YouTubeにアップした第五回体験談の原稿です。怖くはないです。

長編15
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YouTubeにアップした第五回体験談の原稿です。怖くはないです。

 こんにちはこんばんは、呪いでも恐怖でもない不思議な体験を、吉野貴博です。

 えー、実話体験を四回やりまして。

 再生回数が伸びませんね-。

 宣伝をほとんどやってないからだと思いたいのですが、他の人って「ご覧になって面白いと思ったらグッドボタンとチャンネル登録をお願いします」と言っているのですね。そういう言葉を出さない時点で視聴者数が圧倒的に少ないのは決定しているのかもしれませんが、そういう空気を読まずにこのまま続けるかと思っても、あまり話すことがないのですね。

 自分のページを誘導するときにbit.ly サービスを使っていまして、アクセス数は解るんですよ。しかしYouTube のアクセス解析が回数ゼロとか再生秒数()が数秒とか、これはもう私の話ではなく声がダメなのかなぁとか考えてしまうのですけど、どうしましょう。

 どうしようか考えて、見る人が少ないのなら私が体験した話でなく、聞いた話でもやってみようか、聞いた話だけど教えてくれた人が怖い体験をしたものでもないんですが、大家さん視点での事故物件にまつわる話って聞きたがる人いるかな、と思いまして、今回はそれにすることにしました。

 自分の持ってる建物で亡くなった人が出たとき、大家さんはどうするか?怪異抜きで、という話です。

 三つあります。

 一つ目。

 ビルを持ってる大家さん、aさん。一階を商売に貸している人です。

 aさんの隣町で商売をしていて、結構成功している社長さんがもう一店舗作ろうと地元の不動産屋さんに相談しまして、aさんのところにきました。

 aさん、自分で簡単な身元調査とか、簡単な評判調査をして、その社長さんがなかなかのやり手で評判もいいので貸すことにしました。

 ところがやり手の経営者とは俺様意識が強いケースがあって、その社長さんは従業員には厳しいというか、かなり傲慢なところがありましてね、だんだんaさんにもそういう面を見せ始めるようになったんですよ。

 借りてる立場としてaさんにだんだん言うようになってきまして、aさんも(嫌だな)と思うようになってきたんですけど、追い出すにはお金がかかります。aさんが社長のお店の引っ越し先を探して、引っ越し費用も持ってと大変な手間がかかるので、我慢するしかない。

 ところがその社長さん、やり手はやり手でして、その地区の行政が

「経営経験のない人が会社を立ち上げたら、助成金を出します」といっているのを見つけて、従業員数名に

「お前ら退職願を出せ。お前らが店を作れ」と、フランチャイズ展開をしようと準備を始めたのです。

 もともとある自分の店はそのままで、aさんから借りている店をフランチャイズの総本店にしようと、いったん契約終了を打診したんです。

 aさんにしてみたら、本当は社長と縁を切りたかったのですが、どちらかというとaさんの味方である不動産屋さんが

「大家さんが断ったって、今の契約がそのまま続く事になりますから、断るのは意味がないですよ」と、ここは改めて契約しなおして、定期借家という、期間限定の賃貸借契約にしましょうとアドバイスをしてくれました。

 普通の賃貸借契約だと借りている側が出て行くと言わないと、家賃の未払いと大幅な造作改造でもしないと、大家の方から出て行けというのは大変なんです。

 そのアドバイスに従って定期借家契約にしたんですけど、そしたら会社の方でも社長の俺様具合に腹を立てていた社員たちが、退職した後フランチャイズ契約を結ばず、お得意様を引き抜いて、自分たちだけで会社を始めちゃったんですよ。

 それで社長ががくーっと力を落としちゃいまして、ネットで自分の塾を始めたり組合で講習の講師としてぐいぐい活動していたのが、その後一切情報発信が停まってしまいました。

 しかし社長がどれだけ力を落とそうと、もともとのお店とaさんから場所借りているお店は経営をやらないといけないわけですから、奥さんが奮起しまして、それ以上の崩壊を防いで頑張り始めたんですよ。

