短編2
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橋の上にて(弐)

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埼玉県の夏は気温が高くなる事で有名な某市の荒川の上に掛かってる橋の上で体験した出来事です。

この橋は十数年頃前に古い橋を壊して新しく建設し直した橋で、建設する際に橋のたもとに元々あった墓地を右と左に分断移動させて道を造り建設されたようで、その橋の近所の方々の中では幽霊が出るとの噂もあったりします。

私が30歳の頃の6月頃だったと思います。

うちに遊びに来ていた当時付き合っていた彼女を送って行くため夜の12時頃家を出て、片道40分ほどかかる彼女の家まで車で走ってこの橋を渡って送って行きました。

帰り道も同じ道を帰るので、夜中の1時過ぎ頃だったと思いますが、この橋を渡っていました。

橋の3分の1くらいのところに差し掛かった時だったと思いますが、どこからか

ヒュー↑......ヒュ↓

というような音程が変化している少しかすれた風の音のようなものが途切れ途切れで間をおいて聞こえます。

少し眠気でボーッとしていたので、自分で無意識に口笛でも吹いてたか?と思い、思わず息を吸い込んでしまいましたが、自分は口笛など吹いておらず、まだ音はやみません。

窓が少し開いてるかと思いスイッチを上げましたが窓はきちんと閉まっていました。

ラジオの音かな?と思いカーステのボリュームを上げるとCDの曲が聞こえます。

彼女を送った家の前で、少し話している時にカーステのボリュームを最小にして話して見送り、何となくそのまま帰路についたので、車の中がほぼ無音だったのにその時気が付きました。

カーステのボリュームを最小に戻し、

何の音!?としばらく聞き耳を立てていると、どうも後ろから聞こえてくるようなその音は、

ヒュ↑...ヒュ↓...ヒュ↓ヒュ↑...

ヒュ↓というような感じで何かの曲をゆっくりかすれ気味に思い出しながら吹いてる口笛のように聞こえます。

コレはちょっとヤバイと思いましたが、ルームミラーを見る勇気は無いので前を向いたまま、そ~っとルームミラーを上向きに向け、そのまま前を向いたまま運転して橋を渡りきったすぐのところにあるコンビニに車を入れて、端の方に迷惑駐車全開で停め、あわてて後ろは見ずに店内に入りました。

店内で1時間ほど立ち読みし、恐る恐る車に戻り、また帰路につきましたが、その時にはもう音はしませんが、恐いのでルームランプつけっぱなしで家まで帰りました。

また特にオチはありませんが、意味も分からず

ただただ怖かったです。

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