中編3
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落ち武者

少し、短いですが、

これが初めて心霊と思われる体験をした時の出来事です。

※大して怖くはないです。

僕が中学校3年生の頃の話です。

学生の夏休み、中学生ですから1ヶ月間の休みです。

その頃、ハマっていたのが夜中にかけてCDラジカセで

ラジオを聞くことでした。特に音楽を扱う某ホニャララLOCKを

聞いて楽しんでいました。

その日も僕はラジオを聞き、田舎のもので月の見える窓際のベッドに横になり

ゆっくりと過ごしていました。

いつの間にか眠りについてしまい、

気づいた時もラジオの音が流れていました。

まどろみながらも、ラジオの音を無意識に聞き入っていました。

それは何故か、そう、怖い話をしていたんです。

丁度その時に話していた噂話はこんな話でした。

「とある山にあるトンネルを通る。すると落ち武者が現れて斬りつけられる」

と言ったような良くある話です。

またベタな話だな

と、眠い目を擦りつつも

再び眠りにつきました。

気づくと、薄暗い昼間のトンネルに立っていました。

単なる夢、

私はすぐにそう思いました。

sound:18

でも何かがおかしいのです。

僕の夢はほとんどが客観視した夢が多いのですが、

この日は珍しく主観的な目線でトンネルの出入り口を見ているのです。

想像してもらえればありがたいのだけれど、

真夏、昼間のトンネル、外気とは違う寒気

遠くに見える出口の光と山の緑色

その出口には何故か、黒い点がぽつり

恐怖は殆どなかったのだけれど

ふと夢の中でラジオで聞いた落ち武者の話を思い出した。

思い出した〜と思うと同時ぐらいに

黒い点が少しずつ近づいてくる。

はて、私は一体何を見ているのか、

気づけばトンネルに「ガシャ、、、ガシャ、、、」という

音が響いている。

さらにラジオで聞いた話を思い返した。

(ちょっと待って、俺、切られるのでは????)

と、夢の私は冷静だった。

少しずつ近づいてくる「ガシャ、ガチャ、」という音

怖い!でもどうすることもできないのです。

主観的に見ている夢のせいか、僕は一歩たりとも移動できず、

ただ近く音と影を見続けることができませんでした。

始めはゆっくりとした音で近く音と点

途中、僕に気づいたのかスピードが上がっていくのです。

music:6

「ガチャ、、、ガチャ、、、ガチャ、、ガチャ、、ガチャ、ガチャ、ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ」

僕は恐怖でいっぱいです。

パニックです。でも夢なので動くことができませんし

とにかく、目線をそらすこともできません。

「やばいやばいやばいやばいやばいやばい」

もう脳内はこの言葉でいっぱいです。

そして目の前まで来たのは想像通り、甲冑を着た落ち武者(いや単なる武者?)でした。

僕の1メートル前方で刀を抜き大きく振り下ろし、僕は「あ、死んだ」と思った時に

目が覚めました。

真夏の夜のせいか、汗びっしょりになり「怖かったぁ…」と思わず口に出しました。

気づいたのは付けていたはずのラジオが止まっているのです。

「あれ?」と思ったその時突然体が動かなくなりました。

あぁ、これが噂に言う金縛りなんだと呑気に構えていたせいか

特に何を見るわけでもなく、眠りにつくことができました。

これが僕の初めて(?)の心霊体験です。

夢だろ?wwとか怖くないと思われる方もいらっしゃいますが、

自らこの状況になった時にあなたもそんなふうに思えますか?

短い話でしたが、お目汚し失礼いたしました。

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