第2章  「ザリガニ」事件

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第2章  「ザリガニ」事件

前回の「第1章 合成写真」のお話を読まれていない方は

まずは「第1章 合成写真」をお読みしてから今回のお話を読んでくださると理解しやすいと思います

****************

さて5月の連休に4人で例の神社へ日帰り撮影の予定を組んだ

朝6時ごろにS君のお家から出発した

S君は例の神社の撮影が終わっていないのがすこし気にかかっていたらしく

どうしてもあの神社はどうなっているのか知りたいということだったが

4月はどうしてもお互いに雑用があり無理なので5月の連休を使い日帰り撮影をしようという話になった

妹たちを連れていくかどうかお互いに迷った

前回の事故はすべてアニキたち私たちの責任

あの事故で完全にお互いの両親から信用を無くしてしまった

当たり前だ、かわいい娘が事故で死にかけたのだから

とりあえず妹たちにも予定を話しついてくるか聞いてみた

S子いわく

「おっちーー、あの事故はアニキたちのせいじゃないぞぉーー、あれは完全に何かの導いた事故だぞぉーー、私も気になってたからついていく」とのこと

我が妹は

「私もあれはアニキたちのせいじゃない、S子ちゃんの言う通り何かのお導き

私も一緒に行く」とのこと

だが・・・・やはりお互いの両親は猛反対してきた

とくに我が親父は烈火のごとく怒り

「ばかやろーー、俺の娘をあんな危ない目にあわせやがって、また事故ったらどうするんだ」と顔を真っ赤にして怒ってた

母親も

「私も反対よ、かわいい娘をどうする気なの?まだ嫁入り前なのよ」と珍しく怒っていた

S君両親も同様で猛反対

妹たちに両親の猛反対で連れていくことは無理と説明したら

S子が

「うちのパパ、アニキを説教してたけど悪いのはアニキ達じゃない

私がパパを説得する」と言って

説得をしたみたい

「おっちーーー、アニキタチ、パパからOKもらったぞぉーーー」と満面笑顔で報告しに来た

S子が事の成り行きを話しをおよそ1時間後に父親は折れたそうだ

それを聞いた我が妹も両親を説得しおよそ1時間ほどであっさりと折れたんだそうだ

あれだけ顔を真っ赤にしてた親父がなんでこうもあっさりと折れるんだよ、と思ってた

私の親父談

「久々にF子とお話が出来た。もううれしくてうれしくて・・・かわいいし・・・あっさりOK出した」

はぁ・・・おやじよ・・・・

S子のおやじさんも似たり寄ったりの話

要はかわいい娘の甘い言葉に乗せられただけ

とりあえずゴーサインが出たので

5月の連休前に準備をした

そしてばS君のおばさんの祖母の実家にいるおじさんたちにも5月の連休に神社へ行くことを連絡した

おじさんはすごく心配してた

本当は家へ寄ってから神社へ行ってほしいと言われたけれど用事が済んだら即帰る旨を話をしたら納得してくれた

5月の連休で高速は渋滞気味だった

なんとか昼前に着きたいね、とS君と話をした

だがやはり・・昼前には無理だった

昼食を抜いて急いで山道を歩き神社へ向かった

普通の山道で何も変哲もない

山道の中腹あたりに小さな祠があった

写真を1枚撮った

少し急いでいたので息が苦しい

運動不足がもろに出てきた

途中で5分間だけ休憩をした

腰を下ろしジュースを飲んだ

ふと腰を下ろしたところから下を見た

駐車場が丸見え

広場もよく見えた

そして遠くに京都の街並みが見えた

景色が本当に素晴らしい

S君大喜びで写真を撮りまくっていた

S君を残し3人だけ先に神社へ向かった

神社の前に出た

普通の神社

これといった特別な感じではなかった

まだS君写真を撮りまくっていた

S子が

「アニキ~~~、いい加減にしてこっちへくるんだぞぉ~~」と呼びかけた

「おおお~~ワルイワルイィ~~~いまいくーー」とカメラをしまって急いで門まで来た

4人そろったところで門をくぐった

前方に狐様が左右一体つづ置いてあった

つまり稲荷神社だったのだ

これですべてが解決した

あのチカチカと光っていたものは「キツネの嫁入り」だったのだ

つまり4人はキツネの幻惑にはまったのだ

F子が

「アニキ・・・お狐様のお導きだったんだね」と

3人が頷いた

その時に4人は風に乗った会話を確かに聞いた

(ばれちゃったね、母様(ははさま)・・・)

(やはり・・・この兄妹は・・・縁が強いね・・・ぼうや)

