ろっこめ版『よくわかる古事記』⑰

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ろっこめ版『よくわかる古事記』⑰

『応神天皇』

~御飾り天皇の特撰和歌集~

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前回、大勝利に終わったクーデター鎮圧でしたが、戦の殺生は縁起が悪いので、

禊(みそぎ=けがれ落とし)をするためにホムダワケは大和を離れます。

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ホムダワケ一行は禊会場を探すべく、近江から若狭を通り、越前へたどり着きました。

若狭も越前も共に福井県のあたりです。

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そこに仮の宮を建てて、ホムダワケを泊まらせた夜、

お付きの夢にご当地の神様が現れます。

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ご当地神様「ワシはイザサワケツノオオカミっちゅうんだけっども、

おたく様の御子様の名前とワシの名前を交換してもらわんねろっかね?」

お付き「よろしいでしょう!たぶん」

ご当地神様「んだば、御礼の品さ、あげっかんね♪」

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その翌朝、近くの海岸にグリーンピースが怒り狂うほど大量のイルカが岸に打ち上げられていました。

でも、これは漁ではないからセーフです。

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当時、イルカは超高級食材で、今で例えたら松阪牛や神戸ビーフみたいな感じです。

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これに喜んだホムダワケは、

「サンキューな!これからは御食津大神(みけつのおおかみ)って呼んでやっぞ♪」

と、全く別の名前をあげてしまいました。

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誰か交換の意味を教えて差し上げてください。

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そんな『みけっつぁん』も現在は『気比大神(けひのおおかみ)』と呼ばれています。

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また、大量に打ち上げられたイルカの血の臭いがエグかったので、その地を『血浦(ちうら)』と呼びましたが、

それが現地のネイティブ方言で『角鹿(つぬが)』に変わり、

今の『敦賀(つるが)』になったそうです。

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万事滞りなく禊って帰ってきたホムダワケを、母親の神功皇后が待ち構えてパーティーを開きます。

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神功皇后「よく帰りましたわね!ホム太郎!!」

ホムダワケ「オラ、そんなナメェだったか?」

神功皇后「細けぇことは言いっこナッシングですわ!

さぁ、ホム太郎!この御酒をグイッとやっちゃいなさい!」

建内「お嬢さま、それはまだ早いかと」

神功皇后「何を言うのですセバスチャン!

この御酒は常世の国におわすスクナビコナ様が、石の上でテンあげパーリナイして醸したありがたい御酒

ってことにしてございましてよ?」

建内「世間ではそれを、ねつ造と言うんですよ?」

ホムダワケ「なんだ?密造酒なんか?」

神功皇后「四の五のおっしゃってねぇで、駆けつけ三杯!

ですわ!」

ホムダワケ「んじゃ、いっちょ飲んでみっか!」

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この時、建内宿禰が酔いつぶれたホムダワケの代わりに詠んだ歌があります。

「この御酒を醸した人が、鼓を臼みたいに立てて、歌って踊って作ったせいか、この御酒を飲むと、なんだか愉快な気持ちになります」

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的な内容だったので、何かヤバげなモノが入ってたのかもしれません。

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そして、ホムダワケは第十五代天皇に即位します。

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しかし、母が政治を実質支配していたので、仕事と言っても基本的にはフリーダムでした。

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そのせいもあって、応神天皇は細かいことは気にしない豪快な性格に仕上がりました。

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そして、御子を二十六人もこしらえ、ビッグダディもうらやむ大所帯を作ります。

しかし、ヤマトタケルの父の景行天皇は御子が八十人いたので、二十六人なんて物の数ではありません。

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応神天皇は嫁さんが不定期に贈られてくる

『オートハーレムシステム』を採用していましたが、一人だけ自分で選んだ妻がいました。

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ある日の公務の一環で立ち寄った宇治野(京都府あたり)で、応神天皇は一発歌を詠みました。

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「葉っぱモッサリ葛野(かずの)を見れば、家がいっぺぇ建ってんな!

こんなスッゲェ国見たオラは、なんだかワクワクしてくっぞ!」

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みたいな歌です。

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ダイナミックな歌を詠んだ後、その近くの木幡(こはた)に着いた時に、麗しい乙女に出会います。

決して、業火に包まれた山の主の娘ではありません。

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応神天皇「オメェ、いい女だなぁ!父ちゃんは誰だ?」

乙女「え?いきなり誰?!

人を呼びますよ?!」

応神天皇「いいから、父ちゃんが誰なんだか教えてくれよ?ぶっ〇すぞ?」

乙女「……ワニノフヒレノオオミ(以下、ワニオ)です………

私はその娘のミヤヌシワカエヒメ(以下、ワカエヒメ)と申します」

応神天皇「ヨシッ!ワニの子のミヤ子だな!