 でaさんの店の賃貸借期限が来まして、aさんとしては奥さんにはとりあえず不満なところがないので再契約をしても良かったんですけど、考えてみたら社長と離婚したわけでもなく、社長が地位を追われたわけでもないので、いつまた発言が始まるか解らないので、そのまま契約終了を決めたのです。

 奥さん困っちゃいまして、引っ越し先を探さないといけなくなったんですが、そうそう見つかるものでもないし、不動産屋さんも社長のガーッ!をやられてましたから協力的ではない、他の不動産屋さんもどこに頼んだらいいか解らないで困っていましたら、話を聞いた別のビルを持っている大家さんが

「話は聞きましたよ、大変ですねぇ、どうです?うちに来ませんか?」と持ちかけたのですね。

 奥さん、渡りに船だか仕方なくだか解りませんが、そこに決めまして、aさんのところから100mくらいのところに引っ越して行きました。

 その話を聞いた私がなんとなく大島てるの地図で見てみましたら、引っ越し先に炎上マークが付いているのですね。

 aさん曰く、その引っ越し先、昔保育園だったそうです。いつの間にかなくなっていて気にもしなかったんですが、大島てるの地図には「事故で園児が死亡」。

 なるほど閉園しますわ。引っ越しただけかもしれませんが。

 それで問題は、向こうの大家さん、告知したんでしょうかね?それは解らないんですが、気が急いてた奥さんに「うちに来ませんか?」と言ってその気にさせて、aさんとの契約期限ぎりぎりになって

「あ、言い忘れていましたけど実は」と言われていたら、

「じゃぁ止めます」とは言えないでしょう、どうだったのかなぁと思っていたら、aさんの町内の人がaさんに

「聞いた?!あっちの大家さん、ずいぶん吹っ掛けたらしいよ!」と言いに来たり、aさんのときには社長が勝手に付けた外看板が新店舗にはなかったりで、向こうの大家さんが結構主導権握ってるのかなぁと思えてしまいます。詳細は分かりませんが。

 しばらくはフランチャイズ展開するから作っていたウェブサイトで、もともとの店と引っ越した店が並べて表示されていたのですが、いつの間にか引っ越した店はサイトからなくなっていました。営業はやってるんですよ、いつも明かりが付いていて、店先にお客さんの自転車やバイクが停まっているので、繁盛しているみたいです。

 別に亡くなった子供の霊は出てないんでしょうね。

 二つ目。

 アパート住まいの、生活保護を受けているおじいさんがいました。

 穏やかな人で問題を起こさず、元料理人で、たまに釣りに行って自分で魚を捌いて大家さんに持ってくる人でして。

 生活保護を受けている人って、週に一度だか二週に一度だか、民生委員さんが様子を見に来るんだそうですね。

 おじいさん、呼び鈴を鳴らされて鍵を開けに行くのが面倒だ、どうせ泥棒も来ないだろうからと鍵をかけない人で、民生委員の人も呼び鈴を押してドアを開けて、

「○○さーん、こんにちはー。どうですかー」とやっていたんですけど、その日は返事がない。さすがに出かけるときは鍵をかける人なんで、変だなと思って中に入ると、もう亡くなっていたんです。

 それで救急と、警察と、大家さんに言って、手続きを済ませて民生委員さんの仕事は終了です。

 お医者さんが立ち会ってのお亡くなりではないので遺体を警察に持っていって形どおりに調べたら、頭に傷があって、それが原因で亡くなったと、事件性の有無を調べないといけないので部屋の中はいじらないでくださいと言われまして、大家さん、捜査終了までその部屋の家賃はゼロです。区役所もお亡くなりになったことが解った時点で契約終了ですからね。

 いろいろ大家さんの活動はあるんですが飛ばしまして、とうとう警察から

「捜査は終了しました。もういいですよ」と連絡が来たんですけど、結局事件性があったのかなかったのかは教えてもらえず、これは告知義務に当たるんだろうか?と解らないんです。事件性が有ると判断されたら殺人もしくは傷害致死で告知義務もあるんでしょうけど、事件性が無いのなら告知しないといけないのだろうか?