と耳元で囁かれたような小さな声が聞こえた

4人は「えっ!」と同時に声を出した

2体のキツネの銅像の真ん中あたりにつむじ風が吹いて枯れ葉がくるくると円を描きながら宙を舞った

4人は釘付けになった

しばらく身動きが取れずに立ったままだった

4人は我に返って

私はS君に「聞こえた?」と聞いた

「聞こえた・・・なんだろうね」

「おっちーーもきこえた・・・」

「わたしもきこえたわ・・」

「(やはり・・・この兄妹は・・)と聞こえた、S君の兄妹なのか私たち兄妹なのか、それともばあちゃんたち兄妹のことを言っているのかどっちなんだろうね?」とS君に尋ねた

「んん・・・・なんとなくばあちゃんたち兄妹のことを言ってるような気がする・・お狐様の目からはおれらは「4人兄妹」と見えていたのかもな」

「おっちーー、わたしら4人は生まれ変わる前はばあちゃんたち4人兄妹だったもん」

「わたしもそうおもう・・」

改めて4人は頭を頷いた

またキツネの銅像の真ん中あたりにつむじ風が吹き枯れ葉ものすごい勢いで舞い上がった

「すごい風だったね」とS君がつぶやいた

すると・・・風が吹き抜けた後に何かが落ちていた

S君が急いでその落ちたものの所へ駆け寄った

「おっ!写真だ・・」

「おっちーー、お!写真だぞぉーー」

よくみるとセピア色の古ぼけた写真

写真をよく見ると4人の人物が写っている

背景はどうやらこの山と駐車場の前にある小さな川だ

どうやらその小川で・・・子供たち4人が写っていた

「え!!!・・・・このガキたち・・・どこかで見覚えがある・・・」

「おっちーー、アニキ、見せてくれ・・・、ウギョーー」

「どれどれ・・・なんとなく・・・」

なんとなく・・・見覚えのある情景・・・

この4人は・・・私たちだ・・だが幼少の時にここへ来たことはない

どう見ても4~8才前後の子供たち

思い出せない・・・というかこの場所で遊んだ記憶はない

もしかしたらこの4人はばあちゃんたち兄妹なのか

例の集合写真が消えたので確認のしようがない

私たちは咄嗟に急いで神社周辺の写真を撮りまくり帰路に着いた

ここにいては危険という、感じがしたのだ

もう午後3時は回っていた

昼食も取っていないのでお腹が空いていたが

もう帰る一心で寄り道もせずに真っすぐS君の家へ向かった

S君の所に私の親父が来ていた

すぐにF子を乗せて帰っていった

いつもながらおやじはF子を見るとふにゃふにゃな顔になっていた

なんか私から妹を早く取り戻したい感じだったな、感じ悪いな・・・・おやじ・・・

S君のママが

「F君のパパ、えらい勢いでF子ちゃんを乗せていっちゃったね、まるで誘拐犯みたい」

「・・・おやじ・・・・」

S君パパが

「わかるわかる、気持ちはよくわかる」

「はぁ・・・・」

「おっちーー、パパたち、早くお家へ入ろう」とS子の声に全員家へ入った

S君ママが夕食の準備をしていてくれた

お腹が空いてて早く食べたい一心だった

全員で「いただきまーーす」と挨拶してそれぞれ食事を始めた

S君パパが私をちらりと見S子をちらりと見交互に私とS子を見てるのに気づいた

S子が気付いて

「パパ、なに?、私とFアニキをじろじろみて、行儀が悪いよ」とパパに文句を垂れた

「いや・・・その・・・・なんだ・・・昔を思い出してな・・・」

「なに?パパ?昔を思い出したの?何を?」と聞くと

「おまえらが小ちゃいときをな、S子がたしか4歳か5歳だったか・・・」

「え!、なになに?なに?」とS子は興味津々だった

私も「おじさん、何をおもいだしたのですか?」と聞いた

「いや・・・F君、君が・・その・・・S子にいじめられたというか・・・」

「ええ!!パパ、わたし、Fアニキを一度もいじめたことないぞぉーーー」と口をとがらせて文句を言った

「ああ・・・その・・・おまえたち・・ザリガニを・・特にF君、サリガニで思い出せんかな?」と

私に聞いてきた

「ザリガニ・・・んん・・・あああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

全員が思い出した

思い出した「ザリガニ事件」だぁーーー

全員下を向いた・・・特にS子は・・完全に思い出したようだ・・・

***********************

概要はこうだ

私が8歳の時だ

S君の近くの小川でS君と私がその小川で遊んでいた

