれてないだけだから」とブツクサと言った。

原くんは「違うなぁ。アレは大学に来たからじゃ無いなぁ。それに生活になれてないわけでも無いなぁ。」と意味深なことを言った。

僕は原くんに「どういうこと?」と聞いた。

原くんは「いやね。霊障による疲れ方とか窶れ方って見てわかるんだよ」と言った。

続けて原くんは「でさ、普段俺らといても何も無いってなると、もうそれは家にしかいないと思うんだよね。しかも大学行ってからってアイツ言ってたじゃん。」と言った。

僕は「へぇ。」とだけ答えた。

原くんは僕がピンと来てないのを察したらしく「覚えてるか分からないけど、新歓の時にアイツの家の話覚えてない?」と聞いてきた。

僕は「ゴメン」とだけ呟いた。

原くんは「いや、アイツは家探しを直前までサボってて入学式直前になって家を探して引っ越してきたんだよ。でアイツがさ、嬉しそうに言うんだよ。「1DKでこんな安い価格で!」ってな?築年数含め完全に事故物件何だよ。でもね、説明されてないんだよ。まぁ業者に頼んで数ヶ月住んでもらって、伝える必要は無くなったから、伝えなかったんだろうけどね。」

僕は「じゃあ何で安いままなの?そもそも業者に頼むくらいだし、値上げするための戦略でしょ?」と言った。

原くんは「本来はね。でもその家って多分、もう普通に暮らしていくのも絶望的にヤバくて、借り手もいないから、仕方なくあの価格なんだろうなぁ。」と言った。

僕はもう帰りたくてしょうがなかった。

夜になると、春山くんの家へと向かった。

春山の家は確かに綺麗な賃貸だった。

原くんはインターホンを押して玄関が開くのを待った。

玄関が開くな否や、原くんは後退りした。

僕は原くんがここまで明らさまな態度に出たのを見て、察してしまった。

しかし疑問が残る何故春山くんは無事なんだ?と

原くんは「やっほー!」と言い中へ入っていった。

僕も続いて「はいよ。」とお土産を渡し中へ入っていった。

お土産は1人大体2リットル分位のジュースと大量のおつまみである。。

玄関が閉まると同時に息苦しさを感じた。

原くんはずっとキッチンを見ていた。

そしていつも通り談笑をした。

暫くすると、原くんは「春山さ、今から探検行かない?」と言った。

僕もちょうど飲み物が無くなっていて外に出たかった。

春山くんは「行きます!行きます!」と言った。

僕らは原くんの家へ向かい原くんの車に乗った。

僕は何時だろうと時計を見た。

僕は恐怖の余り時間の感覚が狂っていたようだ。

あの部屋には30分もいなかった。

それにも関わらず僕は3時間は居た様な気持ちになっていた。

それだけじゃない、30分であの量の飲み物を飲み干すぐらい僕は緊張していたのだ。

そして車で色々周り、朝は適当な場所で寝て、昼間はそのまま観光地へ遊びに行った。

夜になり、春山を家に送った。

春山くんは「あーそう言えば、家どうでした?」と聞いてきた。

僕は原くんが逃げ出したんだ、ヤバいに決まってるだろ。とは敢えて言葉にしなかった。

しかし原くんは「いやぁ?なんにも無かったよ?ただ、お前遅刻癖あるし、もっと学校の近くに越した方がいいな。そのままだと留年するぞ?」と言った。

続けて原くんは「まだ荷物も少ないし何とか親に頼んで金借りて早めにやった方がいいな。引越しの手伝いは俺らもするし、」と言った。

僕は原くんの言動が何一つ理解できなかった。

そして最後に原くんは「多少家賃は高くなるし、部屋は狭くなるけど留年する金のが高いから、そこは手を打つべき」と言い車で家をあとにした。

原くんは「気づいたと思うけど、あの家はヤバい」と言った。

僕は「じゃあ、何で春山に嘘ついたんだよ!」と少し怒った。

原くんは「いやね、中にいて、しかも俺の力じゃ全くもってどうしようもない奴なんだ。何も出来ないんだから、下手に怖がらせる事を言うのは俺的にはナシかな。」と申し訳なさそうに言った。

僕は「何で?」とだけ言った。

原くんは「いやね、例えばお前の家に幽霊いる!って言われたら気分悪いじゃん。しかも言う奴は言うだけで、何にもできないんだぜ?言ったまま放置でウソかホントかも分からず悩むぜ?人によっては心が病むぜ?だって、1番安心出来るはずの場所が1番ヤバイ場所かもしれないんだから。だったら理由つけてとにかく家出させるしかないじゃん。」

僕は「あーなるほど」とだけ言った。

その後すぐに春山くんは引越した。

どうやら春学期の成績表が今更家に届いたらしく、家の人間にかなり怒られたらしい。

そしてその理由を言い、引越しの許可が降りたらしい。

一体誰が実家に今更春学期の成績を送ったのだろう?

そして、これは僕らが卒業してからの話だが、元春山くん宅で自殺があったらしい。

しかし、1つ疑問に思う。なぜ春山くんは半年も住んでいて、無事だったのだろうかと。

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