4人で行ったはずの富士の樹海

中編3
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4人で行ったはずの富士の樹海

富士の樹海に行った時の出来事。

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当時大学生の私たちは4人でいつも遊んでいました。

友人の名前をA、B、Cとしておきます。

富士の樹海は一度入ると迷い込んで出られなくなる事で有名です。

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私とAが休日の日に富士の樹海に行こうとBとCを誘いました。

自殺の名所としても有名な富士の樹海には死体が見つかることもあるそうです。

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そのため万が一のことに備えてお守りを持って行きました。

懐中電灯も持って行きました。

樹海に入った時刻は午後の8時ごろでした。

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A「出来るだけ懐中電灯はつけないようにしよう。」

怖さを増すために懐中電灯はもしもの時だけつけることにしました。

右からA-私- C- Bという形で樹海に入りました。

最初に奇妙なことが起こったのは入ってから15分ほどだった時。

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「パキッ」

斜め前の木の枝が突然折れました。

ゾクっとしたがこの程度のことはみんな想定済みだったため気にせず進みました。

次に怪奇現象が起こったのはそれからかなり経って20分後でした。

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A「おい、なんか後ろから声しないか?」

C「え?声なんか聞こえないぞ」

私「俺も聞こえないぞ」

B「俺も。空耳じゃないのか?」

最初はAの空耳だと思っていました。

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しかし。

「ふううううううう、ふうううう。」

私「え!?なんだ今のは!?」

B「誰かイタズラでやってるんならやめろよ!」

A「おれはしてねーぞ!!」

C「おれもだ!」

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「死ね.....」

私「おい!?なんだ今のは!!!?」

B「もう帰ろうぜ。流石にやばいよ。」

C「ああ!帰ろう!」

A「....」

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私はAの返事がないのでAの手を握っている右手を少し揺らしました。

するとAがこんなことを言い出しました。

A「なあ、一つ聞いていいか?」

私「なんだよ?」

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A「おれの右手を握っている奴は誰だよ?」

B「おれは左手で Cと握ってるぜ」

C「おれは左手でBと握ってるぞ」

A「嘘つくなよ。おれは端っこだったのになんで両手を握ってるんだよ...。」

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そんなはずはありません。

樹海に入った時には右からA-私- C- Bの形で入っていますから。

一番端のAが両手で握るのはあり得ないのです。

すると今度は Bがこんなことを言い出しました。

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B「おい。樹海に入った時はA-私- 俺- Cの順番で入ったよな?」

私「違うぞ。お前は一番左端だろ?」

C「そうだよ!お前は一番左端だ。」

B「おかしい...。じゃあ今俺の左手を握ってる奴は誰だよ...。」

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もしここでAが嘘をついていなければ1人多いことになります。

さらに、 Bも嘘をついていなければ2人多いことになります。

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もう訳が分からなくなって、

B「うわああああああああ!!!」

私が持ってきた懐中電灯で照らすと

「おい!照らすな!そいつの正体が見えちゃうだろーが!」

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一目散にみんな逃げてなんとか車があった場所までたどり着けました。

持っていたお守りが突然「バチンッ」

と音を立てて切れました。

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それ以来富士の樹海に立ち入ることはありませんでした。

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みなさん気づきましたか?

先程の「おい!照らすな!そいつの正体が見えちゃうだろーが!」に。

みんなそんなこと言ってないといいます。

このセリフを言ったのは未だに誰なのかわかっていません。

以上、雑な文でしたが最後まで読んでいただきありがとうございました。

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