ザリガニやらフナやらたくさんなにかしらいた

S君はザリガニの掴み方を私に教えてくれた

私も見様見真似でザリガニをつかまえていた

もう夢中で遊んでいて夕方になっていた

遠くから

「おっちーー、おっちーーー」という声が聞こえてきた

「この声は・・・げっ!!、S君、妹君(いもうとぎみ)が来たみたい」とS君に指をさして合図をした

「お!君の妹も一緒みたいだよ」と指をさして合図してくれた

遠くからS子とF子が手をつないでやってくるのが見えた

S子が

「おっちーーーー、アニキたちーーー、ママが早く帰ってこい、といってるぞぉーーー」と大きな声がした

「まだーーー帰らないよーーー、と伝えてくれ~~」とS君が大きな声で返事をした

「おっちーーー、ママがカンカンだぞぉーーー」と大きな声でわめいていた

「えええーーー、こりゃあかん、Fちゃん、帰ろう・・・」と私に言ってきて

「だね・・・かえろう・・・」

S子が

「アニキたち、何してるの?」と聞いてきた

「ザリガニを取ってるんだ」

「S子、おまえ、ザリガニが怖いだろ」とS君がS子にかまった

「おっちーー、ザリガニは怖くはないぞぉーー」とS君とにらみ合いになった

「よっしー、S子、おまえ、つかまえてみろよ、こわいぞぉーー」と言うと

「おっちーー、こわくはないぞぉーー、こうやってつかまえるんだぞぉーー」と

ザリガニを掴んだ・・・・

「おい!S子、お前逆だぞ!!!掴むのはこう!お前、逆につかんで・・・・」

「ええ!!・・・ぎゃぁーー・・動いたぁーーー、なになに・・・私の指にザリガニはさんだーー、きもちわるいよぉーー、Fアニキーー、これ、あげるね」と

S子は指にはさまれたザリガニのはさみを強引に引き離しこともあろうか私の背中に放り込んだのだ

そしてザリガニは私の背中の皮膚にギュウとはさんたのだ

「ギャーーーー、痛いよーーーS子、おまえーーー」

私はあまりの痛さにパニック状態になった

背中のシャツから血がにじみだした

「おっちーー、ごめんよぉーー、ごめんよぉーー、どうしよう~~」と私とS子は泣き出した

私とS子の大泣き合唱でS君とF子はさらにパニックになり

「おにいちゃん・・痛いの?」とF子が聞いてきた

「いたいよーーー、いたいよーー」といいながら泣いた

F子が

「おうちへかえろう・・・私が手をつないであげるね」と手をつないでS君の家へ帰った

500Mほどの距離を私とS子は大泣きしながら帰った

S君の家へついて

S君が「ママ~~大変~~Fちゃん、血が出てるーー」と大きな声でS君ママを呼んだ

S君ママが台所から玄関まで走ってきた

私を見て

「大変ーーー、Fちゃん、ちょっとまってね、ええーーザリガニ・・・背中にいるね・・・」

「ママ~~、おっちー・・・おっちが悪い・・・Fアニキに・・・ザリガニあげた~~」とS子は大泣きしながら説明をした

「なんでことを・・・S子ぉ・・・Fちゃんにちゃんと謝りなさい」とS子に注意した

「Fアニキ~~ごめんよぉーーー、ごめんよぉーー」と大泣きしながら私に謝ってくれた

私はそんなところではなくザリガニのはさみがまだ皮膚にはさまれたまま

S君ママが私の家へ電話してくれた

しばらくしてトンチンカン親父がすっ飛んできた

「この馬鹿垂れ~~がぁーーーS子坊を泣かせやがってーーー」と怒鳴って私の頭をゲンコツで数回おもいっきり叩いたあとにS君ママに土下座して謝罪してた

「S子坊~~痛いじゃろーーかわいそうにーーかわいそうに」とS子の頭をナデナデしてた

「おじちゃん、おっちーーじゃないよ、Fアニキだよ、おっちーがザリガニあげたぁ~~」とさらに大泣きに泣いた

おやじ・・目が点になった・・・ようやく事が理解したみたい!?

「えっ!はぁ・・・おまえ・・なにしてるんだ?なに?ザリガニ・・・意味が分からん」と言い放った

親父がゲンコツしたおかげでザリガニもびっくりしたのか床に落ちていた

落ちたザリガニを見ておやじは

「あ・・・ザリガニ・・・F・・・ちゃんとS子坊がプレゼントしてくれたんだ、大事にもっとけや」と

さらに数回ゲンコツをくらった

見かねたS君ママが説明をしやっとトンチンカン親父は理解した

おやじが私の背中を見て

「男なら泣くな、みっともない、絆創膏でもはっとけば自然と治る、F子、お父さんとお家へ帰ろうね」とおやじはS君ママに頭を下げてF子の手をつないでそのまま帰って行ってしまった

