短編2
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話し声

私が6、7歳の頃でしょうか。

夜9時には母親に連れられ、いつものように布団の中に入りました。

「おやすみ」とだけ声をかけられ、部屋の電気を消され真っ暗になった寝室。

母親はまだやることがあるようで、2階へと階段で降りていく足音が聞こえました。

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私の毎日の楽しみはここから始まりました。

布団から出た私は、床に耳をつけました。

静かにしていると話し声が聞こえるのです。

2階にいる両親と祖母の声でしょうか。

テレビを観て笑っているのかな?

私に内緒でお菓子を食べている?

内容までは分からないものの、盗み聞きをしているような気分になり私は毎日のように繰り返していました。

成長するにつれて盗み聞きをすることもなくなりました。

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ある日のことです。

私は17歳になりました。

テスト勉強のため、深夜3時を回ってもまだ布団に入っていませんでした。

休憩をしようと思った時、ふと突然昔の盗み聞きを思い出したのです。

両親も祖母も寝ています。

声なんて聞こえるはずもないのに私は床に耳を近づけました。

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「んーーーーーーーーーー」

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人の唸り声のようなものでしょうか。

すぐさま耳を離しました。

明らかに2階で言っているような距離感ではありませんでした。

2階の天井裏すぐ、3階の床に口をくっつけて言っているようでした。

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私はあの日以来、盗み聞きはしていません。

またあの声が聞こえてきたらと考えると...。

皆さん、試したりしないでください。

何故かそんな気がするのです。

Concrete
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