世の中には自分と同じ顔が三人はいる

長編13
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世の中には自分と同じ顔が三人はいる

久しぶりに友人と会った。

「3年ぶりかしら?美緒と一緒にご飯食べるのって。」

休日の前に、大学時代の友人からラインが入ったのだ。

「そうだね。有希の結婚式以来だよね。」

「うん。そうだね。」

「どう?新婚生活は。」

「やだ、もう3年よ?新婚だなんて。」

「何言ってんの。3年なんてまだまだ新婚さんじゃん。」

「3年も経つとさあ、付き合ってる時みたいなトキメキとか切ない気持ちなんてまったく無いもの。」

「それは仕方ないよ。子供は?」

「まだ。まあこればっかりは授かりものだからね。でも焦りはないよ。美緒は?そろそろいい人ができたんじゃないの?」

私は一瞬黙り込んでしまった。

私には恋人がいる。随分年上で、彼女も周知の人間だ。

「ううん、全然。」

嘘を吐いてしまった。

「ウッソだあ。美緒みたいな可愛い系の子はモテるでしょう?」

「子って・・・私、もういい年だよ?」

「あ、それって私に言ってる?」

「そんなこと言ってないよ。」

「だってそうじゃん。私達同い年だよ?そっかぁ~私のことオバサンだと思ってるんだね?」

「も~、有希ったら相変わらず上げ足取り~。」

そんなことを言い合いながらも私達は談笑していた。

彼女には言えない理由がある。それは、彼女に彼との関係が学生の頃から続いていることを内緒にしていたからだ。当時、教授だった彼と学生だった私の関係は不適切以外の何物でもない。彼も他に知れることを望んでいないだろうという暗黙の了解。私は大学を卒業し、とある研究所に就職し研究員として働いている。

有希と談笑しながらも、私は嘘をついた後ろめたさから、ストローでアイスコーヒーをすすりながら目を反らして何気なく人で溢れている街並みをウィンドウ越しに眺めた。その人混みの中に私は懐かしい面影を見つけた。

「お、おばあちゃん?」

突然私が口走ったことに驚いたことに驚いた有希が

「えっ?」

と反応したあと、冗談めかして

「ひどーい、美緒。おばあちゃんはないでしょ?」

とニヤニヤ笑った。

「ち、違う違う。今、人混みの中におばあちゃんが居たような気がして。」

そう言いながら大通りに面した歩道に目をやる。

「えっ?本当?このあたりに住んでいるの?おばあちゃん。」

それに対して、すぐに答えられなかった。

「あのね、おばあちゃん、もうこの世にいないの。」

「え?ってことは亡くなってるの?」

「うん。」

「見間違いじゃないの?おばあちゃんなんて、みんな似たようなものでしょう?」

随分と失礼な物言いだが、彼女に悪気はない。だが、私は覚えている。生前の凛とした姿、キチンと襟を正したシックな着物姿の祖母を。そして、彼女は私と瓜二つだと常々言われ続けてきたのだ。

「・・・そうかな。」

納得ができないながらも、その懐かしい後姿が小さくなるまで私は目で追い続けた。

そうだよね。おばあちゃんはもう2年も前に亡くなってるんだもの。あり得ない。他人の空似と言って、世の中には自分と似た人が3人はいるというのもあながち嘘ではないかもしれないと思った。

私はその日、有希とのランチを楽しみ、夜には彼とホテルでディナーを共にした。その夜に、彼と一夜を共にして週末を過ごし、また週明けには仕事に戻る。忙しい彼とは、週一のペースでしか会うことができなかった。私はそれでも満足していた。

だが、私には今、一つの疑念がある。

彼が浮気をしているのではないかという疑念だ。学生時代、付き合っている当初は、彼のマンションの部屋で過ごすというのが常であったが、いつの間にか、彼はホテルでしか会ってくれなくなった。

彼から、部屋の鍵を渡されることもなかった。

私以外の女と、暮らしているのではないか。

そんな妄想を勝手に抱くようになり、不安で仕方なくなった。私は何度となく彼に尋ねた。

「ねえ、何故ホテルでしか会ってくれなくなったの?」

それに対する彼の答えはいつも歯切れの悪いものだった。散らかっているからだとか、関係が周りに知れると君に迷惑をかけるかもしれないだとか。そんなものは、とっくの前から分かっていることだ。現に最初は教授と教え子という関係にも関わらず堂々と私を部屋に入れてくれていたではないか。

何かがおかしい。

私は彼がベッドで眠っているのを確認して、こっそり鍵を持ち出して、合鍵を作り彼のバッグにマスターキーを戻しておいた。

ある日の仕事帰り、私はいつもの駅から電車に乗って自宅に帰ろうと、ホームで電車を待っていた。突然私は何故か視線を感じて、その方向を直視すると、そこには信じられない人物が立っていた。

