長編14
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400年前の約束

たまにF子やS君たちは我が家へ戻ってくる

やはり2人きりだと少し寂しいんだそうだ

まぁ確かにおふくろの実家のあの広い敷地内で2人きり(警備員は24時間体制で常駐はしている)だからな

たまにオヤジがスタジオの冷蔵庫を漁りに泊まることはあるけれど(笑い

S君がオヤジが泊まるとわかるとすかさずアルコール類はどこかへ隠している

さて・・

いつものようにS君は客間で大いびきをかきながら寝ていた

葵とカナちゃんは客間に行きおじさんの寝姿を見て

仏間に戻ってきた

「おじさん・・・すごいいびき!!なんだぞ!!」

「カナ・・・おじさん・・・いびきおおきい!」と小さな声で言ってきた

「仕方ないよ、疲れてるんだよ」と私が言うと

「でも、おじさん・・・前より痩せたような気がするんだぞ」

あ・・・確かにだ・・・少しほっそりとしている

でも・・あのスタジオならぐっすり寝れるはずだ

S君は周りが静かならよく寝れると言っていたから

「もう!!アニキ!!なんで大きいいびきをかいてるのよ」と大きな声が聞こえてきた

F子が客間にいた

わたしは少し気になったのでF子を呼んだ

「おい!!F子、こっちへ」

「え・・・アニキ・・何?」

「あのさ・・S君、少しほっそりとなったような気がするけれど・・・」

「あぁ・・確かに・・・体重が10Kg落ちたとか言ってたよ

食事は普通に食べてるのにね・・・夜?・・・周りは静かだよ

何もないからさ・・・私は疲れてそのまま寝ちゃうからね・・・」

周りが静かなら寝ているはずだが・・・

「そりゃ!!仕方ないだろ!仕事で疲れてるんだよ

それとも何か悩みでもあるんじゃねーのかよ」とオヤジが割り込んできた

さっきまでラジオを聞いていたオヤジが割り込んできたのだ

「悩み!?パパ・・・アニキ・・・悩みがあるのかな?」

「いや・・そう思っただけ・・・本人に聞かないとな」

「悩みがあるのなら私に何でも相談すればいいのよ!!もう!アニキ!!何かを隠してるんだわ!!」

およお・・・こりゃいけない方向へ行きそうな感じ・・・

「パパ・・F子お姉ちゃん怖いんだぞ・・・乙女を怒らせたらダメなんだぞ」

「パパじゃないよ・・・おいおい・・・」

「おじさん・・駄目だよ・・」と小さな声で私に言ってきた

カナちゃんまで・・・・

「うわぁ!!!!!!-------」とすごい悲鳴

「うわ!どうした?なんだ今のはよ」とオヤジはびっくりした顔になった

「アニキだよ、大丈夫かな」

F子は客間へ急いで行った

「アニキ!!大丈夫?」とS君に話しかけた

「ううう・・・・俺じゃない!!やめろーーー」

「アニキ!!起きて!!」

「うわっ!!!」と大きな声を出してS君は目を覚ました

「アニキ!!!」

「うわ!!!や・・・オバケーー!!!」

おいおい・・・オバケ・・・やばいぞ

「ア・ニ・キ・!!!誰がオバケよ!!失礼でしょ!!もうアニキとは口を利かないから」と怒り顔で部屋から出て行った

