短編2
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魔人

 魔法のランプを見つけた。

 間違いない。重さ、大きさ、そして細部の彫刻にいたるまで、十六世紀に書かれた本の説明と一致している。

 アラビアで見つけた、この魔法のランプを、俺は日本に持ち帰った。そして、ランプを擦って魔人を呼び出した。

 その擦り方は独特で、右掌を軽く内側に曲げ、そこに親指を添えて輪っかを作り、その輪っかの中にランプの注ぎ口を通して、しこしこと前後に動かすのである。

 伝承の通り、青い肌をした巨漢が現れた。

「私を呼んだのは、お前か。何が望みだ?」

「日本の一万円札を百万枚お願いします。勿論、番号は全部違えて下さい」

 俺は言った。

「叶えよう。ただし、出そうで出ないの責苦を、三十日間、耐えてもらうぞ」

「出そうで出ないの責苦? それは一体、何でしょう……?」

「質問は受け付けん。責苦に耐えられなくなったときには、もう一度、私を呼ぶことだ。すぐに解いてやる。その代わり、望みを叶えることは出来んぞ」

 そう言って魔人は消えた。

 出そうで出ないの責苦とは、一体、何だろう……? 魔人は悪魔のような性悪ではない。どちらかといえば善人なのだ。耐えられなくなったときには解いてくれるそうだし、きっと大丈夫だ。

 あ。くしゃみが出そうだ。と、思ったが出ない。

 ひょっとして、これが出そうで出ないの責苦なのか?

 小便がしたくなってトイレに入った。──出ない。

 出そうで出ないの責苦の正体が分かったような気がする。

 責苦に耐えられなくなったのは、魔人を呼び出した四日後だった。

 もう膀胱が破裂しそうだ。大の方も大変なことになっている。

 このままでは死んでしまう。金は、あきらめよう。

 が、

 ランプを擦っても、魔人が出そうで出ない……。

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幼児のころからの体質的な持病でダウンしています。
今日は大丈夫かなと思いながら、もう無理と判断しました。
来年には元気になると思います。
済みません。

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魔人、、、、怖すぎるーーー

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