短編2
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終わりの言葉

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私は暴力が嫌いなので、

だから資本主義とヤクザも大嫌いだ。

けれど、子供達に罪は無い。

高校時代に付き合っていた恋人の、

その友達が某○○組系の構成員の娘だった。

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当時は九州の或る地方に住んでいたので、

まぁ土地柄のせいか色んなことがあったのだけれど、

彼女の友達(仮に“A”とする)には実際の父親の他に

「パパ」が2人ほど居た。

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ちなみに時効だから書くが、

風俗で働いている17歳も高校に在籍していた。

私と同じ演劇部で一緒に舞台に立っていたのだから驚きだw

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もうこの世界にいないけれど。

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いやな話だけれど援助交際なども行われていた。

ネットが広がり始めてまだ間もない時代だったので規制も緩く、

紳士淑女の皆様はやりたい放題だったのだろう。

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さて、Aさんは学校としてはいわゆるアンタッチャブルで、

でもヤクザ関係者にありがちな、

弱い者いじめをするような人物ではなかった。

むしろ正義感のある女性だったように思う。

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以前に“腕切り霧子”という人物を描いたけれど、

モデルとしてAさんを採っている。

たとえば霧子みたいなキャラクターとは一緒に暮らせないけれど、

でもあの無限の優しさは、

この世界にひとつ、必要なはずだ。

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同級生のヤクザ者で刑務所に行ったのはふたり、

刺されて死んだのが、ひとり。

私は刺されたくないので静かに日々を過ごしているけれど、

ある男はバーでフィリピン人に、肺へ穴を開けられた。

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肺胞を破壊された際の死は窒息ではなく、

痛みによる機能停止だという。

刺された直後の呼吸の、

劇的な痛みが死因なのだ。

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さて、Aさんの終わりの言葉なのだけれど。

敵対組織の鉄砲玉に腹部を30回も刺されたと聞いて、

羽田から福岡まで飛んでいくと、

まだ病院で生きて待っていてくれて、

「誰も恨んじゃいけないよ。

幸せじゃなきゃいけないよ」

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…どんなに寂しかったろう。

どんなに寂しかったろう。

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