 どうなのかは解らず、それでも言わないといけないのかもしれないのだけど、言わないでおこうと。

 というかそれまでは生活保護の人だったんで区役所の人と相対でやってましたが、今度は不動産屋さんに頼もうと決めまして、不動産屋さんも

「前回どうでした?」と聞いてこなかったので何も言わず入居者募集を始めまして、それで私が聞くまで十年近くがたち、入居者も五回替わっているので、これはもう言う必要なくなっただろうと、今に至ります。

 その五回の入居者たちも「変なことがあった」ということもなく、普通に住んで普通に出て行きました。

 三つ目。

 どんな町にもそれなりの歴史があるものでして、その町には何十年も前から続いている酒屋さんがありました。

 商売も順調で大きなお店を構えていたのですが、大手スーパーがその酒屋さんの店がある土地周辺を買い占めて、スーパーを作る計画を立てました。

 酒屋さん、立ち退き料をもらって立ち退いたんですが、そのお金で土地を買ってビルを建てました。どこに建てたかというと、もともとのお店の、道路のすぐ反対側にある土地です。

 一階を、コンビニ会社と契約して自分が経営するお店をやり、二階から上は生活住まいをする人に貸しての不動産業です。

 当時はコンビニ各社が店舗を増やす競争をやっていたんですが、お酒を売る免許があるところとないところで、フランチャイズ契約の有利不利とか、販売実績の差が大きかったそうです。今ではビールを売ってないコンビニの方が少ないでしょうか。

 それから何年も経ちまして、私が大島てるのサイトでその地区を見ますと、そのビルに炎上マークが付いているのを見つけました。

 曰く

「五階の一室にて男性の白骨化遺体、死因は現在不明」。

 その地区の知ってる大家さんに

「そのビル、何があったの?」と聞きに行きましたら、その大家さんはその大家さんで、

「えー!あの人、ビル売っちゃったんだよ!そういう理由なのかね!」と驚いておりました。

 大手不動産屋さんの入居者募集のページを見ますと、そのビルの五階で入居者募集が今でも続いているんですけど、その階は部屋が三つあるようなんです。問題の部屋が募集され続けているのか、問題の部屋はもう借り手がついていて、別の部屋が募集されているのか、それは解りません。

 以上の三つは、人が亡くなったことは事実だけど別に怪異があったわけでもなく、何事もないケースでしたが、今日の最後は、そのアパートの大家さんが言う「何も無い」を信用した上で、怪異ではないけどよく解らない話で終わろうと思います。

 Bさん。

 結婚して子供が出来会社を辞めて子育てに専念していたのですが、子供が手がかからなくなってまた働きたいなと思いまして仕事を探しましたら、町内にある酒屋さんから事務員として働かないかと声をかけてもらいまして、店舗販売ではなく事務仕事で働くことになりました。

 店の二階で事務仕事をすることになり、席をもらって働くのですが、そこの窓の外からはアパートが見えます。

 そのアパート、外廊下とか外階段と言って解りますでしょうか、各部屋の住人はドアを開けて通路を歩くのですが、その通路部分が外から見えるんです。

 Bさん、そのアパートが視野に入るのですが、引っ越してきた親子が見えるのですね。

 それなりの歳の男性と、そのお母さんらしき初老の女性が、引っ越し業者が働いているのを、アパートの大家さんと見ているんです。引っ越しの物が少ないから住居人の人が手伝う必要もなく、引っ越し会社の人がテンション高く働いているのです。

 引っ越し作業が終わり、初老の女性が大家さんと話しているのですが、男性はボーッとしてて会話に加わりません。

 それはそれでBさんも(ふーん)と思っていたんですが、事務仕事やってる人がその光景を見て、

「あー、あそこ、また入るんだ」。

「え?またって、頻繁に変わるんですか?」と聞きましたら

「うん。何があったってわけじゃないんだけど、あの部屋、定まらないのよ。何人変わったかな」

 他の人も会話に加わり、二、三年で七回は人が変わったのではないかと言っていました。

 その酒屋さんで働いている人たちも町内の人たちだし、そのアパートの大家さんも町内の人で、みんな顔見知りです。そこで頻繁に人が変わる部屋は話題に上がりやすく、町内の知り合いの気安さで

「あの部屋、何があったの!」と大勢が聞くのですが、

「いや、何もないよ!」と大家さんが言い続け、確かにその部屋で変なことがあったと知っている人もいないため、「何もない」を疑う理由もないんですけど、とにかく人が居着かない。

