短編2
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ある物件

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これは、私が最近経験した事です。

とある事から、中古物件を探さないといけなくなっていました。

色々な物件をネットで探し、不動産屋に連絡。

多分、何十軒と見させて頂いた中のとある一件の話です。

そこは、田舎ではあるも敷地も広く部屋数も気に入って、それなのに

安いと思う物件でした。

立派な日本家屋、以前会社を経営されていたとの事で作りもしっかり、ただ、離婚してしまい広すぎるので売りたいとの事。

内覧日、写真で見るより立派な作りにびっくり

ある程度、内覧を済ませ敷地内にある倉庫へ……

立派な倉庫でした。

ただ、不思議な事に……?

不動産屋さん、倉庫に入ろうと中々しません。

まっ、いいか

家族と広いね〜と話していました。

ただ、倉庫にある柱が凄く気になりました。

でも、事故物件では無いって……

不動産屋話してたしね…

その日は、帰って2度目の内覧の予約をしました。

2度目の内覧、

子供を連れて行きました。

一通り見て、私達は外に、不動産屋さんが部屋の電気消してきますと声をかけてきました。

でも、中々、不動産屋さんが戻って来ません。

どうしたのだろう?

私は、玄関へ……

すると、不動産屋が廊下で凄い形相をしてじっとしています。

口をこれでもかという状態で開け、目も見開いて廊下の先を指指しているのです。

どうしたんですか?

不動産屋は、

あっあっあそこに……誰か……

指差す場所を見ても誰もいません。

玄関を見ると……

うちの子の靴が…

えっ、この不動産屋さんうちの子に驚いた?

子供の名前を呼ぶと、やっぱり不動産屋さんが指差す方から子供が出てきました。

不動産屋にうちの子供ですね。驚かせてすみませんでしたと謝罪すると、ほっとした顔はするものの

再度、確認しに行きます。

なんだろう?

そう思い、倉庫に案内してもらうと、やはり不動産屋さんは中々入りません。

そして、何故か私はその倉庫の気になった柱をじっと見て

この柱、首吊りやすそう

と、言ってしまいました。なんの気なしの言葉……

すると不動産屋さんは、無言で違う場所へ……

その後、どうしても以前の方が気になり自分なりに調べてみると、

そのご主人様が、会社で上手くいかずタチの悪い所からお金を借りてしまい倉庫で首を吊ったという事でした。

その時、一命は取り留めて事故物件とはならなかったようですが……

これ以上は、わかりませんが

きっと不動産屋さんは、何か知っていたのでしょうか……

家族にこの件を話すと直ぐに、この物件から手を引く事になりました。

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