「おいおい・・・S君・・・オバケ・・はないだろ・・・やばいぞ・・・」

「え!?・・どうした?みんな?・・・・」

「寝ぼけてる場合じゃないよ・・・F子を怒らせたぞ」

「なに?・・・誰がF子を怒らせたんだよ?」

みんなでS君に指をさした

「え!!俺かい!!!うわっ!どうしよう・・・・」

「S君・・・1週間は無視されるぞ・・・俺もな・・・怒らせて・・・1週間も無視された・・・話しかけても知らん顔しててさ・・・こっちを睨むんだぞ・・・」

「そ・・・そっか・・・・どうしよう・・・」

「ところでさ・・・S君・・・だいぶうなされてたよ、どんな夢を見てたんだよ」

「うなされてた?この俺が?・・・そっか・・・夢・・・いやあれは現実だぞ」

「言っている意味がわからん・・・」

S君は1か月前から体の調子が悪くなってきたそうだ

日中でも眠くて仕方ない

夜は夜で早く寝るのだが疲れがなかなか取れない

食事は何とかとってはいるが食欲がどんどん下がってきている

「どこか体が悪いんじゃないかな、一度病院へ行って来いよ」

「一応・・・行ってきたんだけどさ・・・異常なしだってよ

過労からくる倦怠感だろうと言われた

でもな・・・撮影自体はそんな重労働じゃないんだよな・・・ましてや自分のスタジオや敷地内で撮影しているから・・・」

「もしかしてストレスの原因はF子じゃないか?」

「あはははは・・・そりゃまぁ・・たまにF子から説教されることはあるよ

もう慣れてるしな・・・」

「てっきり・・・あのでかい声が原因かと思ってた」

「あははは!!小さい時のF子じゃないよ、今はね」

「F子おねえ・・ちゃんは・・・声が・・小さかったの?おじさん」とカナちゃんは不思議そうに聞いていた

「そうそう・・小さいときはカナちゃんと同じで小さい声でしゃべってた

今じゃ想像できないだろ?カナちゃん」とS君は笑いを殺しながらカナちゃんに話した

「そう・・なんだ・・・カナ・・・も・・大きく・・なったら・・大きい声出せるのかな?」

「大丈夫!体も丈夫になって大きな声が出せれるようになるからね」

「うん!!!」

「へぇ~~私って・・・そんなに声が大きいの?・・・」

一同・・・一瞬で固まった

恐る恐る仏間の入口を見た

F子がすごい形相で立っていた

「うわぁつ!!!やめてくれ!!あっちへ行けーーー」とS君は悲鳴を上げた

「おいおい!!大丈夫か!!S君!!!」

「あっそ・・・アニキ・・・そんなに私のこと嫌いだったの?私のほかに好きな人がいるんだね・・・私・・・」と今にも泣きそうな顔をしていた

「おいおい・・・」

「わたし・・もういいや・・・」と泣きながら出て行った

「おい!!S君!!どういうことだよ?マジでF子が嫌いなのかよ?」

「ええ・・・!!いや、違うんだよ、違う・・・振り返ってF子を見たときに思い出したんだよ!!!・・・あの形相!!!・・・俺・・・一度・・・どこかで見たことがあるような気がしたんだよ・・・見たことは思い出したんだが・・・いつだったのか・・・思い出せん」

