中編5
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実録!自主製作映画!

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2018.7/10 07:37

今回はノンフィクションです。

これから、とある映像を観てみます。

誰にも伝えられないならたぶんこんな挑戦はしないんですが、

もしかしたら面白い読み物になるかもしれないので、

とりあえず再生を始める前に経緯を説明します。

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飲み明かして朝、自分独りの部屋。

カーテンの向こうはもうとても明るくて、私の心はもうとても耐えられないほどに寂しかった。

長く放置していたダンボール箱を開けて、卒業アルバムを眺める。

高校時代の友達は愛すべきやつばかりだった。

文集なども読んでいて楽しい。

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幾つかのVHSも出てきた。

VHSなんて今の幼い子供達は知らないだろう。

当時の仲間と撮っていた自主製作のテープ……。

映画というものに憧れて、でも創れたのはほんの遊びのような映像の継ぎはぎで、

それも数本だけであり、しかも人目に触れたのは文化祭で上映した最初の作品だけだった。

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VHSを再生出来るビデオデッキなんてとうの昔に捨ててしまったが、

その最初の作品だけCDで残っていた。

ディスクなら部屋のブルーレイプレイヤーで読み込める……。

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高校1年生の文化祭で発表したということは、撮影時の自分は15歳。

今から10年以上も前の、しかも初めて作ったヘタすぎる映像作品。

上映後の不評といったら凄いものだった気がする。

ちょっとこれは観るのがきついかもしれない……。

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過去の色々な瞬間を思い出して叫び出したくなるような独りの朝は、

たぶん誰にでもあるでしょう。

あんなことをやっちまった、こんなことをしでかしたと、

まぁたいていは思い出として少しずつ記憶を変化させながら消化できるものですが、

映像という大量の情報に触れたら、いったいどんな記憶の扉が開いてしまうのか……。

しかも自分が企画から始めて当時の不格好なセンスと酷い技術で仕上げたあの頃のカタマリのようなものを、

この恥ずかしさを今の自分は直視することが出来るのか?

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このサイトが無ければ怖すぎてまた封印していたに違いありませんが、

こりゃ良いネタになるんじゃねえのか?と気づき、

とはいえ観るのが怖くてこんなにもダラダラと前置きをしてるんですが、

もうそろそろ始めましょう。

途中で一時停止などしながら、自分が感じたことを書いていきます。

では、再生します!

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……?

なんか無音で真っ黒な画面がもう20秒も、

あ!出ました!

主演のクレジットで自分の名前がゴシック体で真ん中に大きく出て参りました!

今の真っ暗闇はなんだったんだ?

そして次は、あ、これはラストシーンで使ったところだ!

最後のシーンを冒頭にインサートして観客の興味を惹くというよくある手法でございます!

流れの速い川のほとりに男女が一組で座っています。

暗転。

さっきと同じゴシック体のタイトルクレジット。

一組のカップルの話で主役は自分とクラスメイトの女子なんですが、

なんと自分の名前だけドアタマで出して主演女優の名前は紹介していません!

冒頭からおそろしく怖いです!

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お、教室のシーンに入りました。

私がメロンパンを食っております。昼休みの設定ですね。

当時はメロンパンが大好きで、あ、このTシャツは先輩にもらった『猿の惑星』のデザインTシャツだ!

隣の席に置いてある眼鏡が、うわーなんでこんなの覚えてるんだ、これMさんの眼鏡だ!

振り返って後ろの席で弁当を食べている男子生徒と話します。

彼の弁当はオムライスとパスタの2段弁当です。べつに指示とかは無いです。

あの日の彼のお母さんが作ってくれた普通のお弁当で、しかも昼休みの設定とか言いましたが普通に昼休みに撮りました。

昼休みに教室の片隅でいきなり撮影という何の考えも無い撮り方です。

深作欣二の映画についてトークしています。誰も興味無いだろうに何を考えてこんな脚本を書いたんでしょう。

で、カットが変わってヒロインの女子生徒にパンしていく……はずなんだけど、いかないなあ。そうだ切ったんだ。なんだこれ編集の過程もすげぇ思い出せる!

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次は教室を広く撮るカットに変わりました。

下校の時間帯に教室を出て行くクラスメイト達を撮った指示もなんにもない下校の設定のシーンです。

クラスの文化祭の出し物として私に任せられていたので一応は被写体として協力してもらっている形ですが、

べつに彼らは普通に帰ってるだけです。

懐かしいみんなの姿がたくさんあります。

おいおいなんだこれ、泣きそうだぞ……。

映っている一人残らず名前はもちろん色んなやり取りを思い出すことができる。

彼は養老孟司が好きであいつはガンダムのプラモをよく作っていて、彼女はなぜかヴィトンのバッグを持っていてあの子とは保健室で犬の話をした。

あいつはレゲエファンで、あの子はビジュアル系が好きで、彼は軽音学部を新しく作って、彼女は倖田來未とかで泣けるタイプ。

よく一緒に煙草を吸いに抜け出したのはこいつとこいつ、あとこいつ。

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ハンディカムで撮るのは自分でやることも多かったけど、私が画面に出ている際に撮影をしてくれたのはもう一人の主演と仲が良かった女子で、少しだけ出演もしてくれて、

次の放課後の教室のシーンでも会話回しを担当している。

場当たりで撮っていたので撮影者がかなり多くて、だいたい6人くらい居たと思うけど、この人のカメラワークは特別に映画的で素晴らしかった。

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次のシーンでは主演のふたりが廊下でぶつかりそうになるという古典的な恋の始まりの設定。

これを撮ってくれた男とは曲作りなどでかなり多くの時間を共に過ごしたが、思想的な話で喧嘩して今では疎遠になっている。

なんてもったいないことをしてしまったんだろうと思う反面、あいつは今も俺を友達と思ってくれているだろうという不思議な安心もある。

男の友情とはそういうものなのかもしれない。

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おっと廊下にタケシの登場だ!

私へ向けて「公園に行こう」と誘っている。

高校生が公園に行こうってなんだそれなんだけど、脚本では次が公園の場面なので仕方ない。

許可とか要らないから公園系は多用しています。

というわけで公園へ向かいます。

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公園のシーンですが、

私がコアラのオブジェに乗っています。

それだけです。

なんだそれ何の意味があるんだよ!

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で、翌朝の学校に移ります。

ここから、この作品で最初の音楽が入ります。

主役に恋をしたヒロインが恋の告白をするために廊下を走っていくシーン。

全編でクラシックのCDをそのまま使っていて、ここではジムノペディが流れています。

階段のシーンでは普通に歩く私と、それを走って追うヒロイン交互の複雑なカット割り。

並んだロッカーの脇を人物が歩いて行く際に、人物が画面右へ抜けていくのをカメラは左へ移動しながら撮り、ロッカーごとにその抜けていく瞬間を繋げて距離感をもどかしくするという、

この演出は自分でもかなり気に入っています。

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さて、お気づきでしょうか?

かなり心に負担が掛かってまいりました!

いったん電源を落とします。

2時間も書いてるのに物語は5分間しか進んでいませんw

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ちょっともう一度に全部は無理だし、多分あんまり面白くないわりにすで長い文章になっているので、

続きは次回!

乞う御期待せず!

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