「おっちー」シリーズ外伝 その4 Cおじさんの怪談話

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「おっちー」シリーズ外伝 その4 Cおじさんの怪談話

S君が珍しいお客さんを連れて帰ってきた

もちろんF子も一緒

「ただいまーーー、アニキいる?」

「おっちーー!!!F子ちゃん、おひさ!!!、Sアニキ、生きてた?」

「おい!!S子!!なんだよ、その「生きてた?」とは、どういう意味だよ?」

「ギャハハハハ!!!冗談だよ!!アニキ!!」

「お前の冗談は冗談じゃない時がある!!おまえ、マジで言ったろ?」

「ギャハハハ、ばれた~~」

「おい!!、S子!!」

「あ!!Sおじさん、F子お姉ちゃん、お帰り!!!」

「楓ちゃん、こんな夜遅く起きてて大丈夫なの?」

「うん・・・なんか・・・寝付けなくて・・・葵はさっさと寝ちゃうし・・・」

「そうなの・・・」

「うん・・・あれ?・・・Sおじさんの後ろの人は誰なの?」

「あ・・この方はね、私たちの所属してる大先輩のCおじさんと呼ばれてるの」

「Cおじさん・・・」

「こんばんわ!ごめんなさいね、こんな夜遅くにお邪魔して・・・」

「ううん・・・」

「おかえり、S君、F子!疲れたでしょ?」

「ううん、アニキ、今日はお客さんを連れてきたよ」

「ほぉ・・・珍しいね」

「はじめまして、S君と同じ事務所のCと言います

S君とF子さんには大変親しくしてもらってます」

「いや!!C師匠!!そのセリフは私たちが言うセリフです!!恐縮です」

「え・・・師匠?」

「いや・・あのな・・C師匠は俺の先生だよ、カメラのな

お前も知ってるだろ○○(C師匠のフルネーム)だよ」

「えええええ!!!マジかよ!!!夢みたいだ!!!

まさかS君の師匠が○○さんとは・・・」

「いやいや・・・おはずかしい・・・」

「さっ・・・お上がりください・・・」

「でわ失礼しますね」

なんとS君はとんでもない大物を連れてきた

写真集をいくつか買ったことがある

どれもこれもすばらしい作品ばかり

とくに人物を撮らせたら写真なのにまるで今にも被写体が動き出しそうな感じなのだ

私もこんな風に撮れたらいいなと思っている

そのまさかの人が目の前にいる

「今日、師匠を連れてきたのはほらずーと前にお寺さんの庭でF子をモデルに写真集を出したろ

それを師匠が見てぜひ一度そのロケ地へ行ってみたいと言ってきたわけよ

それで、F!、すまんが和尚様にお寺へ泊まらせてもらえるように話をしてほしい」

「そういうことか!もう今夜は遅いから朝に聞いてみるよ」

「すまん!!!」

「ごめんなさいね・・・どうしてもその庭を見たいんです

私もそこで撮影したいとあの写真集を見てて日々募らせていたんです

それで、昨日、S君が久しぶりに事務所へ顔を出したので頼んだわけです」

「そうですか、お師匠様の頼みとあらばなんとかして許可をもらいます」

「お願いします!!」

おふくろがリビングに来た

「おやおや騒がしいと思ったらお客さんがいたんだね

てっきりS君が酔っ払って大声を出してると思ってたよ」

「え!!それはないよ、おふくろさん!」

「そっかい・・・今日はお酒を飲んで帰ってきたんじゃない?」

「うううう・・・今日は飲んでません!!」

S君の顔が真っ赤かになった

「うん?・・・・はて・・・どこかで会ったような・・・」

「私に?」

「ええ・・確か2年前・・・東京で・・私が写真の個展を開催したときに・・・」

「東京で?・・・2年前ね・・・ごめんなさい、お名前は?」

「は!失礼しました、私○○と言います」

「○○さん・・・え・・と・・個展ね・・・私も色々な個展に呼ばれているからね

う・・ん・・・・」

「私にいろいろと質問されてきましたよ、覚えないですか?」

「もしかして・・・私の財閥が後援の個展でしたっけ・・・それならたしかやだらと質問して相手を困惑させていた覚えがあります」

「そうです・・・すごい突込みの質問ばかりで返答に困りました・・・「私の財閥」って今さっきおしゃっられていましたけれど○○財閥とはどういうご関係でしょうか?」

「うちのばっちゃ・・・財閥の総帥だよ、Cおじさん!」

「総帥・・・・はっ!これは失礼しました○○財閥の総帥でしたか・・・

これは・・・ぜんぜん知らなかったです・・・どこかのおばさんがしつこく質問してきたとばかり思っていました」

「まぁ・・・お忍びで見に行きましたからね・・・ホント、写真の中の人物が生き生きとして今にも動き出しそうな感じで見入ってしまいましたよ、それでいろいろと質問したんだけど・・・やはり迷惑でしたわね」

