短編2
  • 表示切替
  • 使い方

ホテルの部屋で…

これは、私のお母さんが実際に体験したお話です

ある日、仕事で夜遅くなってしまい、家に帰るのが面倒だったそうで、

しょっちゅう泊まっていたホテルにいつものように行きました。

フロントで受け付けをしたものの、

『お客様、申し訳ありません。本日は満室になっておりまして…。』

とフロントの人が言った後に、後ろの方でひそひそと話しています。

“あのへ………でも…”

その時、受け付けの人が戻ってきて、

『お客様、1つ空いているお部屋があるんですが…』

と言われた矢先

『そこでいいです!』

今にも休みたかったお母さんは、即答してしまった。

部屋の鍵をわたされ、部屋に向かった。

そのとき、

『気をつけてください。』

と言われ不思議には思ったものの、

フロントをあとにしました。

エレベーターで上がり

扉が開くと長い廊下があった。

泊まる部屋は、一番奥の右側の部屋。

部屋に近づくにつれ、

なにかおかしな事に気がついた。

『…なんで私の部屋の前にストレッチャーがあるの?』

気になりながらも部屋に入り、化粧を落としてベッドに潜り込んだ。

しばらくすると

右隣の部屋から、

男のうめき声が聞こえてくる。

『うっ…ぅ……け…』

疲れて…るんだな。

と思い横になっていると、

掛け布団の上の薄い

シーツが、

ふわっと

めくれたそうです

真冬だったため窓なんか

開けないので風が入るわけがない。

やっぱりおかしいと

よく考えてみました。

“さっきの声だって右隣から聞こえたって、

一番はじだし……隣の部屋なんかないじゃない…。”

それから急に怖くなり

起きあがろうとした瞬間

右腕を誰にわしづかみされました。

ものすごい力で…

『止めて――!!』

そう叫びました。

すると力がすぅっと

抜けていったそうです

そして、携帯を持ち、どこかに連絡をした瞬間

携帯が、

バンッ!!!!!

と吹っ飛んだと言います。

そのあとの事は覚えとない。

気がついたら朝になっていたそうです。

…気をつけて下さい…

…部屋の前のストレッチャー…

…右隣のうめき声…

あなたがこれから泊まるホテルかもしれませんね。

フロントの人の話しをちゃんと聞いた方がいいかもしれません。

『気をつけてください』

無事宿泊できる事を

祈っています……。

ふふふ

怖い話投稿:ホラーテラー ふふふさん  

Concrete
コメント怖い
00
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