中編2
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◯◯前編

最初に断っておきたいのだが、これはもしかしたらご理解頂けない話かもしれない。

現に体験した私自身がどうまとめていいのか分からない途方もない長い話であって、今回気持ちに区切りをつけようと初めて人に打ち明ける話である。

彼は高校時代の同級生だった。

高校時代に名前の関係で席が前後になって、そのうち打ち解けた。真面目な彼に対して、不良ぶってた自分。正反対だったのがますます仲良かった理由だろう。

大学は別々だったが、たまに高速バス4時間かけて一緒に飲みに行く仲であったが、何の因果か彼は銀行員、私は経営者となってまたお互いを支える仲となった。

ある時、彼が私を訪ねて来た。

銀行員が訪ねて来るのは、大抵金融商品の勧誘だが、その時は違った。

奥さんのことで相談があるのだという。奥さんもこれまた私の中高の同級生で、本当に心優しい女性だった。

話を聞くと、彼女が最近ボーッとしている時間があり、ボソッと「◯◯」と言うのだと言う。

それでも、えっ?と言うと我にかえって、元の話題に戻るのだという。

◯◯に見覚えないか?と聞かれ、普段あまり耳にしない言葉だがどこか聞き覚えがあったが私はついに思い出せずに知らない。と答えた。

彼も私に話したことで落ち着いたらしく、それ以外は小1時間他愛もない話をして帰っていった。

私は◯◯というのが一時は頭に残ったが数日後には気にも止めなくなった。

ある時、私の事務所の書類を入れてある保管庫がいっぱいになったということで、従業員から仕訳をしてほしいと依頼があった。

ご案内の通り、私は父から会社を引き継ぎ、不動産と技術系の部門がある会社を経営しているが、それは7:3くらいの割合であって技術系の方はほとんど任せていた。

それでも処分するか否かの判断はしなければならず、またそれの判断くらいは出来るくらいではある。長年使われていない書類で同じ内容のものは処分する。私は図面等の書類に目を通した。

ふと見た図面に◯◯という言葉を見付けた。

皆さんがご存知かどうかは分からないが、普段使わない住所で"大字"の後に"字"というものがある。これは住んでる方も98%以上は知らないような住所である。

この"字"の後に◯◯と記載があり、それはほんの一部の地域であることが分かる。

それは田舎の中の住宅街で、開けた地域で特に問題があるような地域ではない。多くの人が住んでおり、特に問題のありそうな地域ではない。田舎の方でも高値で取引されるような地域なのだ。

Concrete
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