中編3
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絆と想い。

これは同居していた祖母が亡くなり、家族3人から母と私の2人生活が慣れてきた時に、私が体験した不思議でとても怖かった事です。

私の住んでいる家は築60年程の木造建築の二階建ての家に住んでいました。

二階に私の部屋があり、庭にお客様が入って来ると古い建物のせいか、足音で解ってしまうような作りの家でした。

祖母が亡くなり49日法要も滞りなく終わって少し経った日の出来事でした。

いつもの休日のように部屋で読書をしていると、玄関近くで足音を聴きつけた私は次にチャイムが鳴るなーと思い、本を閉じ一階の玄関に足を向けました。

階段を降りている途中に、ピンポーンっとチャイムの音が聴こえた私は、返事をしながら玄関に向かいました。

玄関に着くと家の引き戸のガラスには人影も無く、人の気配も感じられませんでした。

不思議に思いながら引き戸を開け、サンダルを足にひっかけ庭に出てみた所、誰も居らずまた配達の人がピンポンダッシュでもして、不在票をポストに入れたのかと思いポストを見ても空、首を捻りながらも読書に戻るために自室の二階へ戻ろうと階段を昇っている途中、またピンポーンとチャイムの音が聴こえた私は気持ち急ぎながら玄関に向かいました。

同じ用に玄関の引き戸は人影を映してはおらず、少々イラついていた私は急いで庭に出ました、すると右手の方に2人立っていました、2人とも私の良く知る亡くなった祖父と祖母でした。

私は声が出ませんでした、祖父は20年近く前に亡くなっておりそこにいるはずの無い人で、同様に祖母はつい少し前に49日法要・納骨も済ませたばかり、2人ともいるはずの無い人・・・。

不思議と恐怖はありませんでした。

2人とも、白い装束を纏っており同じように黒いサングラスのような物をかけていました。

白装束とサングラスだけは今でも凄く印象に残っています。

声も出せず、ただ2人を凝視していた私に祖父がポツリと

「満末はいるか?」

と母の事を尋ねて来ました。

懐かしい声で聴かれたは私は。

「死んだよ」

と思ってもいなかった事を勝手に答えておりました。

答えた直後、私は部屋で目を覚ましました。

夢だったんだ、良かったと思い例え夢だとしても、母が死んだなんて言ってしまった私は罪悪感を胸に貯めて、その日は会社に向かいました。

一階で寝起きしている母に行ってきますと声をかけて。

3日程夢の事を、悶々と抱え込んでいた私は職場の大先輩に相談してみました。

先日見た夢の内容を伝えた所

「そういった夢は話を広めない方がいい、夢に引っ張られるぞ。」

とアドバイスを頂き、姉弟にも本人や叔母にも話をせずに日々を過すように努めました。

夢をみて4月程経過した事、ここ2日程母が体調が悪そうにしていたので。

「病院に行きなよと、自分で行くのが辛いなら連れて行くよ。」

母は。

「寝てれば治るから、お腹の調子が悪いからピルクル買ってきて欲しいな。」

「解ったよ、買ってくるね。」

その日は母が欲しがった物を買ってきて渡しました。

休日が明けて、朝出社する為に部屋から出て母の様子を見に部屋を覗くと母は自室の布団にはおりませんでした。

あれ?トイレかなと思い、昨日の具合の悪そうな様子も気になったので様子を見に行くと、そこには母が倒れておりました。

揺さぶってみても反応がなく、手足には硬直が出始めており。

すぐに救急車を呼ぶも、指示通りに心肺蘇生もやりながらも、頭の片隅でもう助からないと理解しておりました。

救急隊員と警察官に、空いてる部屋と布団は無いかと聴かれ居間の部屋を使って下さいと答え、母を別室へ担架で連れて行ってくれました。

その間出来た事は、姉と叔母に電話を入れた事、後はひたすら庭の片隅で胃に何もないのに吐き続けていた事を記憶しています。

後日談として、母の葬儀も終わり会社にも出勤するようになって、一番戸惑ったのは社用車についているカーナビが必ず現在地から近くの香取神社に現在地のカーソルが動いて止まる、といった奇妙な事が暫く続いた事でした。

どの社用車でも起こったので今でも不思議に思っています。

Concrete
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