短編1
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塀の上の女の子

友人sが先輩から聞いた話。

不思議なもので、スタンド使いは惹かれ合う、ではないが友人sのまわりには霊感がある人が多い。

その先輩が小学生の時、夕暮れ時小学校のグランドで友だちと遊んでいると、グランドを囲んでいる背の高い塀の上に、腕を組むような形で小学生くらいの女の子が見えた。

塀にぶら下がっているんだろうが、危ないことをするな、と思いつつもその時は特に気にせずに遊びを続けた。

30分後くらいに、全く同じ姿勢でそこにいる女の子に気づき、その先輩はその子が仲間に入れて欲しいのではないかと思ったという。

まわりの仲間に女の子のことを伝えると、仲間には女の子もいたので一緒に遊んであげよう、という話になった。

仲間全員で女の子の傍まで行き、ねぇねぇ、何をしてるの?

と問いかけた。

今まで真顔で先輩たちをじっと見つめていた女の子はにっこりと微笑んだ。

それで緊張が解れたのか、仲間の一人が一緒に遊ばない?と誘ったという。

すると、

女の子はにやり、といきなり意地の悪い顔になり、

腕だけで這うように素早くこっちに向かってきた。

その女の子には下半身が存在しなかったのだ。

先輩たちは蜘蛛の子を散らすように四方八方に逃げた。

幸い、誰も捕まったものはおらず全員が無事だったがそれから先輩たちはそのグランドで遊ぶことはなかったという。

Concrete
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