中編5
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若気の至りと生理現象

チョット時間が出来たので書きますね。

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先月某日朝6時

サクシードに乗り稚内に向け出発

車で分かると思うが勿論仕事である。

月に一度の定期営業なのだが

途中、中川~幌延~天塩~豊富と寄って

16時半頃に稚内に入る。

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今回の日程が急遽決まったもので

二日前にいつものホテルに連絡を入れたが

あいにく満室との事

仕方ない・・・

「わかりました~」と電話を切りかけた時

「あの~本館の和室でも宜しいですか?」とフロント

いつもは新館のツインに通されるのだが

どうせ飲みに出て寝るだけなので快く了承した。

もう6年、毎月通っている定宿だし

気を利かせてくれたのだと申し訳なく思った。

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台風が近づいているが

旭川出発時は天気も良く日差しがジリジリ感じる程だった

中川を過ぎた辺りから、どんよりした雲行きに・・・

天塩に着く頃には細かい霧雨が降って来た。

「今日は利尻富士見えねぇな・・・」

道北出張の楽しみがひとつ消えた・・・

そうなると残る楽しみはただひとつ!

稚内の夜

それがメインと言っても過言では無い

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その後の予定は早々に終わらせ

豊富からバイパスでワープ

残念なのは稚内の遥か手前でバイパスが終わってしまう事

でもその後の国道は制限速度70Kmという特別待遇なのが嬉しい

そんなこんなで16時には稚内に到着した。

次の日の事を考え時間の許す限りお客さんをまわり

最後に前もって今晩の飲みアポを取っていたお客さんの所に寄って

時間と場所の確認し18時半にはホテルに入った。

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俺「今回は無理言って申し訳なかったです」

フロント「いえいえ大丈夫ですよ~」

「本日は本館の2××号室になります」

俺「わかりました~ありがとうございます」

フロント「それとお客様 本日大変込み合っておりまして翌朝の精算時は混雑が予想されますので前清算でも宜しいでしょうか?」

俺「ええ、構いませんよ」

フロント「ありがとうございます」

前清算なんて初めて言われたが団体でも入っているんだろうと解釈し部屋に向かった。

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本館なんてあるんだな~とか思いつつ渡り廊下を通り部屋番号を探す。

若干古びた感じをイメージしていたのだが新館と遜色ない作りで

他のお客様数名ともすれ違って一安心

長い廊下のほぼ中央に俺の部屋があった。

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部屋に入ると

ムッとする若干のカビ臭・・・

「ありゃりゃこりゃ~しばらく使ってないなぁ」と思い窓を開け換気

真正面の手が届きそうな所に隣家の窓があったのでカーテンは閉めた。

「これじゃ~陽も入らないしカビ臭も出るわな」と納得

お約束で美人女子の部屋である事を願うが隣家のカーテンは閉まっており確認は出来なかった。

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ここで尿意・・・

車の中では缶コーヒーを飲み、お客さんの所でもお茶やコーヒーを出されるので小の方がやたらと近く部屋のトイレに急ぐ

歳のせいか余り我慢出来ない所が我ながら情けない・・・

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お客さんとの待ち合わせ時刻は20時

まだ時間がある。

「とりあえず温泉だな」と浴衣に袖を通す。

カビ臭・・・

「いつから置いてあんの?」と思いつつ着るのは止めた。

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恐縮するフロントで新しい浴衣とタオルに替えてもらい温泉に直行

ゆっくりとお湯に浸かり出張の疲れを癒すのではなく

稚内の夜に万全を期した。

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長湯したせいで部屋に戻るとイイ時間になっていた。

やばいやばいと思いながら小の方を足してから居酒屋に向かった。

本当に小が近い・・・

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地元住民に案内される居酒屋は旨い

何を頼んでも旨い

浜町だけあって魚介は特に絶品だ

ビールで乾杯し焼酎、日本酒へ

話は弾むが仕事の話なんて2%もしない

ビールよりもずっと薄いな・・・

しかし接待なんてそんなもんだw

最後は酔い覚ましのハイボール濃いめで〆る

そして二次会のスナックへ・・・

毎回思うが稚内の夜は本当に最高だ

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酔い覚ましの筈のハイボールが効いたのか?

