短編2
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上がってくる…

 去年のちょうど今ぐらいの時期の話です。

…本当の事なのか、夢なのか、自分でも未だにわかりません。

その日、仕事がやっと終わって自宅のアパートに帰宅したのは午後11時を回っていました。

私の住んでいるアパートはワンルームで、四畳位のロフトが付いています。

私はいつもロフトに上がって寝ています。風通しがよくて寝やすいので夏場にはかなり使えます。

疲れきった私はその日、帰宅するなりロフトに上がって眠りにつきました。

…夜中の3時位だったと思います。突然、背筋に今までに感じたことが無い悪寒が走り、一気に目が覚めました。

…と、瞬間的に部屋の中に違和感を感じました。

『…下に何かいる!』

それを感じ取った時、何故か

『自分の気配を殺さなくては…』

と思いました。

気配を殺してロフトからそっと下の様子を伺うと、何か黒い影(光の反射みたいにぼやけた)が下の部屋を徘徊しています。

動物?人??何かわからない、その突然の侵入者に例え様の無い恐怖を憶えました。

それは、部屋の中にあるテーブルを中心に弧を描くようにゆっくりと動き回っていました。

時間が経つにつれ、私は、その動き回るモノが物体ではないと気が付きます。

なぜなら、部屋の中には積み重なった本や、さっき私が帰宅したときに床に投げ出したままのカバン等が転がっていたのに、それらの上をそのモノが横切っても本やカバンが動く物音が一切聞こえなかったからです。

…と、突然そのモノが動きを止めます。私のいるロフトに上がるためのはしごの前で…

私はとっさにロフトの奥へ静かに身を退いてそのモノがここへ上がって来ないようにと祈りました…。

……気が付くと、携帯の目覚ましが鳴っていました。

時間は朝の6時。私は布団の中。

『ただの夢だった』、そう自分に言い聞かせました。

しかし、私は……

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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