S君は自分の頭に手を当てて頭を揺らしていた

「Sちゃん!!!ちょっと・・・」とおふくろがやってきた

「どうしたの?F子が泣きながらリビングへ来たけど

訳を聞いたら「Sアニキかぁ・・・」の1点張りで要領がつかめないのよ

どういうこと?」

「いや・・そのぉ・・・」とS君は言葉が詰まってしまった

「おふくろ・・・あのな・・」と私はおふくろに訳を話した

「そういうことだったの・・・心配したのよ・・・とにかく・・記憶が戻らないとね・・

当分、仕事は休んでこの家で安静したらどう?Sちゃん」

「そうしろよ、少し休もう・・・」

「ありがと、みんな・・・でも・・・もう少しで思い出せそうなんだよな・・・」

「とりあえずはみんなリビングへ行きましょうね」とおふくろが催促をかけてきた

「うん」

「そうだな」

オヤジは葵とカナちゃんの手をつないでリビングへ行った

リビングでは一人F子がうつむいたまま座っていた

「F子・・・ごめんな・・・びっくりさせて・・」とS君がF子に声をかけた

「アニキ・・・正直に言って・・・他に誰か好きな人いるの?」

「いや・・いないよ」

「うそ!!」と怒った口調で顔を上げた瞬間

「うわぁ!!!!----」とS君は悲鳴を上げた

「アニキ!!!ひどい!!!」F子は泣き崩れてしまった

「おいおい・・・F子、違うんだよ・・・S君は・・・」

「思い出したぞ!!!そっか・・・あの日だ・・・俺・・・一人で家に留守番してたんだ・・・」

S君は思い出したのがしゃべりだした

俺な・・・中学校の時だ・・・いやまてよ・・・1か月前だ・・・

俺がスタジオで一人仕事をしていたんだ

F子はこの家へ帰っていた日だ

おやっさんがF子を迎えに来て出て行った1時間後かな・・・・

スタジオでカメラの設置をしていたんだよ

昼から撮影するためにな

ふと何気にスタジオの入口を見たんだ

そしたらF子らしい人影が立ってた

外の明るい光で顔が全然見えなかったけど、姿がF子に似ていた

「え!?F子?早いな・・・どうした?」とその人影に話しかけたけど無言で立ったままだった

おかしいな・・・と思ってもう1度声をかけたが返事がない

俺は無視されたと思ってまたカメラの設置を始めたんだよ

でも気になってもう1度入口を見たら誰もいなかった

F子じゃなかったのか・・・

メイトさんだったのかな・・・と

たまにおふくろの従業員がスタジオへ遊びに来ることがあった

するとスマホが鳴ったんだよ

俺、ビクッとなって少し鳥肌が立った

F子からだ

俺は「えっ」と言ってしまった

今さっきの人影はF子じゃなかった

メイト・・・いや・・・メイトさんならスタジオの中に入ってきて雑談をしていく

でもあいつはずっと立ったままだった

あいつは誰だ?

でも・・この光景・・・中学生の時にも見たような気がする

たしか・・・両親が何かの用事があってS子と2人きりの留守番の日だった

S子はたしかFの家へ遊びに行ってた

俺・・・用がしたくなってトイレへ行った

トイレを出てふいに玄関のほうを見たんだよ

玄関が開いていた

戸締りしていたはずだ

するとすぅーと人影が出てきた

外が明るすぎて顔が見えなかった

だいぶ目が慣れてきてもう1度見たらすごい美人のお姉さんだった

「あのぉ~~どちらさま?」と俺は言ったが返事がない

しばらく間が空いて

「ククク・・・」という声がした

たしかに玄関にいる女性のあたりから声が聞こえたんだ

俺は空耳かと思った

するとその女性の顔が一気に怒りの顔になって

「貴様!!!いずれ会う時が来る!!楽しみにしておけ!!ケケケケクククク」と

なんか気持ちの悪い声を発しながら笑っていたんだよ

俺は気絶していた

それがそのぉ・・・今思い出せば・・そのぉ・・・F子にそっくりというか・・・

「おいおい・・・S君・・・」私は思わず話を遮ってしまった

「いや・・その・・な・・」

「アニキ・・・」と顔を横に向けながらF子がS君を見ていた

「いや・・F子・・もちろんF子じゃないよ・・・F子に似てたというだけ・・」

それから俺は原因不明の高熱を出して1週間ほど寝込んでしまった

「あぁ・・・あの時・・・・学校を休んでたよな・・そっかそういう訳だったのか・・・

そっか!そうだ!1か月前の奴!!

顔ははっきりとは見えなかったけどあの姿は中学校の時の玄関にいた奴に違いない

あいつ・・・俺の夢の中に出てくるんだ

でも・・・なんで夢に出てくるんだろう?