「と!とんでもない・・・私の個展のために相当な寄付を頂いたと聞いております

いずれお礼の言葉を言わなければと思っていましたけれどなかなかアポが取れなかったもので本当にすいませんでした」

「私もいろいろと忙しくて1日に会える人の数は限られているのよ

本当にごめんなさいね

私に会いたい人はたくさんいると思うのだけれどなかなか難しいのが現状でね」

「恐縮です・・・」

Cおじさんは完全に小さくなっていた

「楓ちゃん・・・もうそろそろ寝ないとね・・・もう夜もおそいよ」

「ばっちゃ・・・私、眠くないもん・・・」

「そっかい・・・葵ちゃん一人だと寂しいだろうから私は葵ちゃんの部屋で寝るよ」

「そうしてくれ、おふくろ」

Cおじさんを中心にテーブルに座った

夜中の1時過ぎ

Cおじさんは思わぬことを言い出した

Cおじさんは色々な怪異的な出来ことを体験したようだ

Cおじさんは田舎の町で生まれて19の時に単身、東京に出てきたそうである

ボロアパートを借りて一人暮らしをはじめて1か月後に恐ろしい体験をしたということだ

東京という都会に少し慣れてきた

アルバイトをしながらカメラ撮影をして生活をしていた

いつもの安い居酒屋で一人入っていった

ところがお店のアルバイトがいつもの子ではなく見かけない子が注文を聞きに来た

いつものごとく1人前の料理を注文をした

Cおじさんは尿意を感じたのでトイレへ行った

帰ってみると2人分の料理が置いてあった

もちろん2人分など頼んではいない

「ちょっと~~、お姉さん、2人分も頼んでないよ」

「え?お客さんがトイレへ行った後にもう一人お客さんが来てそこの席に座って注文をしたんですよ、「同じものを」と注文されたんで持ってきたんですけれど」

「いや・・僕、一人だけだよ・・・」

「あれ?・・・おかしいですね・・・綺麗な女性の方でてっきりお客さんの彼女さんかと思いましたけれどね」

「いや・・僕は今日は一人だけだよ、彼女はいないし・・・」

「おかしいですね・・・そういえば・・・女性の方、どこへ行ってしまったんでしょ・・・

「とりあえず・・・この料理を処分してくれ」

「はい、そうしますね、失礼しました」

Cおじさんは少し不機嫌になった

店員にからかわれたんじゃないかと思ったそうである

いつもの子だと「あ・うん」で通じるのだが今日ははじめて見る子である

少し気味が悪いのでさっさと食事をしてお店を出た

次の日もいつものお店へ行った

その日はいつもの子が注文をしにきてくれたので「いつもの」と言うとさっと厨房へ行きマスターへ注文の品を伝えていた

なぜか急に尿意を感じたので慌ててトイレへ駆け込んだ

すっきりとして席へ戻るとまたなぜか同じ品物がもう一つ横に置いてあった

「あれ・・・またかよ・・・」

「ねぇ・・○○ちゃん(店員の子の名前)!一つ多いよ!!」

「え?いや・・・お客さんがトイレへ行かれた後にもう一人お客さんがそこの席に座って「同じ品物」と注文をされたので持ってきたのですけれどね

お連れさんじゃなかったんですか?」

「いや・・・一人だよ・・・おかしいな・・・」

「でも・・・綺麗な女性の方でしたよ」

え・・・昨日と同じことを言ってる・・・どういうことだよ・・・

でも・・・なんで急に尿意がもようしてくるんだろ・・・

このお店へ来る前に公園のトイレで用を済ましてきた

絶対におかしい・・・・

今日もさっさと食事をしてお店を出た

家へ帰る間にこの2日間に起きたことをいろいろと考えながら歩いていた

お店から家まで歩いて30分の距離である

ちょうど家まで半分来た時にふと視線を感じた

背中あたりに誰かに見られてるという感覚に陥ったのである

ふと後ろを振り向いたのだが誰もいなかった

気のせいだろうと思い気にせずに家に着いた

Cおじさんの部屋は2階の一番奥にある

階段を上がり自分の部屋へ入った

鍵を閉め靴を脱ごうとしたときに外から階段を上がってくる足音がした

明らかにシューズの靴の音ではない

カンカン、と女性が履く踵の高い靴の音に似ていた

一瞬背筋に寒気が襲ってきた

隣の住人が帰ってきたんだろうと思ったそうである

気にせずに靴を脱ぎTVをつけてソファに横たわった

その足音がちょうどCおじさんの部屋の前で止まった

え!と思い玄関を見つめた

何も起こらない

隣なのかなと思いまたTVを見ていた

「パパ・・・今、背筋に寒気が走ったよ・・・Cおじさんの話、少し怖い・・・」

「楓・・・もうそろそろ寝たほうがいいよ・・・もう夜中だからね」

「うん・・・でも・・・なぜか眠くない・・・いつもだと眠気が来るのに・・・」

そう言いながらジュースを少し飲んで話を聞いていた

「楓ちゃん・・・おじさんの話、怖かった?」

「うん・・・私の家もいろいろなことが起きたから・・・」

「え?いろいろなこと?」

「あ・・いや・・・まぁ・・・いずれ詳しいことはお話しします」

「はぁ・・・」

その日は眠気に負けて寝てしまった

次の日、いつものようにアルバイトをし例の居酒屋で食事をして

家に帰った

しばらくTVを見ていたらまたあの靴音が聞こえてきた

そして・・・自分の家の玄関前で靴音が止まった

え・・・、またか・・・いったい誰だろう?

そう思って玄関へ行きのぞき窓を覗いた

覗き窓からは誰もいなかった

恐る恐るドアを開いた

でも誰もいなかった

おかしい・・・

足音は確かに玄関で止まった

でも誰もいない・・・・

どういうことだ?

ガチャ・・・

「え?・・・パパ、今、玄関のほうでなにか音しなかった?」

「なに?・・・音?・・・聞こえなかったけれど・・・」

「気のせいかな・・・」

気のせいだろうと思いつつ気にしないように眠ってしまった

次の日の夜

いつものごとく家に帰る途中で・・・

後ろから足音が聞こえてきた

気になったので後ろを振り向いた

誰もいない!!

足音だけが聞こえていた

カッカッ

「え・・・足音が聞こえたよ・・・廊下のほうから聞こえた・・・ばあちゃ?じいちゃ?

兄ちゃんかな・・・パパ、廊下のほうで何か聞こえたよ」

「アニキ・・・楓ちゃんの言うとり、私も聞こえた・・・この足音は・・・うちの家族特有の足音じゃないような気がする・・・パパの歩き方じゃない・・・ママでもない・・・巧君や仁君でもない・・・葵ちゃんでもない・・誰の足音?」

