短編2
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ホテルにて

俺は友達とホテルの夜勤バイトをしている。

ビジネスホテルだから客はたいていサラリーマンだが時にはおかしな客も来る。

その日は夜勤が入るころには予約の客が全員入っていて、俺と友人は暇を持て余していた。

すると一人の女が来た。30代くらいで少し挙動不審だった。

でも、俺たちは少し変わった人くらいにしか思わず女をチェックインさせた。

それからしばらくして深夜3時くらいにその女がフロントに来た。

女は「かっかっ鍵が」と言ってきた。

おそらく鍵を中に入れて部屋を出たのでオートロックがかかったのだろうと思い友人が女と一緒に部屋までいった。

そして少しして友人は帰ってきたが様子が変だった。

「あの人なんかチェックインしたときよりおかしくなってる」と言った。たしかに何か変な感じはした。

しかしそれだけで問題は起きてなかったので俺たちは様子をみようということにした。

それから6時になりもう何もないだろうと安心していたら、その女から電話がかかってきた。

「あの、ちょっちょっとお尋ねしたいことがあるんですが、私は罪人でしょうか?」

一瞬ゾッとした。しかし聞き違いだと思い聞き返すと電話を切られてしまった。

それからすぐに女がフロントに来た。しかし何も言わずただ俺たちを見て部屋に戻った。

これは何か変だと思い、友人と部屋に向かうことにした。

先に友人が行き、俺は合鍵を持って後から行った。

すると「いやぁーーー」と言う悲鳴が聞こえてきた。

俺はすぐにその場所に行った。

そこには女と友人が向かい合ったまま立ち尽くしていた。友人は少し震えていた。

俺は何があったか分からなかったが、とりあえず女を部屋に案内した。女は自分の顔を隠しながら、大丈夫、大丈夫と言い歩いていた。明らかに普通ではなかった。

それからフロントに戻り友人に何があったか尋ねた。

友人が言うには部屋の前に女が立っていて、どうしたのか尋ねると女は友人の肩の上くらいを見て「こっ、怖い、怖い」と言い悲鳴をあげたらしい。

友人は「あの女には何が見えたんだよ」と言い震えていた。

しかしそのあとは何もなかった。

そして夜勤が終わり社員と交代になり、社員に女のことを伝えホテルを後にした。

だが帰ろうと駅まで行くと駅前あの女がいた。

女は俺たちをみて笑っていた。

俺たちはその場から動くことが出来なかった。

少しして女は去って行った。

あの女はいったい...

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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