中編3
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囚われた少年

親友の話…

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出張から帰ってきた親友…

約束をしてる訳でもないが、そんな親友から電話にて「帰ってきた」と報告の電話があった。

………

……

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深夜3時なのに…

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当然の如く呼び出された私は親友と昼飯を食べる事になった。

「まぁ~(私です)…………聞いてよぉ~」

語りだしたのは出張先の愚痴だった。

親友曰く…

取引先の担当者が使えない!

事前の話とまったく違う!

今どきバーコード禿げって何やねん!

と、愚痴から関係無いだろと思う事まで吐露してくれた。

昼飯を食いながらの愚痴…

テンションMAX愚痴る親友に「ちょっとうるさいよ?」と注意しながら聞いていた。

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そんな親友の顔色が暗くなる。

「だけど…最後に嫌なもの見たんだ…」

親友が視たのは【囚われた子供】…

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【地縛霊】とは似てるようで違う…

土地に縛られてる訳ではなく他者の力で縫い付けられてるような霊…

そんな霊を親友は【地縛霊】と【囚われた霊】と区別しているとの事。

あくまでも親友の考えであって一般の解釈とは違うかも…とも言っていた。

余談終わり…

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その子供は【小さな空き地】に縛られていた。

古ぼけた地域の案内地図を見る限りは公園があった場所。

今は【空き地】を残してマンションに変わっている

そんな場所に子供…少年は座っていた。

「何…あの子!?」

親友が少年に抱いた印象はそれだった…

ボロボロの服…

腐り落ちた目玉…

むき出しになった大腿骨…

ただ親友が身震いしたのは黒紫色の触手…各部が異常に長い腕…

少年を囲むように…蝕むように…

地面にできた黒い沼のようなものから生えて蠢いている…

おぞましい物体は少年を取り込もうとゆっくりゆっくりと浸食していく…

【お父さん…お母さん…僕を見て…僕を見つけて…】

少年の思いが願いが思念となり親友の頭を駆け抜ける。

【僕はここにいるよ…僕は…】

少年に供えられていたであろう枯れはてた【花束】が崩れて消える…

【あっ…】

親友に気がついた少年は腕を伸ばす。

何かを求めるように…

………

……

親友は逃げ出した…

少年の腕を避けて逃げ出した…

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「いやー…怖かったし気持ち悪かった…

あれと関わりを持つのは無理だわ…」

「お前…それは駄目だろう?冷たすぎだわ!」

そんなコメントをいう私に親友は私に冷たい目を向ける。

「まぁー(私ですよ)さあ…私は聖人君子でもなければマザー・テレサみたいに人間がてぎてる訳じゃないんだよ?

助けてやれるなら頑張ってやれなくもないけど助けられないんだよ…」

不満そうな私の顔を見て親友は更に続ける…

「下手な同情は相手にとっては最悪の裏切りの可能性だってあるんだよ…」

親友は私の顔をじっと見つめながら…

「あの子はもう間に合わない…たぶんもうのみ込まれてるよ…」

ゴメン帰るわ…

親友は私の分の会計を済ませて帰っていった。

気不味い空気を残したままで…

………

……

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ここからは余談だ…

後日談かもしれない…

私はあるメディアで【命の価値】【倫理】というテーマの話を聞く機会があった。

色々と学ぶ事はあったが印象的だったのは以下の内容…

①人間の価値や倫理というものは脆くうつろいやすい。

②人間は集団行動を円滑にする為、ルールを作り自らに枷をかけた。

③人間はルールを逸脱する時は都合の良いルールを上書きする。

などなど…

これを聞いた時に思う事があった。

内容が極端で一方的…

私は良くも悪くも日本人らしい性格…

そして、自らに枷とルールを定めてそれを守ってる親友を改めて尊敬できる存在だと思い直した事…

この日の夜…私は親友に詫びの為に電話した。

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