 大家さん曰く、一人一人の退去理由はもっともなものばかりなんですけど、頻繁に回数が続くと流石に不安になる、しかし本当に何もないし、誰も何も言わないのだからどうしようもなく、現在に至るんだそうです。

 Bさんも「ふーん」としか言えず。

 で、最初は、最初がいつかは気がつかなかったそうです。始まりは普通でしたから。

 初老の女性は引っ越しが終わって、すぐ外に出て、帰ってくるところを見ておらず、その後も姿を見ていないので、おそらく男の人が一人暮らしらしいんですが、男の人は働きにでていないようで、毎日決まった時間に決まった行動をしているんだそうです。

 Bさんは平日朝九時出勤なんですけど、朝十時くらいに男の人が外に出てどっかに行き、十二時前には帰ってくる、Bさんが帰るのは六時くらいなんですが、男の人は夕方五時くらいに外に出るんです。無職なのか、自宅でできる仕事なのか、拘束時間が決まっている仕事なのかよく解りませんが、Bさんが二階で仕事をしている間は、男の人が違う行動をしたことは一度もありませんでした。土日休日は見ていませんし、Bさんが二階にいないときの男の人の行動は一切解りませんがね、

 え?と思うようになったのは、部屋に来る宅配便がどんどん増えてきたんです。一回二回のころは気にならなかったんで、いつ始まったのかは解らないんですが、日を追うにつれ一日に五回六回が普通になり、中には遠くの県の宅配会社も見られました。

 荷物それ自体よりも気になるのは、使われている箱です。

 あの箱、どうしてるんだろう。

 アパートですから、そこに住んでいる人のためのゴミ捨て場はありまして、可燃物不燃物紙物ガラス物、出す日は決まっていまして、段ボール類は収集が二週に一度、お昼なんですよ、住人は紐で括った新聞とか本とかそこに捨てているのですが、段ボールがまとめて捨てられているのは見たことないんですね。

 あの段ボール、部屋に溜めているんだろうか。

 もちろんBさんが見てない夜に、どこか遠くに捨てに行ってるのかもしれません。でもそんな手間をかけるものだろうか?

 解りません。

 とはいえBさんに何かできることがあるわけでもありません、仕事は普通にありますんで、頭の片隅で(いったいなんなんだろう)と毎日を過ごしていると、事態は妙な方向に進み始めました。

 アパートの住人が、出て行き始めたんです。

 もちろん皆が一斉に、というわけではありません。一部屋目が引っ越して出て行ったときは、Bさんも特に気にしなかった。しばらくして二部屋目が出て行ったときも気にならなかった。しかしまた日を置いて、三部屋目が引っ越し作業をしているのを見たときには凝視してしまったそうです。

 すぐにパートさんが大家のところに話を聞きに行くのですが、どの住人も変なことは言っておらず、まぁ普通の理由を言っているんだそうです。

 そしてしばらくしてから他の部屋の住人たちも、よくある理由で出て行くことを大家に告げていく。皆、怒っても怯えてもいない、笑顔で「いままでお世話になりました」と円満退去でです。

 この連続退去は土日休日にもあってBさんが見てないときにもありまして、二ヶ月もしない間にアパートには男以外に誰もいなくなってしまいました。

 大家はその度にクリーニング業者を呼んで部屋を掃除させ、必要な部屋にはリフォーム業者を呼んで造作を直すのですが、これまたごく普通の一般的な汚れ具合壊れ具合で、何がどうもおかしいところはないのだそうです。ほぼ全員が示し合わせたわけでもないのに連続して出て行った、これはおかしいことなのか、ごくまれにはあることなのか、大家にも酒屋の全員にもよく解らないことです。

 人が出て行くのは続いても、入ってくるのは引っ越しのシーズンではないためか、誰もいません。大家はしばらく一部屋だけの収入に耐えないといけないのかと皆で話していたら、これまた数日して、最後の奇妙なことが起こったと話が来ました。