「えっ?」

私は衝撃に小さく呟いた。そこに立つのは、今の私とまったく同じ姿の私自身。そこに鏡は存在しない。あちらも私の存在に気付いたようで、驚いたようにこちらを見ているのがわかる。見つめ合っている間に、電車の到着を知らせるメロディーが流れ、私達は人混みの流れに逆らうことができずに、電車内に押し込められた。満員の電車の中では、真相を知ることはできなかった。

世の中には、自分に似た人が3人は居る。きっとその自分によく似た誰かなのだと言い聞かせようとした。だが、私の中でどうしても払しょくできない本能にも似た何かがそれを否定する。その本能を肯定するように私は、その日から頻繁に自分の姿を人混みに見るようになった。こんなにも人が溢れているというのに、まるでそこだけが異空間のようにそれは佇んでいるのだ。そして、人混みにかき消されてしまうのだ。

「ねえ、私に双子の姉妹とか、いないよね?」

母親に電話して唐突に私はその疑問をぶつけた。

「はぁ?何寝ぼけたこと言ってんの?いるわけないじゃない。」

そう一蹴された。

あの女は誰なのだろう。私にそっくりなあの女。

それに、おばあちゃんにそっくりなあの女性。その人にも頻繁に出会うようになった。

いったいどうなっているの?

私はある日、ついに自分そっくりな女性を捉えることができた。いきなり話しかけるのも不審に思われるので私は、彼女の後をつけた。それでも十分不審者ではあるが、私は彼女のことを知りたかった。

彼女は驚くことに、私のよく知る部屋へと帰って行った。

それは彼の部屋だった。私は予感が的中したことに怒りに震え、すぐにでも押しかけて真相を確かめたかったが、その日は自宅に帰った。彼は私そっくりな女と浮気をしている。

次の日、私は休暇を取り、目的の部屋の前に立った。

そして、以前、こっそりと作った合鍵を差し込んでドアを開けた。

そっと玄関から廊下を進むと、突然目の前のドアが開いた。

そこにはおばあちゃんが立っていた。

「なんでおばあちゃんがここに?」

私は自分の立場も忘れて、そう呟いていた。

彼女は不審者である私を目の前に驚きに目を見開いていた。

「どうしたの?」

奥の方から若い女性の声がした。

その女性も、私を確認すると見る見る驚きに目を見開いた。彼女も自分そっくりな私の存在に驚きと戸惑いを隠せないようだ。

「どちら様ですか?」

彼女はようやく口を開いた。私は慌てて

「黙ってお邪魔してすみません。私、御手洗教授の教え子だった田中美緒と申します。」

と取り繕った。それを聞いて、彼女は明らかに不快な顔をした。

「ふざけてるんですか?田中美緒は私ですけど?」

「えっ?」

私は、わけがわからず混乱した。違う、田中美緒は私よ。

「そちらこそ、ふざけてるんですか?私が田中美緒ですけど。」

一触即発の状態になった私達の隣で、おばあちゃんによく似た女性がオロオロして誰かに電話していた。

警察?一瞬そう思ったがどうやら違うようだ。その言葉の端に、ただしさんという言葉を聞いたからだ。

御手洗 忠、彼の名前だ。

「もうすぐ忠さんが帰ってきます。おかけになってお待ちになって。」

対峙していた私達は素直に彼女の言葉に従った。しばらくして、彼が慌てて帰宅した。

私はすぐに彼を責めた。

「どういうことなの?説明して!」

彼は困ったような顔で私を見て黙り込んだ。

「この女は誰なの?浮気してたなんて、許せない!」

それを聞いて、私にそっくりな美緒と名乗った女が私に何かを言おうとしたが、それを彼が遮った。

「この人は田中美緒さんだ。」

私はそれを聞いて激情した。

「あなたまでふざけてるの?いい加減にしてよ!」

彼が切なそうに息を吐くと答えた。

「そして、君も田中美緒だ。」

その言葉を聞いて、私そっくりの彼女も目を見開いた。

「な、何言ってんの?ちゃんと説明して。」

彼女の声が震える。

「田中美緒は、僕の最愛の人だった。」

彼は語り始めた。

田中美緒は、彼のかつての恋人だった。だが、彼女は不幸な事故で亡くなってしまったというのだ。失意の彼は、何とか恋人を生き返らせたかった。しかし、それは無理な話だった。だから彼は、彼女を造ることにしたのだ。確かに彼の研究の専攻は遺伝子関係だ。

「君たちは、彼女のクローンだ。」

私達はショックで口もきけない状態だった。

「僕は彼女の細胞から当時は倫理的には許されないクローン細胞の培養を試みた。それは成功した。だが、その細胞は思わぬ方向に向かった。君たちは、三つ子として誕生したのだ。」