オラ、明日オメェんち行くからよ」

ワカエヒメ「イヤです!来ないでくださいお願いします!!」

応神天皇「明日、ゼッテェ待っててくれよな!」

ワカエヒメ(どうしよう…この人こわい……人の話を微塵も聞いてないよ……

一体どうなってんの……この人のアイデンティティーは……)

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自らを名乗らずに去っていった応神天皇を不審者認定したワカエヒメは、すぐに父親に報告します。

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何処の馬の骨だかわからない男に捕まって身元を明かしてしまった上に、

明日、家に来るなんて言われたら当然です。

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ワニオが娘から不審者の特徴を聞くと、

「それ、天皇じゃね?」

と、名推理を働かせました。

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予告通り、ワカエヒメの家にリア凸(リアル突撃のこと)をかました応神天皇を、ワニオは熱烈に歓迎しました。

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ワニオ「ささ!社長!!まぁ、一献!!」

応神天皇「なんだ?ワリィなぁ……すっかりごちそうになっちまってよ」

ワニオ「何をおっしゃいますか!このスケコマシ!!

ワカちゃんも何してんの!ボーッとしてないで社長に一杯お注ぎなさい!!」

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千載一遇のチャンスで我を忘れている父に言われるまま、ワカエヒメが対面で酒を注いでやると、

応神天皇は御膳に乗っているカニの塩辛を見てからワカエヒメに自慢の歌のプレゼントをします。

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「このカニは、いってぇ何処のカニだ?

この角鹿のカニっちゅうんは、スッゲェ活きがいいから、横歩きで何処までも行っちまいそうだな!

オラが坂道をまっすぐ歩いてたら、木幡んトコにとんでもねぇマビぃ女がいやがった!

後ろ姿は盾みてぇだし、

歯並びなんか木の実を並べたみてぇでよ

そう言やぁ、ワニ坂っちゅうトコの土は上んトコは赤ぇけんど、下の方は黒ぇから、

ちょうど真ん中んトコのいいあんべぇの土を

とろ火でゆっくり焼いてこせぇたマユ墨で

マユ毛を描ぇたようなイイ女に会いてぇと夢にまで見てたんだけんど、

今、ソイツがオラの目の前ぇにいるんだもんよぉ

んじゃ、結婚すっか?」

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的な感じです。(長い……)

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カニの話から急にキモチ悪い内容に変わるというトリッキーなこの歌でのプロポーズに、

ワカエヒメは

(この人はヤバい人だ……

断ったら何をされるかわからない……)

とでも思ったのか、素直にプロポーズを受けました。

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そのワカエヒメとの間に生まれた子が、ウジノワキイラツコ(以下、ウジノワキ)です。

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宇治野脇の木幡で出会った女が産んだ子だからという安直なネーミングセンスについては、

わたしからは特に何も言うことはありません。

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とにかく、そんな馴れ初めらしいです。

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また、日向国(ひゅうがのくに=今の宮崎県あたり)にいた美人さん(カミナガヒメ)が応神天皇の所に行こうとしていた道中、

応神天皇の息子の一人のオオサザキに見つかります。

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このオオサザキは、性格はいいものの、無類の女好きでした。

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カミナガヒメを一目で気に入ったオオサザキは、応神天皇に

「あの娘ちょうだい?」

とお願いすると、

応神天皇「なんだ?オメェが気に入っちまったんか?

別にいいぞ?」

と快諾し、またもや歌のプレゼントです。

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「さぁ、いっちょ野に出ろよ!

オラが行く道によ

膨らみかけた橘(たちばな)の実みてぇに

ほんのり赤くなった女を

誘って行きゃあいいじゃねぇか」

と、もう一つ。

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「息子がオラの女にホレてたなんて

ちっとも気づかなかったゾ?

オラとしたことが……

そんな気も探れねぇなんてよ!

何ちゅう情けねぇ話だ」

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一つめはともかく、二つめはただの愚痴です。

その息子のオオサザキも感謝の歌を返します。

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「聞きしに勝る美女と結婚できるなんて幸せだ」

「遠路はるばる来た美女は、

断ることなくボクと結婚してくれた。

なんてラブリーチャーミーな人なんだ!」

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親子共々ちょっとアレな気はしますが、よしとしましょう。

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百歳まで生きた神功皇后が崩御すると、政治のことなんかサッパリわからない応神天皇は、早めに跡継ぎを決めます。

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その候補に挙がったのは、

脳筋ゴリラのオオヤマモリ、

下半身の戦闘力が53万の優男オオサザキ、

そして、虚弱体質のベイビーフェイスことウジノワキです。

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ゴリラとスケコマシは実の兄弟で、スケコマシとウジノワキは仲良しという間柄でした。

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応神天皇は遺言で

「オオヤマモリは山と海、

オオサザキは食国の政(じきこくのまつりごと=要するに国の実権)、

ウジノワキには皇位をそれぞれ任すからな!

オメェたち、気合い入れてけよ!?」

と、遺してこの世を去ります。

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そして、この遺言が後に悲劇を生むのですが……。

なんとなんと!

この先は下巻(しもつまき)になるんです……。

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以上、古事記の中巻(なかつまき)の解説は終了です!!

続く?

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