番外編 深夜のコールセンター

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番外編 深夜のコールセンター

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これは私が

いっときオフィスワークをしていた時の話です。

その会社は池袋の東にあり、

いわゆるサンシャインに程近いビルでした。

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その会社に入ったときは24時間やっている

通販番組のコールセンターの配属となりました。

順調に研修をこなし、アップセルでの営業成績を伸ばしつつ会社に馴染んでいったころでした。

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主に私は売り上げがよくない昼の番組でのシフトでした。

深夜の時間帯はアップセルが取りやすく深夜手当てがつくため決まったメンバーでのシフトだったので、私は昼のチームでのリーダー的なところで励んでいました。

この業務は昼夜の切り替わる15分前から引き継ぎをするため夜メンバーと会うことになります。

そのとき私はこの会社

いや、ビルに怪異的な要素があることに全く

気がついていませんでした。

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同僚「おはよう。」

以下・同・と表記

私「オハザッス」

同「どう?最近」

私「ぼちぼちっすね。昼間の客は渋目っす」

同「マジかぁ夜の客はテンション高めだから、アップセルほいほい買ってくれるから楽勝だわ。」

私「僕も深夜チーム入れてくださいよ〜」

同「チーフに話しとくよ。

でもさ、そしたら昼の売り上げ誰が稼ぐのさ?(笑)」

私「トホホ・・・」

同「それはそうと一つ聞きたいんだけど、君

霊感とかある?」

私「全くです」

同「そうなんだ。なら大丈夫かもね。深夜チーム」

私「なんでそんなこと聞くんです?確かに夜のオフィスは少し怖そうですね。」

同「結構でるんだよ・・・このビル」

shake

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聞いた話によると、こうらしい。

まず、

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フロアには扉が一つ

その扉は電子錠で閉まっており社員はカードキーで開ける

中から出るときは手動のロックでも解除できる。

その扉の取っ手がガチャガチャ動く

shake

ことがあるらしい。

希にカードキーを忘れて出た人がいたりするため

ロックを解くため扉の近くまで行き磨りガラス部分をみたときだ。

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暗い廊下に浮かび上がった黒い影を見たそうだ。

そこで同僚は意を決して扉を開けたら

shake

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暗い廊下だけで人は居なかったらしい。

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wallpaper:1075

軽い話では

仕事をしていてふと暇になったらしい

フロアの窓にはブラインドが降りており

外の様子はブラインドが開いている一部しか伺えず

業務中はパソコンの画面とにらめっこである。

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すると不意に

shake

コツコツっと音がする

フロアには数人

通販チームのみ

また

shake

コツコツと

どうやら窓を叩いているようである。

全員席に座っており

窓を叩くイタズラなどできる人はいない

そして何より

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この階は8階なのである

つまり8階窓を外から叩かれていることになる

ただ.・・

こんなことは茶飯事らしく

慣れてしまえば

「また叩いてるよ」程度で気にならなくなるとのこと。

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仕事も半年がたち年が明ける頃には通販業務は他の会社へ

移管されることとなり

私は別の業務へと異動になり、新年からバタバタと

忙しい毎日に怪異のことなど忘れていました。

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それは突然のとこでした。

いつものように業務が終わり

フロアを閉める準備を進めていました。

リーダー職のまま異動だったためフロアの管理を任され

オペレーターが全員帰ってから一日の締めの作業を行います。

業務日報をメールで送り最後にフロアの施錠し

廊下にでました。

ぞくぞくっと

shake

寒気がはしりました。

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なんとなくいつもより廊下が暗い感じがしました。

外階段を降りてロッカーのある休憩室に向かいました。

6階にある休憩室は真っ暗でした。

ただ奥から人の話声のようなものが聞こえました。

私「奥の喫煙スペースにでもまだ人がいるのかな」

そう独り言を漏らしながらロッカーで帰り支度を進めていると、先ほどの声がまだ聞こえています。

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何か妙な感じがしました。

聞こえてくるのは間違いなく声なのに

言葉には聞こえないのです。

shake

私は先ほどの悪寒を思い出しました。

それと一応人がいるなら挨拶しておこうと

喫煙スペースへ歩を進めました。

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すると

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数歩を進まぬうちに異変に気がつきました。

誰もいなかったんです。

でも声はまだ聞こえています。

そして誰もいないはずの喫煙スペースの灯りが明滅していました。

対人センサーで灯りが自動でつくタイプの電灯が激しく明滅していたのです。

私は音を立てぬよう後退り

エレベーターで1Fまで降りて早足でその場から遠ざかりました。

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件の会社は翌年に移転し

今は別の会社がビルに入っているらしいです。

ビルは今でも存在しています。

ひっそりと池袋の片隅に・・・・

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