「三つ子?ちょっと待って。おかしいじゃない。三つ子って。私と彼女しかいないじゃない。嘘を吐くのもたいがいにしてよ?」

私は彼に食ってかかった。

「一人だけ、その遺伝子に異常が見つかったんだ。」

彼は、傍らで俯いている老女に目を向けた。

「ま、まさか・・・。」

「そうだ。彼女も田中美緒だ。」

彼がそう言うと、もう一人の美緒も驚きに目を見開き、老女は顔を手で覆うとすすり泣きを始めた。

「うそ、ずっと私のおばあちゃんだと思ってたのに。」

「彼女だけ、成長の速度が異常に早くて。彼女はこう見えても、君たちと同じ年だ。」

私は怒りがふつふつとこみあげて来た。

「あなたがそんな人だとは思わなかったわ。そんなデタラメを信じるとでも思った?」

「デタラメじゃない。いつかこんな日が来るんじゃないかと僕は思っていた。」

そう言いながらも、机の引き出しからとあるファイルを差し出して来た。

「聡明な君なら、これが何かわかるはずだ。」

そのファイルに綴じられた物は、DNA鑑定の結果だった。その三人のDNAは全て一致していた。

「こ、こんなの、ねつ造よ。」

そう言いながらも私は手が震えていた。

「僕は君たちの親に、彼女の親と親族関係を結んでもらって改名してもらった。僕にとっては名前も大事なんだ。君たちは田中美緒でなければならないんだ。

君たちの親にはずっと養育費を渡して大切に育ててもらった。その甲斐あって、君たちは完璧な田中美緒となった。だが、一人だけ田中美緒は重い障害を抱えてしまった。

これは僕の責任だ。彼女にだけは真実を伝えて、彼女は田中家の祖母として迎えてもらうことにした。」

私と、もう一人の美緒は怒りに震えた。

「あなたは、狂っている。」

私は今までに無い怒りに声が震えた。

「そう、僕は狂っている。狂おしいほどに美緒を愛していた。」

「これは人として許されない行為だわ。」

もう一人の美緒も彼を責めた。

老女はもう一人の美緒に縋りついた。

「もう彼を責めるのはやめてちょうだい。私は、美緒のおばあちゃんであなたの傍に居るだけでも幸せだったの。」

もう一人の美緒は彼女を抱きしめると嗚咽を漏らし始めた。

「なんておぞましいの?あなたって。私と関係を持ちながらも、もう一人の美緒とも?」

彼は何も言わなかった。

私は部屋を飛び出した。

もう二度と会うこともないだろう。考えれば考えるほどおぞましかった。自分のエゴのために、私達をこの世に生み出し、そして頃合いを見て自分で造ったクローンと関係を持つ。自宅に戻って鏡を見た。吐き気を催して、洗面所に胃の中のものを全て吐き出してしまった。

さようなら、田中美緒。

私は自分と決別する決意をした。

美容整形をして、別人になった。

私を騙し続けた家族とも縁を切り、私は転職し、引っ越しもした。

二年後、私は転職先で知り合った男性と結婚した。夫は自分と年のころも同じ男性。

その生活は幸せそのものだった。

だが、その幸せな生活にも影が差して来た。

夫とは寝室が一緒だったが、たまに夫はこっそり夜抜け出すことがあった。私は寝たふりをして、抜け出した夫がどこへ行くのか見とどける。

どうやら、わざわざ外に出て、スマホで誰かに電話をしているようだ。

私はほど近い窓辺で彼の通話の声に耳を傾ける。

「ええ、大丈夫です。彼女にはバレていません。彼女は俺が幸せにしますから。」

どうやら相手は女ではないようだ。彼の口調から相手が自分より目上、もしくは年上のように見受けられる。いったい誰に電話をしているんだろう。

怪訝に思い、そのことを彼に指摘するも彼は仕事の電話だとか、君を起こさないように外で電話をしただの誤魔化してあやふやな回答をするばかりだった。

しばらくして、私は妊娠した。

妊娠した体での人混みは最悪だった。安定期にもなると、何をするにも出っ張ったお腹が邪魔をしてしまい、特に定期的に訪れなければならない妊婦検診には辟易した。妊婦ということもあって、電車ではたいてい席を譲ってもらえた。そして、今日も検診のため、病院へ行くためホームの人込みに紛れて、ようやく電車に乗ることができた。