「あそこに来た人、出てったんですって!昨日大家さんのところにあの部屋に住んでた人のお父さんて人が、出て行くから手続きをしてくれって、来たんですって!」

 大家さんびっくりしたそうです。

 世の大家さんによっては、契約で「明日出て行く!」というのはダメで、出て行く一ヶ月前に言うように、という契約にしているところもあるんですけど、その大家さんはその項目を入れていなかったんですね。

 なのでダメだというわけにもいかず、男性に促されるまま部屋の状態を見に行った、すると部屋の中は誰も住んでいなかったかのようで、二人して一部屋一壁ずつ、床天井をじーっと確認して、何も修繕する必要がない。

 部屋を貸す直前、壁とか床とかの写真を撮って、傷とか汚れとかあったら入居希望者と照らし合わせて

「この傷は入居者さんが付けたものではありません、借りる前から付いてました」と確認しまして、出て行くときに借りる前から付いていた、借りた人が付けたと証明するのですが、傷や汚れどころじゃない、人が住んだら必然的に付くような傷や汚れが、全く見つからなかったそうです。

 普通家具を置いたら絨毯でも畳でもへこみますよね?いや、その足に緩衝材を咬ませる人もいますけど、他にも冷蔵庫の裏が黒くなったり、ドアノブがくすんだりとか生活してたら付く劣化です、それが全く見られないんです。

 男性はもう一巡やってもいいような態度をとっていたんですが、大家さんは男性の態度というか雰囲気に圧倒されていまい、もういいですと言ってしまったんです。

 後になって、落ち着いてみたら傷が見つかるってこともよくあることなんですが、後日大家さんが確認をしても、何も瑕疵を見つけられなかったそうです。

 それを聞いて、Bさんにしてみたら

「いつ引っ越ししたんだ!いつ荷物を出したんだ!」と驚くことしきりで、宅配会社が荷物を持っていくことはあっても、部屋から荷物を渡したのは見たことがないし、地域の宅配拠点に男の人が荷物を持っていくのも、Bさんは見たことがない、いったいなんなんだ!なんだそうです。

 繰り返しますが、Bさんだって酒屋のみなさんだって、そのアパートをずっと監視していたわけではありませんから、引っ越しだって夜中にやったのかもしれません、男の人だって事情があって二ヶ月で出て行ったのかもしれません、それは解りません、

 しかし、そこまで“普通”のことを、その部屋に住んでいた人がほとんどしないのって、なんなんだろう?と思うのは、確かだと思います。

 その後、次の住人が決まる前にBさんは酒屋さんを辞めて違う仕事に就きましたので、そのアパートがどうなっているのかは解らないそうです。町内会で酒屋さんのご主人や奥さんに会うことはあるのですが、働いている人とは会わなくなりまして、ご夫妻もアパートには興味がないようで、聞くにも今までの話をしないといけないから無理なんだそうです。

 以上で私がBさんから聞いた話は終わりです。

 今までの私の話のように、Bさんが何か酷い目に遭ったわけではありませんから、怖い話というより不思議な話なんですが、Bさんが見てないところで合理的な行動はあったのかもしれません、あれは一体なんだったのかなぁ、という話でした。

 さて、今月の後半にまた創作朗読をやりまして、十月になったら最終回です。

 十月前半の実話体験は、オカルト的なことは話しません。オカルトという言葉は元々「隠されたもの」という意味だと聞きますが、その上位概念といいますか、「消え去ったもの」の話をしまして、私が何故この分野に興味を持っているのかの自己語りをします。

 で十月後半の創作朗読で、まずはお終いと。

 逆にすればよかったな、そうしたら自己語りで全部お終いにできた。まぁ仕方がない。

 ではではみなさん、またお会いしましょう。

 吉野貴博でした。

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@天津堂 実話怪談収集家がよく「怖い話しないですか、と聞くと、怖くはないけど不思議な話なら、と話してくれて、当人が気づいてないだけで無茶苦茶怖くて」なんてことを言う人がいますが、なに、こういう話の方が圧倒的に多いんですよ。ただ「実話」と付くと、本当に本当に実話なのか確認しようもないのになぜ売れるのか!と嘆く人がいて、「その気になれば検証可能だし、その後の追跡調査も不可能ではない」という奥行きがあるんでしょう、現在いくらか事態が変わっているのもありますし、何か起こったら書きたいなと。

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