一同唖然

私は事の成り行きに泣くのをやめた

S子の大泣きも止んだ

S君とS君ママ・・・目が点になったまましばらく動かなかった

そのあとにS君ママが絆創膏をはってくれた

******************

これが「ザリガニ事件」の全容

未だにゲンコツされたところは少し膨らんでる

たまに膨らんだ部分をさわってるとおやじは大笑いしてる

何がそんなに可笑しいのかと内心いつも思ってる

S子が

「Fアニキ、マジでごめんよぉ、あのときはパニックって背中に入れちゃった・・・

びっくりしちゃって・・・」

S君が

「まじでごめん、妹にけしかけたのは俺だ、F ,ごめん」

「いいよ、もう昔のことだよ」と言うと

S君パパが

「ほんとうにすまなかった・・・この兄妹のせいでおやじさんにゲンコツくらったんだよな

「おじさん、もう過去のことです、気にしないでください」というと

S君ママが

「本当にびっくりしちゃったわ、背中にザリガニがひっついていたから・・・まさかうちの娘がザリガニをつかんで放り込むとはね・・・○○君(オヤジの名前)は昔からそそっかしいところがあったのよね」と

おやじとS君ママは高校時代の同級生だったみたい

昔からおやじはトンチンカンを発揮してたようだ

・・・・・ちょっとまて

S君も

「ちょっとまって・・・・ザリガニ事件・・・おいおい、F、 あの写真」

「そうそう、あの写真だよ」

「おっちーーー、ああぁーーー」

おじさんとおばさんはなんのことやらわからないという顔

私は急いで例の写真を取りに行きおじさんとおばさんに見せた

「これなんです・・・」

「うん。どれどれ・・・古い写真だな・・・おおお子供たち4人写ってるな、・・・

ええ・・うん・・・お!なんでおまえたちが写ってるんだ?」

「おとうさん、どうしたの?・・・・え?あなたたちじゃないの?これ・・・

「おまえたちの小ちゃいときだ」

「ですよね、おとうさん」

「でも・・・これはどこだ?ここらへんに山はないぞ・・おまえたちいつ撮ったんだ?」

「おじさん・・・」

「ねぇ、おとうさん・・・この場所・・・私の祖母の実家近くの山と小川ですよ・・・なんであなたたちがいるの?」

「なに、おまえの祖母の実家だって・・・どういうことだ?」

私はおじさんおばさんにこの写真をひろった出来事を話した

そして、この写真に写っているのは私たちではなくおばさんの祖母の兄妹たちだと説明をした

おじさんは?????という顔をしていた

おばさんは完全に理解した

前回に集合写真を見たからね

おじさんは

「なに・・ここに写ってる子供たちはおまえの祖母の兄妹なのか・・・つまりわしからみれば 大おじ、大おば にあたるというわけか・・・」

「でも・・・どうみてもおまえたちだろ・・・そっくりではないか・・・とくにこの女の子はS子じゃないか」

「おっちーー、パパ、その子はおばあちゃんだぞぉーーー、おっちーはおばあちゃんの生まれ変わりだぞぉーー」と言うと

「・・・生まれ変わり?へ?・・・そういうことはわしは信じない、単に似てるだけだ」

「おっちーー、パパ、あとの3人をよく見て、Sアニキ、Fアニキ、F子ちゃん、そっくりでしょ?」

「なに、どれどれ・・・あぁ・・・・たしかに・・・生き写しだ・・・おまえたち小さい時のまんまだ・・・そんな馬鹿な・・・ありえない・・・」

「おとうさん・・・事実ですよ・・・S子は私の祖母の生まれ変わり・・・「おっちーー」とこの子はいうでしょ?おとうさん、この子の第1声を思い出して」

「「おっちーー」とたしかに言ってたな、はじめ「おっちー」ってきいて、どこの方言かと思った。今まで不思議で仕方なかった・・・なに?実家のおじさんの姉が「おっちー」と言っているのか・・そのおじさんの姉から祖母の口癖が「おっちー」とおしえてくれたのか・・・ううう・・・信じろと言われてもなぁ・・・」

おじさんとおばさんにこの写真に写っていた祖母の兄妹のことを話した

「なに・・・・病死・・・・さぞかし無念だったろう・・・仲良し4人組かぁ・・・まさにおまえたちのことだな・・・ちいちゃいときからケンカはするもののすぐに仲直りしてたな、それも不思議でならなかった・・・すべてわかったよ・・・すべて辻褄があうし・・・」

とおじさんは涙を流しながら話した

おばさんも涙であふれていた

「縁」というものは不思議だ

親・兄妹など・・・

なにかしら繋がりがあると思った

前回の事故といい今回の写真といい

なにかしらの力が作用しているに違いない

まるで祖母たち兄妹が私たちに何かを訴えかけているような気がしてきた

でも何を訴えようとしてるんだろうか?

今の時点では分からなかった・・・・

Concrete
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