職場に
とてもタイプな先輩がいます
栗色のキレイな髪
かわいらしい顔立ち
僕は入社当時から
仲良くなりたくて必死でした
ご飯に誘ったり
些細な事でも話しかけたり…
先輩の笑顔を見てると
癒されました
一緒にいる時間が
幸福で満ち溢れていたんですが…
そんな先輩には特殊な力がありました
ドライブ中に
「あっ…この近くにお墓あるね…」
え!?
「白い人達がたくさんいるもん…あっ!ほらあそこお墓っ!」
本人いわく
そこまで霊感は強くないようですが
ドキっとするようなことをサラっと言ってきます
そんな可愛い顔で
まじ厄介です…
そんな先輩と
去年蛍を見にいきました
まるでデートだと思いながら
僕の運転で蛍がよくみえる山の中のスポットに出掛けました
「蛍楽しみだなぁ〜♪あっ…でも私、わざわざ蛍見に行かなくても似てるものをたまに見るけどね〜♪」
…それってオーブってやつですか?
「そんな感じぃ〜」
…そんな情報いらないです…
なんて話しをしながら
スポットに着きました
さすが名所ということで
他の人達の車が
たくさんとまってました
僕も車を縦列駐車しようとして
ハンドルを切って
バックし始めました
すると先輩が
「ねぇここじゃなくてさ〜あっちにとめようよっ♪」
と言って前の方を指指しました
…え?なんでですか?
「いーからっ♪後5秒であっちいかないと絶交するからねっ」
それは困るっ!!
絶交なんかされたら
泣いてしまいますので
違う場所に車をとめました
先輩…あのワガママ…意味わかんないんですけど…
「あんたそんなに私との絶交が嫌なの?♪」
だって…!悲しいじゃないですかっ!
「あ〜らそぅ」
なんですかっそれ…
「でも私だってあんたが怪我したりするのは嫌なのよ?♪」
なんですかそれっ!キュンキュンするじゃないですかっ♪
「後ろにとまってた車のさー…車と地面の隙間あるじゃない?」
隙間?あれですか?タイヤのとこですか?
「そうそうっ…その隙間から亀みたいに…クルマのタイヤより大きい顔がニュルって出てて…睨んでたのよねぇ…」
ぇ…ナンスカそれ…
カエリマショウカ…
怖い話投稿:ホラーテラー 総悟さん
作者怖話