長編9
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戦隊モノのキーホルダー

music:2

これは私が上京して就職2年目の頃の話です。

季節は夏真っ盛りの8月、暑い日が続く夜のことでした。

こちらでできた友人と、私の家で引っ越し祝いの飲み会をしていたんです。

メンバーは

自宅から近い所に住んでる友人A君

イタズラ好きのアホな友人B君

気が弱いのにオカルト好きな友人Cちゃん

いつものように楽しくお話をし盛り上がっていました。

時間が経ち、酔いも回り、そろそろ解散かなと言う空気が流れていた時に、

オカルト好きのCちゃんが

「夏だし肝試ししたいなぁ」と言いました

みんなで肝試しいいねと再度、盛り上がり

時刻を見るとちょうど日付が変わった12時過ぎ。

私も明日は日曜だし別にいいかなと思い賛成しました

今思えば、この考えが間違いでした。

それではどこに行こうかとみんなで話し合っていたら、Cちゃんが

「〇〇霊園に行きたい」と言いました。

そこは心霊スポットで有名な場所らしく私以外みんな知っていました。

行く場所は〇〇霊園に決まり、

下戸でコーラしか飲んでないA君が車を出してくれることになり、

○○霊園に向かいました。

車内は怪談話をしたり、

幽霊は信じるか?信じないか?

などと議論してワイワイと楽しんでました。

出発から40分程で○○霊園の近くまで来て、遠目から現地を確認したら、

雰囲気がハンパなく、

みんな口数が少なくなっていました。

近くの駐車場に止めて○○霊園の正門の前に着いたら、

霊感の無い私でも怖く感じ、帰りたいと思ったのですが、

若かったせいかプライドもあり、余裕じゃん行こうぜと強がってしまいました。

この時に帰ってれば良かったんですけど…

霊感無し幽霊なんていない派の

私とA君が先頭を歩き

自称霊感持ち幽霊はいる派の

B君、Cちゃんが後方を歩きました

最初は怖かったんですが

中に入ると意外と明かりも多くて

慣れてきた私達は脅かしあったり、

冗談を言い合ったりしていました。

この頃には怖いと言う感情は

ほぼ無くなっていました。

霊園内を色々と回り、

そろそろ出ようかと言う時に、

B君が

「ちょっとこっち来てくれ」と言い

でっかい木の下でうずくまっていました。

3人で近づくと、

B君は戦隊モノのキーホルダーを手に持ってました。

かなり古いモノでB君は懐かしくないコレ?と言って見せて来て

Cちゃんもへー懐かしいねーと

A君はゴレンジャーだっけ?たしか?と

3人は盛り上がってましたが

私は小さい頃にそう言ったテレビは見せてもらえなかったので知りませんでした

Cちゃんが

こんな場所に古いキーホルダーがあるなんて怖いねーと笑っていました

私も気持ち悪いからちゃんと返しとけよーとB君に釘を刺しました

B君はイタズラ好きなので、こういう時

必ずと言っていいほど変な事するんです

しかし B君は珍しくそうだなと言ってキーホルダーを置き、ほかに何もないかな?と探し始めました。

A君がもう出ようと提案して、

それから墓地を出て、車に乗り、

帰り道の途中でファミレスに寄り

ご飯食べながら、

肝試しの感想会をしていました

食事中に私の携帯電話に着信があり、

画面を見ると兄からでした。

帰ったら掛け直そうと思い電話は無視、

肝試しについて楽しく話、

来週の肝試しは✖️✖️に行こうか?