「え・・・ちょいまち・・・リビングにいないのはF子が言った通り・・・おやっさん、おふくろさん、巧君、仁君だよ・・・葵ちゃんもね・・・おいおい・・・」

「俺、廊下を見てみるわ」

「うん、そうして、アニキ」

私はそう言いながらリビングの入り口から廊下や玄関を見たが誰もいない

「廊下には誰もいないぞ、気のせいじゃないの?」

「いない・・・確かに聞こえたよ、ね、楓ちゃん」

「うん・・・聞こえた・・・靴音だったよ・・・」

「靴音って・・・素足の音じゃないの?」

「ううん・・・靴音だよ、パパ」

どういうことだ・・・

「ちょっと、俺、玄関を見てくるわ」

私は玄関まで行きドアノブを回した

鍵がかかっていた

誰も外から入れないはずだ

念のために中庭も見に行った

もちろんライトに照らされた中庭には誰もいなかった

2階へも見に行った

両方の部屋にはちゃんと子供たちとおふくろが寝ていた

おふくろたちの寝室も見に行った

オヤジがいびきをかいて寝ていた

自分たちの寝室や和室も見た

「誰もいないぞ・・・おかしいな・・・・」

「え・・・誰もいないって・・・」

「怖い話を聞いているから錯覚をしたんじゃない?」

「おっちーー、気のせいかも・・・」

「皆さん・・・大丈夫ですか・・・そんなに怖い話をしているつもりはないのですけれど・・もうここらへんで話を止めますか?」

「いや・・師匠!!師匠の体験談を聞きたいです」

「おっちーー、私も聞きたいんだぞ」

「そうですか・・・」

気にしながらも寝てしまった

次の日・・・昨日のこともありいつもの居酒屋で閉店までいさせてもらおうとマスターに頼んだ

マスターは快く承諾してくれた

ここのお店の閉店時間は午後10時

後片付けなどもあり夜の11時まではマスターとお店の子は後片付けに追われていた

11時過ぎにマスターと店の子が帰るということで私も帰路についた

もうこの時間帯だとあの変な足音は聞こえないだろうと安易に考えていた

お風呂に入り寝るまでTVを見ていた

ジャーージャーー

「ええ・・・パパ!!!お風呂場でシャワーの出てる音がしたよ」

「俺も聞こえた」

「俺もだ・・・」

「おっちーー、確かにお風呂場あたりから聞こえたんだぞ」

「私も聞こえました」と話をしていたCおじさんも聞こえたようだ

「オヤジかもしれんな・・・」

「おやっさんかぁ・・・ありえるな・・・寝室から直ぐだし・・・」

「俺・・・風呂場をのぞいてくるわ」

わたしは風呂場へ見に行った

シャワーの音は止んでいた

私は風呂場の電気をつけた

誰もいない

それよりもシャワーを使っていたならば下のほうに水たまりができるはず

それがなかった

おかしい・・・・

「おかしいな・・・風呂場には誰もいなかったぞ」

「うそぉ・・・」

「いなかった?・・・じゃああの音はなんだよ?」

「わからん・・・」

「パパ・・・楓・・・寒気がするよ・・・背筋がゾゾゾとしてる」

「大丈夫かい、楓・・・」

「パパ・・ソファのところで横になるね」

楓はジュースをもってソファで横になった

「パパ、ここでおじさんの話を聞くよ」

「おっちーー、ママ、楓ちゃんの横に座るね」

「うん、ママ」

TVを見ていてウトウトと眠気がきた

ドンドン!!

玄関のドアを叩く音がした

びっくりして起きたよ

こんな夜中に誰だろうと思った

ドンドン!!

またドアをたたく音がした

おいおい、夜中だぞ、誰だよ