「どうぞ」

男性から声をかけられた。

「あなた?」

そこには夫が立っていた。だが、そう声をかけられた男性はキョトンとしていた。

「ご、ごめんなさい。人違いでした。」

そう言われた男性は、いいんですよとニコニコしながらつり革を握った。

それにしても、夫と瓜二つだ。世の中、こんなにそっくりな人間がいるのだろうか。

私をデジャブのような嫌なザラザラとした感覚が襲う。

心配ない。世の中には、似た顔が3人はいると言うじゃないか。

私は無事、男の子を出産した。

元々、子供はそんなに好きな方じゃなかったが、自分の子供がこれほどにも可愛いとは思わなかった。私の生活は満ち足りていた。この子のためなら何でもできる。

子供も独り歩きができるようになると、ますます可愛い。過去の自分の友人に見て欲しいとも思ったが、整形してしまった私に誰も気付かないだろう。もうあのおぞましい過去に戻るのは嫌だ。

子供を公園で遊ばせていると、遠くから親子が公園に近付いてきた。

「えっ?」

私は自分の目を疑った。

その女性は私にそっくりだったからだ。嘘でしょう?整形したのに。

それからも頻繁に自分にそっくりな女性を見かけるようになった。恐怖しかない。

いったい何なの?

そして、その人を人混みに見つけた時には、心臓が凍り付きそうになった。その人も、こちらに気付くと微笑みをたたえた。

「久しぶり。元気だった?美緒。」

御手洗教授だった。私は悲鳴を上げた。その悲鳴に驚いて周りの人々が振り返る。

「何で!なんでわかるのよ!」

整形したのに!

「ごめんね。君に会いたくて、我慢できなくなった。君が結婚したことは知っている。」

何故知っている。

夫の不審な行動。何となく全て繋がった気がした。ああ、私はこの人から逃れることはできないのだろうか。

「私は田中美緒ではありません。」

息子の手をしっかりと握りしめて彼の前に立ちはだかる。

私は、あなたの物ではない。私の人生は私の物なのよ。彼は悲しそうな顔をした。

「もう二度と、私の前に現れないで。」

そう言い放つと私は、息子の手を引いて人混みへと消えた。もう絶対に振り返らない。

帰って夫を問い詰めると、夫はことの次第を告白した。

「最初から御手洗に言われて、私に近付いたの?」

「違う!最初は本当に君に好意を持って近づいたんだ。だけど、御手洗教授から連絡があって、実は君と御手洗教授が付き合ってたことを知らされた。最初は嫉妬したけど、教授は彼女を幸せにしてやってほしい。君にはそのために必要なポストを用意すると言われて。」

大学の准教授に彼が推してくれると約束したと言うのだ。

彼の力でなんて、幸せになんてなりたくない。私は夫と離婚した。

しばらくして、御手洗教授から手紙が届いた。

どこまでもしつこい男なのだろう。私は怒りに任せて、その手紙を破り捨てようとした。

だが、私は知りたかった。何故、彼がここまで私に固執するのかを。

「拝啓、田中美緒様。この手紙が届く頃には、僕は遠くに旅立っていることと思います。君にもう二度と私の前に現れないでと言われた時には、僕は絶望の底に叩き落された気分でした。

だけど、僕が君に与えた苦痛、恐怖、悲しみを思えばそれは仕方のないことかもしれません。僕はかつての恋人である、田中美緒を愛するがために狂った選択をしてしまいました。

最初は、過去の恋人を蘇らせたいためだったのだけど、君に会えば会うほど、君自身に惹かれて行きました。

もう僕の中で、君は田中美緒ではなく、僕にとってかけがえのない愛する存在になっていました。僕は君以外のことを考えられなくなってしまいました。

だから、君には幸せになって欲しくて、君の夫に近付いて彼女を絶対に幸せにしてくれとお願いしました。

だけど、僕は弱い人間です。つい君を忘れられなくて、君には内緒にしていた他のクローンの子に整形してもらい、君の代わりにしようと思いましたが、やはりそれは君ではありません。

だけど、僕は目が覚めました。君に嫌われてしまった以上、僕にもう生きる価値はないのです。」

やはり彼は狂っている。

私はその手紙を、シンクの上で燃やした。

その後、彼が自殺したことを知らされた。自宅で焼身自殺したとのことで、現場で二人の女性の遺体も見つかり、それなりに世間を騒がせた。私はその二人の女性を知っている。

天涯孤独だった彼の唯一のかつての恋人である私に、警察官が事情聴取に訪れた。きっと彼の遺品から私に行き着いたのだろう。そして、私は、ある一枚の写真を見せられて驚愕した。

そこには私の夫であった男の写真があった。

いや、正確には、私の夫とそっくりな男の写真だ。

それは、御手洗教授の若かりし頃の写真であった。

ということは、夫は・・・。

息子と二人暮らしのアパートのチャイムが鳴らされて私は玄関に向かった。

小さなのぞき窓をのぞく。

そこには夫が立っていた。

「なあ、美緒。いるんだろう?やり直したいんだ。開けてくれ。」

私は耳を塞ぎ、悲鳴を押し殺した。

Concrete
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