中編3
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顔なし

これは、私が4歳の時に実家で体験した事です。

当時、私の実家は両親、母方の祖父祖母と5人暮らしで、田舎ですが家は広く日本家屋の造りで

門を入ると庭を抜け、玄関の入り口になります。

玄関を入ると踊り場があり大きな引き戸式の靴専用の家具を横切り3段程の段を上がると、

お客さん用の大広間サロンになり、その横に長い廊下が

続いており廊下を進むと両脇にダイニングルームや

キッチン、祖父祖母の部屋、客間、また進み曲がるとお手洗いが3つ並び、その奥に行くと大部屋があり、小さい廊下を通りお風呂、大部屋の横の階段を上がると二階になり父や母と私の住居といった具合でした。

幼かった私は

この玄関側のサロンに続く長い廊下が怖くて、よくダイニングルームからドア越しに顔を出して廊下を除いていました。

何もいない事を確認したかったんだと思います。

ある日の夕方、いつものようにダイニングルームから顔を出してサロンへ続く廊下を眺めていると、

掃除婦のよしこさんがサロンを拭き掃除している背中が見えました。

よしこさんは50代半ばで、うちに掃除婦として働きに来ているひとです。

なのでいつも光景なのですが、何か違和感を感じます。

よしこさんの後ろに向かって3メートルくらいの場所に人が立っているのです。

一瞬、玄関からすぐのサロンですし、来客かな?

と思ったのですが

なぜか背筋がゾクゾクして、鳥肌が立ちます。

警戒しながらも、怖がりの私は低い体勢を取ってよくみてみようと考え、廊下に伏せるような体勢で見てみました。

藤色の着物に銀色の帯を着ており、髪型はおかっぱで20代くらいの女性のようです。

顔は見えません。

子供ながらすごい綺麗な着物だなぁと思っていましたが

髪の毛がおかしいのです。

何というか、和紙?のようなのです。

え?

まるで紙で作られたその物のような、奇妙な髪の毛。

その女性を上から下へ眺めると、何と足がありません!

着物の裾から床まで30センチ程ぷかぷか浮いているのです。

これって幽霊!?

もうパニックで、どうしていいか分からずに

ブルブル震えていると、

なんとその女性が少しずつ私のいるこちら側に、ゆっくりゆっくり顔を向け始めたのです。

もう怖いし

驚いて逃げたいのに体が動きません。

恐怖に怯えながら目はそむける事も出来ないので

女性の方を見たままでいると、顔がだんだんはっきり見えて来ました。

完全にその顔が見えたとき、その顔は髪と同様、和紙で出来ており、のっぺらぼうでした。

もう心臓はバクバクしていましたし、パニックなのですが

何故かよしこさんに教えないといけない!と感じたのです。

声を出して叫ぼうにも、なかなか声がでません!

渾身の力で出した声が

ううう”ばぅがぁぎゃーっ

バカ!と叫びたかったのですが

断末魔のような雄叫びになってしまいました。

これが良かったのか、のっぺらぼう幽霊は

玄関の方へ向き、すぅーっと淡く消えて行きました。

幽霊が消えるのを見た直後に意識がなくなり、気がつくとソファに寝かされており、心配したよしこさんに起こされました。

急に大きな変な声だしてどうしたの?

そう聞かれましたが

言っても信じてもらえない、そう思い

へんな虫がいたとごまかしました。

足が無い!これ幽霊なんだ!

初めてそんなものを見た事に

電気のような衝撃がしばらく尾を引いていました。

でも何よりよしこさんが無事で何だかほっとしたのを覚えています。

それ以降は、それを見ることは無かったのですが

それから時々、怪異に遭遇する事になろうとは。

それまで気のせいにしてきた事が、自分の中で肯定されたようで変な気持ちでしたが、

また不思議体験した事をここへ投稿してみようと思います。

文章にて表現するのは難しいですね。

うまく伝わらなかったら申し訳ありません。

もう少し勉強してきます。

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