中編3
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六月一日 朝六時一分

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額の左側辺りに暖かくて明るいものを感じて、目が覚める。

強烈な光のシャワーだ。

どうやら、寝室の窓からの西日のようだ。

強すぎて目が開けられないくらいだ。

思わず、隣に寝ている妻の明子の肩を揺する。

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「んー……。なに?どうしたの?」

眠そうに眼を擦りながら、明子が私の方を見る。

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俺は無言で、ベッド左手にある窓の方を指さした。

明子は眼をしょぼつかせ、そっちを見ながら、

「あら!」

と小さく声を出した。

「なんで、あんなところから光が……。

ああ、そうそう!そういえば、昨日、あの窓を拭いたとき、一か所カーテンレールからカーテンが外れたのよ。ごめんなさいね、今日中に直しくておくから」

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「ママ~!ママ~!」

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娘の理沙の声だ。

寝室の扉が無造作に開く。

セーラー服姿の理沙が立っている。

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「あらあら、理沙ちゃん、どうしたの?」

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「昨日の夜言ったじゃない。今朝は朝練あるから早いって」

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「あら、そうだったわね。すぐお弁当作るから、ちょっと待っててね」

そう言って、明子はベッドから降りると、寝室から出て行った。

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六月二日 朝六時一分

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額の左側辺りに暖かくて明るいものを感じて、目が覚める。

隣に寝ている妻の明子の肩を揺する。

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「んー……。なに?どうしたの?」

眠そうに眼を擦りながら、明子が私の方を見る。

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俺は無言で、ベッド左手にある窓の方を指さした。

明子は眼をしょぼつかせ、そっちを見ながら、

「あら!」

と小さく驚いた。

「なんで、あんなところから光が……

ああ、そうそう!そういえば、昨日、あの窓を拭いたとき、一か所カーテンレールからカーテンが外れたのよ。ごめんなさいね、今日中に直しくておくから」

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「え?昨日の朝もそう言ってなかったか?」

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「え?そうだったかな?私は今、初めて言われたけど……」

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「ママ~!ママ~!」

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娘の理沙だ。

寝室の扉が無造作に開く。

セーラー服姿の理沙が立っている。

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「あらあら、理沙ちゃん、どうしたの?」

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「昨日の夜言ったじゃない。今朝は朝練あるから早いって」

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「あら、そうだったわね。すぐお弁当作るから、ちょっと待っててね」

そう言って、明子はベッドから降りると、寝室から出て行った。

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六月三日 朝六時一分

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額の左側辺りに暖かくて明るいものを感じて、目が覚める。

俺は大きく一つため息をつき頭を掻きながら、隣に寝ている妻の明子の肩を揺する。

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「んー……。なに?どうしたの?」

眠そうに眼を擦りながら、明子が私の方を見る。

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俺は無言で、ベッド左手にある窓の方を指さした。

明子は眼をしょぼつかせながら、そっちを見ながら、

「あら!」

と小さく驚いた。

「なんで、あんなところから光が……」

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「昨日窓を拭いたとき、一か所カーテンレールからカーテンが外れて、今日中に直すんだろ」

俺は怒り口調で明子に言った。

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「え!あなた、何で知ってるの?」

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「直す、直す、って、これで三度目だぞ。いいかげんにしろよな」

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「え?三度目?私は今初めて聞くんだけど……」

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「おいおい、大丈夫か?昨日の朝も、一昨日の朝も、お前、同じこと言ってるぞ」

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「あなたこそ、何言ってんの?夢でも見てるんじゃない」

すると、

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「ママ~!ママ~!」

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まただ。

俺は寝室の扉の前に立っている理沙に向かって、

「今朝は朝練だから、早いんだろ!」

と、怒鳴った。

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とうとう俺はベッドから降りると、キョトンとする二人の間を通り、ドスドスと音をたてながら寝室から出て行った。

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