短編1
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人玉

子供の頃、近所の人が精神を病んで入院した。

数ヵ月後、習い事の帰り。

満月が低い位置にあって真っ赤に光っていた夜だった。

いつも前を通るその家が見えてきた。

でも何かがおかしい。

あ、家の上にも赤い満月がある。

と思っていたら、

クルクル螺旋状に回りながら上に登っていった。

火花のような尾を引いて彗星のようだった。

そのとき、なぜか私の頭の中におかあさ○といっしょのエンディングだった「夢のなか」という曲が流れてきた。

私は半狂乱になって走り、家に帰った。

後で聞いた話だと、その時間に入院した家の人が病院で亡くなったらしい。

狂い死にだったという。

Concrete
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