短編2
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寺の鐘

私の父が体験した話です。

父は若い頃バイクにはまっており、夜な夜な友人達とツーリングに出かけていたそうです。

ある夜、友人のうちの1人がこう言いました。

友「そういえばさ、この辺はどこも行き尽くしたけど、あそこだけ行ってないよな!?」

父「どこ?」

友「あそこだよあそこ、出るって噂のあの寺。」

父「たしかにあそこはまだ行ったことないな、行ってみるか!」

それは地元では割と有名な心霊スポットと言われている寺でした。

退屈していた父と友人達は嬉々としてそのお寺までバイクを走らせます。

お寺に着くと近くにバイクを停め、友人達と中へ。

好奇心と恐怖心の混じった気持ちで境内をまわり、寺の裏手にある墓地に向かいました。

そうして一通り見て回りましたが、特に何かが起こる気配さえありません。

友「なんだよ、何もないじゃん!」

父「でもちょっと安心したかも。笑」

そう言って寺を出て数歩歩くと、

ゴ〜〜〜ン、、、

突然お寺の鐘が鳴りました。

友1「なんだ今の?」

父「鐘の音、、だよな、、?」

友2「ビビったぁ、、」

友3「え、なんか聞こえたか?」

そうして話していると、どうやら友3だけはその鐘が聞こえなかったようでした。

ですが、その場にいるのも気味が悪いので急いで父の家へと帰り、恐怖からか酒を飲もうということになりました。

そうして飲みはじめようとすると友3が、

友3「なんかすごい眠いわ、限界。部屋借りて寝ててもいい?」

と言ってきたので、父は内心ノリが悪いなと思いつつも

父「まぁ、、いいけど。」

と言い、友3は二階の寝室へ。

そうしてリビングで飲み会を始めてから2時間ほどすると、突然家の外からバイクのエンジン音が聞こえてきます。

窓から確認するとどうやら友3がバイクに乗っている。

うちの階段は建てつけのせいか降りる時にかなり音が響くので、二階から降りてくるとわかるはず、、、、。

不審には思いつつも、父も友人達も「眠いと言ってたから帰ったんだろ」と思いそのまま朝まで酒を飲み解散しました。

昼過ぎに目が覚めてぼーっとしていると、家の電話が鳴ります。

友3母「もしもし」

電話は友3の話からでした。

そこから友3の母に聞いた話によると、友3はあの日、自宅とは全く違う方面にあるダムにバイクで突っ込んで亡くなったということでした。

単なる居眠り運転だったのか、事故だったのか、それとも、、、

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