玄関まで行きしばらく外の様子を伺った

人の気配がしない

ドンドン!!

またドアをたたく音がした

いい加減にしろよ!夜中だぞ、と言いながら玄関をあけた

誰もいなかった

うそだろ・・・

ドンドン!!!!

「ええーーー玄関からだよ、こんな夜中に・・・」

「おいおい・・・まさか・・・」

「まさか・・・・」

「聞こえたよ、アニキ・・・」

「確かに玄関からでしたね・・・この叩く音・・・話の中の叩く音とよく似てます・・・まさか・・・もうあれこれ30年も前の話ですよ・・・」

「え?同じたたく音ですか?・・・・」

「俺・・・見に行ってくるわ」

といいリビングから出ようとしたら

「わぁーー!!!」

一同びっくりしてリビングの入り口を見た

「おわぁーー!!」

なんとオヤジがいた

オヤジがリビングに入ってきた

一同びっくり

「おい!おまえらいい加減にしろよ!!今さっき、風呂場でシャワーを浴びながら大声で騒いだり玄関のドアをおもいっきし叩きやがってよ

うるさくて目が覚めたじゃねーかよ

F!てめぇーだろ!!」

「オヤジ、俺は知らんぞ、シャワーなんか使ってないよ」

「うそつけ!!じゃあ誰だよ?」

「じっちゃ・・・誰もお風呂場へ行ってないよ・・・

玄関も叩いてないし・・・」

「え・・・誰もってよ・・・じゃあ誰だよ・・・」

「おやっさん、わからんっす」

「・・・・どういうことだよ?」

ドンドン!!!!

「え・・おいおい・・・マジかよ」

「だろ・・・オヤジ・・・」

「あぁ・・・疑って悪かったぜ

こんな夜中に誰だよ、俺が文句言ってやる」

といいながらオヤジが玄関へ向かっていった

「おい!!誰だよ、こんな夜中によ!!」

と怒鳴りながら玄関のドアを開けた

誰もいない

「え・・・おい・・・誰もいないぞ・・・」

オヤジは拍子抜けに声を上げた

「おい、どういうこった・・・」

オヤジは玄関を閉めてリビングへ戻ってきた

「嘘ーー、誰もいなって・・」

「こりゃ・・・まずいんじゃねーー、霊が来たんじゃねーのかよ」

「おっちーー、ありえるんだぞ、パパ、お守りと塩とお守り、玄関のところに置いてきてよ」

「わかった、置いてくるわ」

「あのぉ・・・お守りとかお薬とか・・・何の話をしてるんですか?」

師匠に和尚様から頂いた薬とお守りを見せて少し説明をした

「そんなに効くんですか!!私も1セットいや家内にも2セットもらいたいです」

私は師匠に2セット分を渡した

わたしはお薬と塩とお守りを玄関のところに置いた

しばらく様子を見た

1時間ほど経過したが何も起きなかった

「何も起きないな・・・」

「うん・・・」

「本当にすいませんでした・・・まさか・・・話をしていてリアルに怪奇現象が起きるとは思いませんでした・・・今日はこれでお話はやめますね」

「ですね・・・もう寝ようよ」

ギィーー

ガチャン

「えええ・・・玄関を閉める音がしたよ・・・」

「聞こえた・・・マジ・・・俺はちゃんと鍵を閉めてきたぞ」

「マジ・・・寒気がする・・・」

「おっちーー、ゾゾゾと寒気がするんだぞ」

「私も・・・寒気がする・・・」

私とS君と師匠はリビングで寝ることにした

ほかのものは各自の部屋で寝た

リビングにいた全員・・・熱を出して寝込んだ・・・

Concrete
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