「あのさ・・・1か月前から夢の中でそいつが出てくるんだよな

それも同じ場面ばかり・・・玄関の外でじっとこっちを見てるんだよ

そして・・・うす気味悪く笑うんだよ・・・・

俺・・・もしかしたら・・・F子に何かしたのかな・・・・」

「アニキ・・・・そうだったの・・・ごめんね・・・

でもね・・・私・・・アニキに対して悪いイメージはないよ・・・

Fアニキ・Sアニキ・・・私たちをすごく守ってくれたから・・・

でも・・・その人影が私だったら・・・なんだろうね・・・私の負の感情がアニキの夢の中に出てきてるのかな?」

「う~~ん・・・わからん・・・1か月前ならともかく・・・中学の時はね・・・」

「顔がはっきりと見えてればいいけど・・・顔のあたりがいつも黒い影というかモヤがかかってて見えないんだよな

でもな・・・姿格好がF子にそっくり・・・それもな・・・声までが・・・声って言ってもあの不気味な笑い声だけどな・・・F子の笑い声とは全然違うし・・・」

「わたし・・・一度その不気味な声を発してみようかな・・・できるかな」

「え・・・まぁ・・・一度試してみようか」

F子は少し低い声で「クククケケケ」の発声練習をした

顔を下に向けてパフォーマンスもして発声練習をした

「アニキ・・・少し練習をしたから・・・やってみるね」

F子は大きくため息をついた

顔を下に向けて

「クククケケケケ・・・・」と不気味な声を発した

「貴様!!!いずれ会う時が来る!!楽しみにしておけ!!ケケケケクククク」

「エエエェッ!!!!・・・・・うわぁ!!!!!これだよ!!この声だ!!!」

「まさか!!マジかよ・・・S君!!」

「おい!!F子!!もういいよ、顔を上げろよ、ありがと!!」

だがF子は顔を下げたまま

「おい・・・F子・・・F子!!」

F子は顔を下に向けたまま

低い声で

「貴様!!前にも言ったろ!!かならず貴様の前にいくから・・

貴様!!・・・忘れてるだろ!!!400年前の約束を・・・・

私を置いて・・・どこへ行ったのよ・・・私はずっと400年間も待ってた・・・

あなたが必ず帰るからと・・・」

「え・・・なんのことだよ?」

「どういうことだ?S君!!400年前の約束ってなんだ?」

「わからんよ、俺は400年前の人間じゃないぞ!F!!」

「おい!!F子、顔を上げろよ」

F子はゆっくりと顔を上げた

「うわぁ!!!!!!!こいつだ!!こいつ!!!俺の中学の時と夢の中の奴だよ!!!」

S君は思わず大きく反りかえってうしろへ倒れてしまった

私もF子の顔を見た

あれはF子の顔じゃない

どこかで見たような・・・・あぁ!!!!あの面だ!!オヤジのコレクションの一つだったあの能面!!

「私を捨てたよな・・・せっかく会えたのに・・・気持ち悪いからと言って・・・捨てた・・・あなたかた一族はいつの世代も・・・私を捨ててきた・・・」

「え・・・捨てた?どういうことだ?」

「そんな感じで・・・いつも捨てた・・・憎い!!・・・」

突然、F子が倒れた

「F子!!大丈夫か!!」と私はF子の体を動かした

「F 子!!おい!!目を覚ましてくれ!!!」

廊下から走ってくる足音がした

「F子ちゃん!!!」

オヤジだ

「何か胸騒ぎがしたんだよ・・・こういうことか!

おい!!F!!手を貸せ!F子ちゃんを仏間へ運ぶぞ!!」

私とオヤジでF子の脇を抱えて仏間へ向かった

ぐったりとして意識がない

後ろからS子が背中を押してくれた

「おっちー!!おっちーー!!F子ちゃん!!」

と泣き叫んでいた

そのあとにおチビちゃんたちも心配そうについてきた

すぐにおふくろは布団を敷いてくれた

「大丈夫かね・・・」とおふくろの心配そうな顔

「あぁ・・今は意識がないだけだ・・・心配ないよ」とオヤジはおふくろにそう言い聞かせていた

S君が心配そうに顔を見つめていた

「F子・・・どういうことだ?400年前の約束って何だよ?・・・・」

F子は無言だった

1時間過ぎ2時間過ぎた

「おっちーーー、意識が戻らないんだぞ・・・」

「オヤジ・・・大丈夫なかのよ・・・意識が戻らんぞ」

「時間はかかるが必ず意識は戻る、俺の娘だ!!間違いない!!」

ついにでた・・確証もないオヤジの迷文句

「あんたのその言い方はあてにならんのよね」とおふくろの一言

しばらくすると口元がかすかに動いたように見えた

「F子!!おい!!目を覚ませ」とS君の大きな声

「う・・ん・・・アニキ・・・どこ?・・・」

「俺はここだぞ!どこにも行かないぞ!F子!!」

目がパッと見開いた

「アニキ・・・私・・・」と弱弱しい声

「おっ!!気づいたか!!F子ちゃん!!」

「うん・・・パパ・・・」

「ホレ見ろ!俺の娘だよ!!」

わかってるよ・・・オヤジはF子を小さい時からかわいがってきたから

「ほっ・・・やっと目がさめたね・・・よかった」とおふくろはため息をした

「あんた!!S君と代わってあげな!」

「なんでだよ・・横にいたいぞ」

「あんた!!あっちへ行きな」

オヤジはしぶしぶ部屋の隅のほうに座った

S君がF子の隣に座って手を握った

「F子・・・大丈夫かい?」

「アニキ・・・わたし・・・夢を見ていたの・・・綺麗な女性がいたの・・・

でも・・・その女の人・・・座り込んで泣いていたのよ・・・私がそばに寄って話しかけたけど・・その女の人は泣いてばかり・・・やっと顔を上げて・・・私びっくりしたのよ」