いや、次は△△に行こうなどと次の肝試し大会の予定まで決めて、その日は解散になりました。

Cちゃんを送り、B君を送り、A君に家まで送ってもらいました。

時間は夜中の3時半くらい、

アパートの階段を上がって2階の自宅に入り、寝る準備をし、電気を消して、ベッドの中に入ったんです。

風が強いのか窓がガタガタ音を立てていて

うるさいけど気にせず寝ようと思ったら、

コン、コンと

窓をノックするかのような音が聞こえたんです。

強風だし、何か風で舞い上がった小石でもぶつかったのか?と思い無視しました

その後も定期的にコン、コンとなるので、

起き上がりカーテンを開けて、

窓を見たら一瞬だけ窓の右下に人影っぽいのがサッと消えたように見えたんです。

ん?なんだ?と思い、何の疑いもなく窓を開けて確認したんです。

もちろん何にもなくて窓の外には暗闇が広がっていて

風がビュービュー吹いていて、木のシルエットだけが激しく揺れていました。

窓を閉めて、気にせず寝ようと布団に潜ったら携帯がけたたましく鳴ったんです。

確認すると兄からのメールでした。

『さっきから何回も電話してるけど、電話繋がらない、何してる?』

ファミレスで兄の電話を無視したのを思い出し、折り返しの電話をしました。

しかし何回かけてもツーツーツーと通話中で繋がりません

『確かに繋がらん、もう布団の中、なに?』

仕方なしにメールで返信したら、恐ろしい速さでメールが返ってきました。内容は

『絶対に窓を開けるな、玄関もだ、部屋の四隅に盛り塩をして、出来るだけ部屋の中央で朝まで起きてろ、朝になったら、返しに行けよ、絶対に守れ』

昔から霊感が強く、

怪異な体験を色々としたと言っていた兄から来たこの内容のメールに背筋がゾッとしました。

私も恐る恐る

「窓から音がしたからあけてしもーた、もしかしてヤバイ?」と返信しました

またすぐにメールが来て

今度は短い文章で

「すぐ逃げろ」と一言だけ

その瞬間、廊下の向こうの玄関がバタンと閉まる音がしたんです。

鍵はかけていたはずなのに…

私の部屋は玄関開けたら細長い廊下があり、すぐ左にクローゼット、その次にユニットバス、その次に小さいキッチンスペース、突き当たりに六畳の部屋とゆう間取りです。

玄関が閉まる音でバッと振り返ると、

小学校低学年くらいの背丈の少年がキッチンスペースに入って行くのが見えたんです

私はビックリして携帯電話を落としてしまい

手が震えていました

本能的なモノでしょうか、

私の頭の中はヤバイの文字で埋め尽くされ、玄関に向かい走り出していました。

走りながらチラッとキッチンスペースを見ると

部屋の奥でニタニタと笑う少年が包丁を見つけて手に取る瞬間でした

完全にパニックになりそうでしたが、

玄関横に置いてあったショルダーバッグを掴み、

靴も履かず、

鍵もかけず、

携帯も忘れ、

道路に飛び出て、

自宅近くに住んでるA君の家に逃げ込みました。

A君の家に着くと、A君はまだ起きていて、

必死の形相で靴も履かず汗だくの私を

向かい入れてくれて、麦茶を出してくれました。

麦茶を飲み、息を整え

さっき起きた事をA君に説明しました

A君は半信半疑ながら私の形相や切羽詰まった雰囲気に負けたのか、信じると言ってくれました。

朝になったら一緒に自宅に行ってくれるとA君が言ってくれたので、安心し少しでも睡眠を取ろうと寝る事になりました。

私は

鍵をかけてたのに玄関からなんで?

包丁を掴んで、私を殺そうとしてたのか?

もしあのまま、あそこに居たらどーなってたんだ?

など頭の中で疑問がグルグルと回り軽くパニックになりそうでした。

何よりあの

ニタニタと笑う少年の顔を

思い出すだけで全身から震えと冷や汗が止まらなくなり、

結局、朝まで起きていました。

A君が起きて来て、一緒に自宅に行きました

玄関は開きっぱなしなっていました

A君が先に中に入ってくれて、クローゼット、ユニットバス、キッチンスペースを探索してくれました

誰もいません

奥の私の部屋も誰もいませんでしたし、荒らされた形跡もありませんでした。

携帯電話がベッドの上から無くなっていたので、携帯を探していたら、

A君が声を震わせて「おい、これ…」とベッドの下から携帯を引っ張り出しました。

携帯電話を見ると

包丁が突き刺さっていたんです。

もしかしたら、○○霊園で肝試しをしてお酒も飲んでいたし、兄から来たメールの恐怖から幻覚を見てしまったんじゃないかな?気のせいだよな!という小さな希望をぶち壊すのに十分な結果でした。

私とA君は恐怖でウワーーー!!と声上げて部屋から逃げ出しました

またA君の部屋に戻り、一連の騒動と今後の動きを話し合いました

とりあえず警察に相談しようや

お寺でお祓いをしてもらおうなど

話し合ってると時にふと

兄のメールを思い出しました。

『絶対に窓を開けるな、玄関もだ、部屋の四隅に盛り塩をして、出来るだけ部屋の中央で朝まで起きてろ、朝になったら、返しに行けよ、絶対に守れ』

朝になったら返し行けよ、絶対に守れ

って何を返しに行くんだ?

