短編2
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特殊清掃人

俺の仕事は特殊清掃、世間の一部では俺たちのことを死体処理班と呼んでいるらしいが、正確には、特殊清掃人と呼ばれている。要は、孤独死・自殺など想像を絶する現場の清掃を専門におこなう専門業者だ。

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特殊清掃とは、孤独死や自殺などが起こった現場の清掃および、死後から時間が経過し、遺体が腐敗した現場を現状回復することを専門にしていることをいう。

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このような場合、発見までの時間が遅くなりがちで、特に夏場は遺体の腐敗が著しく進行している。

また、腐敗臭も壮絶なものとなり、一般のなんでも屋ではとても対処できないレベルとなるのだ。

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そんな時は、俺たちの出番だ。清掃・消臭・消毒で現状回復し、清潔な状態によみがえらせる。

特殊清掃が必要な現場は、少々のクリーニングだけでは原状復帰させることは不可能だ。

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遺体の現場周辺で害虫が発生し、体液などからウイルスが蔓延することもあり、現場の清掃から、特殊な薬剤・機器を用いての消臭・消毒まですべて一貫して対応することが責務だからだ。

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今日の現場は、死後2週間たって発見された、身寄りがない78歳の老女が横たわっている。お金もなかったのだろう、布団脇のテーブルには様々な食品の空袋が散乱していた。

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腐敗臭はひどすぎて、本当に表現しにくい。また、ご遺体自体もかなり傷んでいる。こればかりはとても慣れることはできない、ノイローゼになって辞めていく社員も多い。

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辞める理由のもう一つは、必ずこのような現場には、アレがいるからだ。現実的には考えられないアレだ…、考えるのはもうやめよう。

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shake

現に俺の右手に必死にしがみついている、痩せこけた老女は、現実のものではないのだから…

Concrete
コメント怖い
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