「びっくりした?どうして?」

「アニキ・・・私だったの・・・服装は違うけど・・・私そっくりと言ったほうがいいのかな・・・でも・・・あの感じは・・・おばあさま・・そっくり・・・おばあさまの若い時とそっくりだった・・・」

「え・・・若い時のおばあさま・・・俺は見たことはないから・・・」

私は書斎室へ行きおばあさまのアルバムから若い時の写真を一枚取ってきてS君に見せた

「これだよ・・祖母の若い時の写真」

「どれどれ・・・え!!!・・・おアキちゃん?・・」

「いや、違うよ、おアキちゃんじゃない・・・祖母だよ・・まぁ・・俺もさ初めて見たときにはおアキちゃんかと思った・・・まぁ・・血がつながってるからな・・・祖母の祖母はおアキちゃんだからさ・・・似ててもおかしくはないさ・・」

「F子、この人かい?」

「そう・・・そっくり・・・その人が泣いていたの・・・訳を聞いたら・・・

好きな人が戦場へ行ってしまって・・・毎日毎日帰りを待ってると言ってた

でも・・・帰ってこない・・・毎日が辛いと言ってたよ、アニキ」

「そっか・・・400年前の約束って・・・なんだろう」

「え?400年前の約束?・・・よくわからないけど・・・あ・・でも・・その人・・死んでも待ち続けると言ってたよ・・・好きな人が「必ず帰るから」と言って出て行ったらしいのよ・・そして、その人が「わたしは必ず待ってる・・あなたかた一族は私を捨てないでほしい」と言って私の手を握ってきたのよ・・・わたし、全然意味が分からなくって・・・そしたら遠くてパパの声がしたから・・・そこで夢は終わったんだよ、アニキ」

「そっか・・・・400年間も待ち続けていたんだ、その人・・・」

「おい!!オヤジ・・・あの能面さ・・・どこへやったんだよ?」

「え・・あれ?・・・あれは・・・そのぉ・・・わからん」

「へ?わからん?売り飛ばしてきたんだろ!」

「いや・・売り飛ばそうとしてたのは間違いないけど・・まぁ・・店に着いたらその能面が無くなってた・・・どこかへ落としてきたのかな・・・」

「おい!!オヤジ!!いい加減な・・・どうするんだよ?」

「どうするんだよと言われてもな・・・」

「あの能面・・・間違いなくその人だと思う・・・まいったな・・・」

一同・・・重い空気になった

「さぁ・・・おチビちゃんたちはもう寝ようね・・・もうこの時間だよ・・

客間へ布団を敷くからね・・・」とおふくろはおチビちゃん3人を客間へ行かせた

「ばっちゃ・・・F子お姉ちゃん大丈夫なの?」と楓が心配そうに聞いてきた

「大丈夫だよ・・ふすまを開けておくからね・・」

「うん!ばっちゃ」

しばらくおチビちゃんたちはこちらを見ていた

2階から降りてくる足音がした

カナちゃんのお母さんだ

「あのぉ・・・何かありましたの?起きたら何が下で声がしていたので気になって降りてきましたけれど」

おふくろは一部始終をお母さんに話をした

「え・・・そうだったんですか・・・全然・・私・・・ぐっすり寝てたので・・・」

「能面・・・??・・・・あ・・・もしかしたら・・・ウチのカナがどこからかなんか白いお面のようなものを拾ってきたんです・・・」

「それかもしれない・・・」

「明日、持ってきますね」

良かった・・・

次の日の夜にカナちゃんのお母さんは例の能面を持ってきた

「これですか?」

「そ、それです、ありがとう!!助かりました」

能面をまた元の位置へ戻した

「これでいいのかな・・・これはもう私たちの宝物だね、アニキ」

「だよな・・・」

それ以来、仏間のあの怪しい気配が無くなった

あの世で2人会えたのかな・・・

あの能面・・・何かもっと重要なことというか・・・私たち一族の秘密を色々と知っていそうな気がする・・・

その女の人と好きな人は私たち一族とどんな関係なのか・・・

和尚様から送ってくる資料の中にヒントがあればいいけど

楓も仏間の嫌な気配が消えたと言って喜んでいた

オヤジも部屋の空気が軽くなったと言っていた

Concrete
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