私は何も借りてないぞ?と思い

何となくショルダーバッグの中を確認しました

ゴソゴソと中を漁ると、私のものではないキーホルダーが出てきました。

あの時、○○霊園でB君が拾っていた

戦隊モノのキーホルダーでした。

私はビックリして、腰を抜かしました。

何で?私のショルダーバッグに入ってるの?

あの時、B君は木の下に戻してたよな?

またもや疑問が頭を駆け巡りパニックになっていました。

そしたら

A君がこれだ!これの事だ!返しに行こう!

と声を上げ、○○霊園に返しに行く事になりました。

有名な○○霊園といえど昼間の明るい時間帯だと、全然怖くなく、人もまばらで居るので安心して、キーホルダーのあった木を目指していました。

ただ、付いてきてくれたA君の様子が少しおかしいのです。

大丈夫?なんかあった?

と聞いても、首を横に振るだけでした

大きな木に着いて、キーホルダーを元の場所に戻し、霊園の正門横のお花屋で買ったお花を一緒に備えて、

ごめんなさい

と手を合わせました。

これで終わった、霊園を出ようとしても

A君はまだ暗い顔をしていました

車に乗り込み、再度、たずねると

聴こえてなかったみたいだから言わなかったけど、ずーーっと耳元で

返せ、返せ、返せ、返せ、返せって

子供の声が聞こえてたんだよ

と言ったので、私も背筋がゾッとしたのですが、

キーホルダーは返したしもう大丈夫だよ

と言いA君も

そうだな

と明るさを取り戻しました。

どっか美味いラーメンでも食べに行こうと

気分を切り替えて、評判のラーメン屋を探し

向かいました。

向かってる途中にCちゃんからA君に電話が来ました

A君は電話に出ると

もしもし、Cちゃんどーしたの?

えっ?今、一緒にいるよ?

うん、うん、わかった変わるね

A君は電話を私に渡してきました

もしもし、変わったよどーしたの?

昨日さ、肝試ししたじゃん?

うん

キーホルダー覚えてる?

うん、何で?

あのキーホルダーね、B君が帰りにイタズラでこっそりショルダーバッグの中に入れてたの

え?そーだったの?B君が入れたの?

そう…私はやめなよって言ったんだけど、絶対面白いから、黙っててって言われて…

マジか…B君…

それで、何かあったらヤバイかなーって帰ってから思って、ネットで色々調べたの

うん

そしたら、ちょうどキーホルダーがあった大きな木の下で20年位前に少女の死体が発見された事件があったんだよ

え…

細かくは乗ってなかったけど、行方不明になっていた少女が、性的暴行を受けて殺害され

霊園の木の下で発見されらしいの

それホントの話?

うん、それですぐに電話したんだけど、通話中になって繋がらないから言えなかったの

ごめんね

起きてまた電話しても繋がらないからA君に電話してみたら一緒だって言うから安心した

そのキーホルダーのせいで、大変な目にあったんだよ実は

私はCちゃんに昨日の騒動と、霊園に返して来た事を説明しました

オカルト好きのCちゃんは謝りながらもワクワクした声で話を聞いていました

電話を切り、ラーメン屋でご飯を食べてから

B君も連れて、私の家に行き、携帯電話を弁償させようとなりました。

A君にCちゃんとの会話を説明すると、

A君が考え込み始めました

また何か不安な事があるの?

とたずねると、A君が困惑した声で

あのさ…俺が霊園で聞いて声って確かに少女の声っぽかったんだよ

実際にあの霊園で少女の惨殺死体が発見されたんだろ?

Cちゃんはそう言ってたよ?

じゃあさ…お前ンチに出た少年ってなんだよ

キーホルダーも

惨殺死体も

あの返せって声も

少女だぞ…

その瞬間、私の体に冷たい血が逆流して駆け巡る様な感覚があり、冷や汗が吹き出ました

しばらくの間、A君とB君の家に居候させて貰い、業者に全て頼み、私は一回も自宅に戻る事なく引っ越ししました。

あの少年は一体なんだったのでしょう?

包丁を掴んで、私を殺そうとしてたのでしょうか?

もしあのまま、あそこに居たらどーなってたんでしょう?

私は未だに

ニタニタと笑う少年の顔を忘れられません

Concrete
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@Poya さんコメントありがとうございます。
少女、キーホルダー、その他の関係性は別の話で分かりますので、その話を投稿した時に読んで頂ければと思います。
このような形でしかご返答できず申し訳ありません。

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女の子とキーホルダーにはどんな関係があったのでしょう。
つじつまが合わないような気が。

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