短編2
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下衆3

目の前に広がる光景…

ゴミだらけのゴミ屋敷。

そこに一人の見覚えある女がいた。

傍らには、か細い声で泣く赤ん坊。

女が振り返る。

「おかえり」

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「で…お前、智子が何処にいるのかわかってんのか?」

「え?」

「え?じゃねえよ?もう行方不明になって、もう1ヶ月だぞ?この前も言っただろ?」

と捲し立てるように裕二が言う。

智子…そうだったアイツの名前。

「なにいってんだよ?そこにいるじゃん。子供一緒に!」

見たままを伝えたつもりでいた。

でも、思いもよらない返事を聞くことになった。

「ハア?!お前こそなにいってんだよ?どうにかなっちまったのか?この家の大家から何度も「異臭がするから」って連絡があったってお前がつきあえって連絡寄越してきといてホントになにいってんだよ?」

ど…どういうことなんだ?記憶がない。

でも、裕二は、至って普通。

嘘をついてるようには見えない

要約するとこういうことだ。

智子は、俺と喧嘩した後…この部屋で子供と住んでた。

そして、行方不明になった。

ゴミ屋敷の大家から俺に連絡があって裕二と約束をしていたが、俺に何かあって約束を守れなかったってことのようだ

「そうだったな…すまん。」

裕二を見ると、隣に何故か分からないが俺にしか見えない「智子」と「赤ん坊」がいた。

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記憶がずっぽり抜けている。この記憶の糸を辿っていけば、どうしてこんなことになったのか分かるのか?

そもそも知りたいのか?

う…頭が割れそうに痛い…

裕二の姿がグラグラと蜃気楼のようになり…

見えなくなった…

つづく

Concrete
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