少々回ってきたので日付が変わった直後に解散

麗しの大黒町に後ろ髪を引かれながら千鳥足でホテルに帰った。

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ホテルに着くなり尿意・・・

鍵を受け取る前にロビーのトイレに急ぐ

スッキリしてフロントで鍵を受け取り

何となく飲み足りなかったのでツマミを買った。

フロアで500の缶酎ハイを2本買って部屋に入った。

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やっぱりカビ臭いのはしょうがない

TVを付けて酔い覚ましの缶酎ハイを開けた

有料のTVで無い事は一応付け加えておく

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番組も終る頃

缶酎ハイもツマミのとんがりコーンもいい具合に無くなった

「そろそろ寝るか」っとその前にトイレ・・・

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「ガチャ」・・・

「ガチャガチャ」・・・・

「ガチャガチャガチャ」・・・・・

開かない・・・

「何で?」などと考える暇は無かった

する気満々で立ったので限界がすぐそこまで来ていた

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「駄目だ!仕方ないバスだ!」

「ガチャガチャガチャ」・・・・・

部屋風呂の扉も開かない!

「あ~もう!ロビーまで行くか」

「ガチャガチャ」・・・・

部屋から出る事すら出来なかった

「あぁぁぁぁ、、、限界、、、」

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<50を過ぎたオッサンHOTELで失禁>という見出しが頭をよぎった

そんな中、朦朧とする意識の中で目に留まったのは

備え付けのゴミ箱であった

見ればご丁寧にセコマの袋まで被せてある

「コレしかない」

迷いは全くはありませんでした。

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ある意味一命を取り留め急に冷静に頭が回り出した。

「そういう事か!」

「そういう事なのか?」

「まさかの訳アリ部屋か?!」

そう考えた時に窓の外から

「ぷぅぅぅ~~!(笑)」と笑い声

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妙に明るい窓のカーテンを勢いよく開けた

夕方閉まっていた隣家のカーテンは開け放たれ

12畳程のその部屋は煌々と明かりが点いていた

そして真正面に大きな仏壇があった。

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「お前かよ・・・」

高校生くらいの綺麗系女子に向かって呟いた。

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遺影だけど・・・

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「遊びに来てもイイけど悪さは無しねw」

「起こさないでくれよ」と言って部屋の明かりを消し布団に入った。

カーテンは閉めなかった。

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翌朝6時起床

隣家のカーテンは閉じられていた。

夢であって欲しいと願いつつゴミ箱を確認したが

厳しい現実を突き付けられる

様々な想いを巡らせながらソレを処理

そんな自分を客観的に見て苦笑いした。

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朝から誰もいない温泉に浸かりリフレッシュ

朝食もモリモリ食べた

チェックアウト時にフロントがやたらと見つめて来たが

さわやかにホテルを後にした。

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今月

俺「明後日1名空いてますか?朝食付きで」

フロント「あいにく満室ですが和室なら空いておりますが」

俺「和室でも構いませんが本館じゃ無いですよね?」

フロント「本館です」

俺「そうですか・・・」

「本館ですか・・・」

「先月泊ったんですが俺相性悪いみたいで・・・」

フロント「あっ、かしこまりました。」

「何とか致しますので取り敢えずお越しください」

俺「いつも無理言ってすみません」

フロント「いえいえ、気を付けてお越し下さい」

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新館のトリプルでした。

Concrete
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赤煉瓦様
本当にお久しぶりでしたw
今回はすっかり意地悪されましたよ~
怖話とは関係ありませんが接待・・・共感して頂けますか?(笑)
今時期は酒の席は勿論の事ゴルフコンペやボウリングなど月の半分は接待があります。
自分はソレを楽しむ事に決めておりますので必然的に2%な訳ですw
身近なヤツはゴロゴロしておりますので面白いのあったらまた書きますねw

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深山 様
読んで頂き又コメントを頂きありがとうございます。
面白かったは最高の誉め言葉と受け止めますw
私の体験は結構こういう感じが多いのですよw
また見つけたら是非読んで下さい

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