短編1
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お墓に関する短い話①

G県のとある墓地。

最近作られたばかりの真新しい墓石が手前に並ぶ。

奥に行けば行くほど苔だらけの墓石が続く。

数年前に他界した祖父の墓参りに来た私が奥の方を見ると一人の男性が立ちつくしていた。

どうしたのかと思いつつも私は祖父の墓石を丁寧に水で流して汚れを落とすことにした。

墓石を奇麗にし終えたあと再び奥の方を見ると男性はまだ立ちつくしていた。

気になった私は反対側の通路に移動して男性に気が付かれないよう後ろから覗き見ることにし

た。

近づくにつれてぼそぼそと男性の声が聞こえてきた。

「俺はまだここにいる」

男性の背後に近づいた直後に私は砂利を蹴ってしまった。

「頼む。確認してくれ」

男性は振り向きながら私を手招きした。

私が近づくと男性は財布から運転免許証を取り出した。

「これが俺の名前だ。じゃあこれは誰なんだ」

男性が墓石の横を指さすとそこには運転免許証と同じ名前が彫られている。

没年月日は一か月ほど前になっている。

私が再度振り向くと男性の姿は消えていた。

周囲を見渡しても誰一人いなかった。

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実話なのですね
私も似たような経験があります。
不思議と恐怖心はないものです

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